2011年07月18日

おめでとう! なでしこJAPAN世界一

 なでしこJAPAN世界一おめでとう! PK戦の途中から涙が止まらなくなって、熊谷選手がPKを決めた瞬間は泣きながらヤッターと叫んでドスドスと飛び跳ねた。下の階の人に迷惑をかけたかもしれない(ただ、私だったら上からドスドス聞こえてきたら『あ、上の人も応援していたんだるんるん』と嬉しくなったと思う)。

 正直に書くと、私は最初の10〜15分くらいで早くも諦めていた。アメリカはパワーだけでなくスピードもある。これまでの対戦相手と格が違ってみえた。なでしこらしいサッカーができず、後ろでちまちまと横パスを回して観客からブーイングされた場面で、『こりゃダメだ。準優勝で満足しよう、せめてぼろ負けしないでほしい…』って思った。

 ひょっとしたら期待が持てるかもしれないと思ったのは、決定的と思われたワンバックのシュートがサイドバーに弾かれた時。前半だけで数点入れられてもおかしくなかったのに、結果としてゼロに抑えられたのがよかった。なでしこの勝因は驚異的な粘りだけじゃなく、運もあったと思う。勝利に対する彼女たちの執念を見て、神様が味方せずにいられなかったと思えば運も実力のうち。きっちりと同点シュートを決めた澤選手がMVPに選ばれたのがすごく嬉しい。

 おかげで昨晩はすっかり寝そびれてしまった。夜11時頃に寝て朝方3時半に起きるつもりだった。眠れないまま3時近くなったので『試合が終わってから仮眠しよう』と思ったのが甘かった。延長戦、PK戦、優勝と続き、寝る時間がなくなった。

 米紙ニューヨーク・タイムズのサイトも歓喜にわくなでしこJAPANの写真を掲載している。18日午前9時半現在はまだ見られるけれど、すぐに更新されてしまうかもしれないので画像をアップしておく(クリックすると大きなサイズで見られます。数日後に削除する予定)。

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2011年07月14日

なでしこ快進撃!

 きのうは3時間弱しか寝なかった。サッカー女子W杯をテレビ観戦したせいだ。気持ちよく勝ったから、寝不足でもすがすがしい。

 福島第一原発は汚染水の“お漏らし”がたびたび報じられるし、政治は一段とグチャグチャで辞めるのを前提に続投した人が「脱原発」なんて言い出してもまともに聞いている人はいないし、毎日暑いしで、どうもパッとしない日本だけど、彼女たちの活躍が一服の清涼剤になった。

 特に2点目を入れてからは安心して見ていられた。日本とスウェーデンの平均身長は10センチも違うそうで、カメラが寄ると確かに『スウェーデンの選手は本当にデカイな〜』と思ったし、キーパーの体格は大人と子供ほど違った。とはいえ、カメラが引くと体格のハンデを全く感じなかった。

 みんな頼もしく、格好良く、イキイキと輝いてみえた。ツラ構えも試合運びもいい。3点目を含め後ろから積極的にシュートを蹴る思い切りの良さを感じた。男子の試合だと、後ろでボールもらってもチマチマと前に運んでからシュートしようと試みて失敗する例をたくさん見たような記憶がある。

 こんなことを書くと彼女たちには失礼かもしれないけれど、私には「なでしこJAPAN」というよりも「サムライJAPAN」のほうがしっくりくるし、ある意味では男子チームよりも「サムライ」なんじゃないかと思った(特に私の大好きな澤選手)。

 彼女たちのプレーに感動するのは日本人の身びいきってだけじゃないみたいだ。FWの永里優季選手のツイッター(リンク先は写真付のついっぷる)によると、スタバに行ったら店の人に日本の選手か尋ねられて、素晴らしい試合をありがとうとご馳走してくれたそうだ。海外の一般の人がそんな風に褒めてくれたなんて、どうしてか分からないけれど自分がほめられたかのように嬉しい。

 このところ冴えない日本を活気づけるためにも、なんとか決勝戦でアメリカに勝ってほしい。もう、すぐそこにカップはあるのだから。

【過去の関連記事】なでしこジャパン(2008年8月16日)
    
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2011年01月30日

海外からの祝福メール

 サッカーって世界的に人気のあるスポーツなんだなって実感したのは、朝起きたら海外からポツポツと「アジアカップの優勝おめでとう」というメールが届いていたからだ。

 これまでもワールドカップの際にメールをもらったことはあるけれど、例えばワールドベースボールクラシックで日本が優勝した時とか、オリンピックのマラソンや柔道や体操で日本人選手が優勝した時に祝福のメールが届いた記憶はない。

 それでも「世界的に人気のある」と書くのは大げさかも。メールをくれたのは欧州の人が中心で、あとはネパールの友人だった。ただ単に結果を知ってメールをくれた人もいるかもしれないけれど、中には「本田は前から知っていたけれど、長友みたいな素晴らしいプレイヤーがいる日本はいいチームだね」と書いてくれた人もいた。海外で放送されたゲームを見たに違いない。なんだか誇らしくなった。

 昨晩はもちろんサッカー観戦。勝利が決まったのを見届け、インタビューなどは一切見ないで寝た。
   
   
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2010年06月30日

W杯経済効果とパラグアイ戦

 電通総研部長の個人的な試算によると、今回のサッカーW杯の経済効果は3000億円に上るそうだ。あまりにも規模が大きくてイメージできない。

 我が家のW杯関連消費といえば、昨日のパラグアイ戦が始まる前に飲んだリポビタンD(2人とも夏バテ気味なので)と、観戦中に食べたポップコーンとお煎餅とクッキー、デンマーク戦の時もポップコーンを食べた。それに光熱費を加えても1人数百円程度。関連支出をした人の中では一番少ない部類だろうな。

 リポビタンDを飲んで気合いを入れてから観戦した昨日の試合、矛盾するようだけど「ものすご〜く惜しかった」という気持ちと「やはり世界8強レベルにはまだまだ遠かった」という気持ちが交錯している。

 あとほんの少しで8強に届かなかったのは本当に残念。しかし、私の素人目で見た限り、昨日の試合はこれまでに自分が見た他の決勝トーナメントの試合に比べてレベルが低いように感じた。相手がパラグアイでよかった。

 守備は頑張っているように見えたけれど、パスの精度が低くてボールがつながらない。すぐにボールを奪われる。選手は疲れがたまっているのかな〜、何が何でも勝とうという気迫がデンマーク戦ほど伝わってこないな〜、世界のトップレベルは遠いな〜と感じた。

 試合直後はガックリとうなだれて泣いている選手たちを見て、私もすっかり脱力した。しかし一晩たって、今のレベルで8強に進出できなくてもしょうがない、16強に進出できただけでも十分にスゴイことだと思えるようになった。

 日本チームの皆さん、お疲れさまでした。いつもの生活じゃ無縁の興奮をありがとう。4年後のさらなる進化に期待しています。
      
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2010年06月25日

祝!完勝

 つい完徹してしまった。もちろんW杯サッカーのデンマーク戦を見るためだ。いい試合だった。こんな試合を見たいとず〜っと願っていた。早めに得点してくれたので心安らかに観戦できた。あとになってみれば体格的なハンデを全く感じなかった。

 3点目が特に嬉しかった。あんな形で得点するのは外国チームだけだと思っていた。前回大会で「急にボールが来たので…」なんてコメントしていた選手がいたことを思い出せば、隔世の感がある。

 2点目を入れた時は、桜島の皆さんはさぞかし喜んでいるだろうと想像した。今年の1月に桜島を訪ねた際、バス停で一緒になった60代くらいの男性と話をした。「桜島といえばダイコンとミカンとエンドウが有名」と言われ、てっきり野菜のエンドウだと思ったらサッカーの遠藤選手のことだった。「エンドウが桜島の名産物だなんて知りませんでした」と思い切り頓珍漢な返事をして笑われてしまったっけ。

 もちろん1点目も興奮したのだが、ちょっとさびしかった。普段なら深夜でも近所から歓声が聞こえてくるのに、今回は聞こえてこなかったから。そういえばゲームが始まるころに近所を見まわしたんだけど、前回大会のブラジル戦に比べて照明のついている家が少ないように感じた。

 天邪鬼な私のことだから、一番印象に残ったのは得点シーンではなくてむしろ失点シーン。川島が失点後にバシバシ地面を叩いて悔しがっている様子に感動した。従来とは気合の入り具合が違うのが伝わってきた。

 全体的に『ひょっとして世界レベルに近づいたって思ってもいいですか?』って期待させる内容だった。軌道修正を怠るな、ぎりぎりのところまでリスクを追え、という教えでもあった。

 試合が終わっても興奮冷めやらず、オランダの友人に「奇跡を祈ってもらったおかげで、完ぺきな勝利を収めることができました!」と報告メールを書き、ふらふらと公園へジョギングに出かけた。ハイになっているのでいつもよりも軽やかに走り、帰ってきて熱めのシャワーを浴びたら頭がさらに冴えてきた。全然眠くならないので仮眠の予定を仕事に切り替える。さすがに夕方近くになってエネルギーが欠乏してきたところだ。
         
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2010年06月15日

初戦勝利&新旧交代

 全敗を覚悟していたW杯サッカー予選リーグで、カメルーンに勝ってびっくりしたし嬉しかった(闘莉王の存在感が薄かった…)。おめでとう、お疲れさま。

 しかし、これまでに見たほかの国の試合と客観的に比べると、イマイチな内容だったように思う。例えば、韓国−ギリシャ戦の方がスピード感があって楽しめた。勝利以上を求めるのは贅沢だろうか。

 わずか数カ月前には岡田監督も選手もメディアも「ベスト4入り」という目標に繰り返し触れていた。いまじゃ誰もそんなことを言わない。現実的になってきた。一勝しただけでもスゴイことだと思う。たとえ残りの試合を負けたとしても、帰国時の空港で卵をぶつけられたり水をかけられたりすることはないだろう。

 そういえば1、2カ月前には日本のエースといえば中村俊介だったのに、既に本田圭佑に交代したことが今日の試合でよく分かった。厳しい世界だ。中村俊介の美しいフリーキックを見る機会はあるのだろうか。
      
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2010年05月24日

サッカー日韓戦

 サッカー日本代表の試合(日韓戦)をテレビで見た。なぜかこのところサッカー日本代表に関心を失っていて、一試合をほとんど通して見たのは久しぶりだ。

 残念ながらイヤな負け方だった。開始早々に1点入れられ、終了間際にPKで追加点を入れられた。期待していた中村俊介が精彩を欠いていたというか、本田とうまくかみ合っていなかったように感じた。あんなに存在感が薄い選手だったっけ。不調なんだろうか。闘莉王も故障中と聞いて暗い気分になった。

 しかも埼玉スタジアムで試合しているっていうのに、「テーハーミング」という韓国側の声援がすごく大きかったので驚いた。壮行試合なのに勢いをつけるどころか先行きの厳しさをひしひしと感じさせられちゃった。

 もうすぐW杯だけど、個人的にはどうも盛り上がらない。一番関心を持っていたのはやはり日韓共催の大会の時だな。前回のドイツ大会の時だってもう少しは楽しみにしていた。今回は予選リーグの顔ぶれが強豪ぞろいで一勝を願うのは贅沢かもしれないが、せめて一点はもぎとってほしい。
      
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2010年02月26日

祝!銀メダル

 フィギュアスケートの話題で持ち切り。浅田選手が金メダルを取れなかったことを残念に思う人が圧倒的に多いみたい。というかマスコミの論調がそれ一色だ。

 でも、私は「真央ちゃんよくやった!」と嬉しい。シーズン初めのころは絶不調でオリンピック出場も危ぶまれていたのに、よくぞここまで持ち直した。それに何年か前は「ノーミスをして…」という不思議な言い回しをしていた真央ちゃんが、今回は「パーフェクトに滑って」と普通の表現で話していて、そんなところでも成長を感じた。

 そりゃね、得点を見ると不可解なことはある。トリプルアクセルを2回も決めた真央ちゃんのフリーは、別のところでミスがあったとはいえ131.72。3位に入ったカナダのロシェット選手は素人目には大技を繰り出したとも思えないのに131.28とそれほど大差がつかなかった。

 苦労していたトリプルアクセルが成功してもそれほどポイントに結びつかないなら、もっとラクに効率よくポイントを稼げる内容にできなかったのだろうか。今更何をいっても「たられば」の話になってしまうのだが。

 安藤ミキティは手堅くまとめた感じ。4年前の「自分以外は全員敵」みたいなトゲトゲしさがなくなった。何日か前にどこかで「感謝の気持ちを示したい」というような彼女の言葉を読み、4年間での成長を感じて他人事ながら嬉しかった。鈴木選手は会心のパフォーマンスができたみたいで、満足そうな感極まった表情がよかった。日本勢は男女ともに全員入賞だそうで、おめでとうございます。

 それにしてもキム・ヨナ選手は強かった。正直に書くと今日のフリー演技は全くといっていいほど印象に残っていない。しかし、007の曲を使ったショートプログラムは本当にうまく構成されていて、私はこれから何年たってもキム・ヨナ選手の名前を聞くと「007のフィギュアスケートの人」として思い出すだろう。それだけ強い印象を残した。振り付けがいいのか、音楽のアレンジがいいのか、それとも彼女自身の良さなのだろうか。金メダルおめでとうございます。
    
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2009年12月04日

4年ひと昔

 「10年ひと昔」なんていうけれど、移り変わりの激しいスポーツの世界では「4年ひと昔」といったほうがいいかもしれない。テレビでやっていたフィギュアスケートを見て、ふとそんなことを思った。

 というのも、一連の大会の決勝戦に相当するグランプリファイナルというこの大会に浅田真央選手が出場していなかったからだ。4年前の彼女は飛ぶ鳥を落とす勢いだった。年齢制限さえなければオリンピックに出て金メダルが取れるのに、と多くの人が思っていた。それが今じゃ誰がどうみても不調としか思えない。ふと気がついてみると、彼女が出演するCMを最近見かけなくなった。勝負とショービジネスの世界は残酷だ。

 一方の安藤美姫選手、4年前は絶不調だった。メダル待望の重圧に押しつぶされたかのように見えた。テレビで見る彼女の態度は、ある水泳選手に似ていた。その彼女もオリンピックでのメダル期待が重すぎて実力を発揮できなかった。帰国後は、オリンピックを楽しんだからいいのだという態度でバッシングにあったと記憶している。

 その安藤選手が今はまったく別人のようだ。身体が絞れているし、顔も憑き物が落ちたっていうか、険がなくなった。マスコミ対応もしっかりしている。ずいぶん成長して大人になったな〜と目を見張った。

 浅田選手の巻き返しに期待したいけれど、今の彼女にはそれが苦痛かもしれない。トリプルアクセルなんて跳べなくていい、メンタル面で強くなってほしいと思う人は私のほかにもいるはずだ。
   
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2009年08月23日

ちまちまマラソン@世界陸上

 昨日、今日とベルリンでやっている世界陸上のマラソン競技があった。どちらも部分的に見ただけに終わった。いつもならこういう世界的な大会は何を差し置いてもキッチリ見ているのに。

 このところ私自身があまり走れていないのが理由の一つだ。夏場はいつも走る距離がガクンと落ちるのだが、今年はかなり長めの旅行に出かけていたこともあり、さらにサボり体質になっている。フルマラソン復帰どころか10Kも走れそうにない…。

 出場選手の名前をほとんど知らないってのも一因だ。男子は佐藤敦之選手だけだったかな、名前と顔が一致する人。北京オリンピックの際、最下位でゴールしたあと、トラックに向かって深々と頭を下げたのがすごく印象的だった。あの日があったからこそ今回の入賞があったのだと思う。おめでとうございます(といってもゴールシーンは見ていなくて、後で知った)。

 女性陣は渋井陽子選手が欠場してしまったので知らない人ばかり。それだけ選手層に厚みが増したってことなんだろう。事前に全然騒がれていない選手が2位に入ってしまったのは爽快だ。でも、こちらはゴールシーンを見ていたので、中国の白雪選手に追い抜かれたのが残念でならない。あと少しだったのに。

 でも、マラソン競技にくぎ付けになれなかった最大の理由は他のところにありそう。ちまちましたコースだ。1周10キロの周回コースを4周ちょっと。同じ眺めがしょっちゅう出てくる。飽きた。ブランデンブルク門も最初と最後だけにした方が感動できそう。

 テレビを見ている人たちにベルリンをPRするつもりで、ぐるっと大周りコースにしていろんなところ見せてくれればいいのに。夫に「クーダムは絶対出てくるよ」なんて話していたら大外れだった。

 あのコースは交通規制区間や警備範囲を狭くできるメリットはあるんだろうけれど、テレビを見ている人へのサービス精神が感じられなかったな。
タグ:マラソン
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2008年08月25日

「まさかの」続きの北京オリンピック

 やっと北京オリンピックが終わった。「やっと」というのは正しくないかもしれない。前回のアテネ・オリンピックよりも短く感じたからだ。メダル獲得数が前回に比べて少なかったせいだろうか。

 期間中は朝方のテレビで画面の右側ないし左側の上部「金メダルへ」という文字を見て、どこかの局の「あきら〜めないえでぇ〜♪」という歌を耳にタコができるほど聴いて(そもそも各局ごとに異なるテーマ曲なんていらない)、実際に競技が終わると朝方の「金メダルへ」が「まさかの敗退」に変わっているのを確認するような日々だった。何回「まさかの」を見ただろうか。マスコミが勝手に期待を煽っておいて「まさかの…」もないだろう。

 そりゃ、私だって心から「よかった!」と思った競技もある。先に書いたなでしこジャパンの中国戦とか、ソフトボールとか、男子400メートルリレーとか。マスコミの注目度がそれほど高くなかった種目と選手ばかりだ。

 少し違った意味で心に残ったのは男子マラソンの佐藤敦之選手だった。完走した選手の中で最下位の76位。2時間41分8秒のタイムでは一部の女子ランナーにも抜かれそうな遅さだが、それでも最後まで走り通したことが私は静かに嬉しかった。

 暑さの中の過酷なレース。先頭集団にいた選手さえ途中棄権していく中で最後尾を走っていたら棄権したくなるのも当然だ。その誘惑を乗り越えてゴールしたことに本来のオリンピック精神みたいなものを感じた。

 考えてみれば金メダルがいればビリもいるからオリンピック(というかすべての競技)は成り立っている。例えば男子平泳ぎには北島をはじめとする強豪国の選手以外にも、ほとんど名前が知られていないような国からも出場していたはず。彼らだって自分にメダルが取れないであろうことは重々承知していたに違いない。それでも国を代表して出場し、世界から集まった選手の中で全力を尽くすことにオリンピックの意義があるはずだ。

 野球の星野監督は「金以外はいらない」と言ったそうだが、マスコミは「メダリスト以外はいらない」って感じだ。競技が始まる前からメダル、メダルと騒ぐオリンピック中継が心の底から悲しい。獲得して初めて「メダルを獲得しました。おめでとう」でいいじゃない。

 選手側にも言いたい。タレントに転向したスポーツ選手は多々いるけれど、現役のうちから引退後を考えてマスコミに擦り寄るのはやめたほうがいい。勝つことにハングリーになれないから。そういう意味では、現役を引退したわけでもない(よね?)のに北京に出向いてスポーツキャスターみたいなことをしていた浅尾美和選手の先行きが心配だ。
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2008年08月16日

なでしこジャパン

 昨晩テレビをつけたら、なでしこジャパンの対中国戦で沢のヘディングシュートが決まるところだった。結局最後まで見てしまった。これまで『女子サッカーなんて女の子のボール遊び』とバカにしてテレビ観戦したこともなかった自分を恥じた。

 もちろん技術的なレベルは男子サッカーに比べて格段に低い。プロ野球と高校野球なんてもんじゃない格差がある。でもメンタル面のタフさやボールへの執着心は反町ジャパンどころか岡田ジャパンにもまさっているのではないかと感じた。

 これまで見慣れていたのは、ボールが回ってきた時に自分の近くに相手チームの選手がいたら「ヤバっ、敵がきた…」とばかりにすぐにパスを出してボールを回す(しかもそのパスは後ろに出すことも多い)サッカーだ。後ろの方でちまちまとボール回しをしているイメージが強い。

 なでしこの場合は「あたしからボールを奪えるもんなら奪ってみな!」とばかりに自分で持っていく。ドリブルで相手を抜き去ってからパスを出す日本サッカーを初めて見た(しかもパスの精度もなかなか高い)。

 とにかく各人の「前へ前へ」という意識がものすごく強く、見ていてすがすがしい。久しぶりにオリンピック観戦の醍醐味を味わった。特にすばらしかったのは大黒柱の澤選手。攻守にクレバーな動きを見せ、最後まで運動量が落ちない。彼女のプレーには随所で鳥肌がたった。

 最近、岡田ジャパンの試合がつまらなくて見る気になれないのは、勝ち負けとか技術以前に気持ちの問題というのがよく分かった。なでしこには次のアメリカ戦も体当たりですがすがしい試合をしてもらいたい。そして今回の活躍でマスコミのおもちゃにされてしまわないことを願う。
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2008年01月27日

最速のトラックランナー

 福士加代子のデビュー戦となった大阪女子国際マラソンをテレビ観戦。1万メートルで国内敵なしでハーフマラソンの記録を持っている彼女、初マラソンに向けての練習で距離を積まずにスピード練習しかやっていないと聞き、最初は「さすが非凡なランナーは違うな」と感心していた。

 スタート直後になんとなくヘンだと思ったのは走るフォームがどことなくマラソン向きじゃないような気がしたから。美しいけれど、もっとコンパクトにまとめないと、余計なエネルギーを使ってしまいそうな気がした。ラビット(ペースメーカー)はこのレースには出ていなかったようだ。彼女は前半は独走態勢で、明るい顔をして楽しそうに走っていた。

 食事の片付けなどをして再びテレビを見ると、別人のようにストライドの狭くなって顔つきの変わった彼女がいた。それからほどなくしてズルズルと後続集団に抜かれ、最後は1キロ6分ペース。足がもつれて何回も転びながらゴール。オリンピックどころの騒ぎじゃなかった。

 私が同じ状態になってゴールするよりも、彼女のほうが何倍もつらいはず。だって「最速のトラックランナー」なんだし、オリンピックを目指しているんだし、沿道で応援する人は彼女の顔を名前を知っている人が圧倒的に多いだろう。おまけに無様な自分の姿だけじゃなく親の泣き顔まで全国に中継されているのだから。

 見ていてこっちがつらくなって泣けてきた。よく最後まで走ったもんだ。そこに彼女の非凡さを感じた。私は市民ランナーだから遅くても歩いても一向に気にならないが、彼女と同等の立場にいたら多分途中で棄権していたと思う。

 救いはゴールしたあとの彼女が(少なくとも表向きは)割と明るくケロッとした顔をしていたこと。彼女のことだからこのままで終わるとは思えない。北京は今からトラックで目指すんだろうか。マラソンは別の機会にぜひ再チャレンジしてもらいたい。

 きょうのレースを見ていて、ランナーの間に語り継がれている「走った距離は裏切らない」という格言を思い出した。そんな私は今朝は6キロ余りしか走っていません。
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2007年09月02日

世界陸上三大ビックリ

 世界陸上大阪大会が盛り上がりに欠けるまま終わった。盛り上がりを感じなかったのは、あまりテレビ観戦をしなかったという個人的な理由が大きいかもしれない(パソコンの調子が悪いので、パソコンでテレビを見るのをやめたため)。

 大会が終わった今になって公式サイトにアクセスし、「トラッフィー」なんていう公式マスコットがいたことを知った。そんな私が今回の大会で驚いたのは以下の3つ。「三大ビックリ」なんてちょっと大げさかもしれない。

1)銅メダルで号外
 オリンピックの金メダルで号外なら分かるけれど、世界陸上の銅メダルで号外っていうのは、今大会の日本勢の不振を一段と印象付けただけだった。もちろん土佐選手はよくやったと思うし、北京五輪代表内定おめでとう!と言いたい。

2)観客が少ない
 たまにテレビ中継をみると観客席に空席が目だった。サッカー中継を見慣れているせいか、やけにガラガラに見えた。高校野球があれだけ盛り上がるのだから、暑さのせいとは思えない。

3)日本勢の不振
 外国人選手は「暑さに弱い」「たとえ暑さに強くても、日本のような湿度には弱い」という話だった割に頑張ったな。日本人は地の利で実力以上の力が出せるのかと思っていた。最終日にメダル1つ取れてよかった。

 それにしても陸上に水泳にバレーボール、日本で立て続けに国際大会が開かれたな。なんだかんだいっても日本企業ってお金持っているのね。
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2007年03月24日

スポーツ中継花盛り

 いま改めてテレビ番組表を見ると、きょうはスポーツ三昧。大相撲に高校野球にプロ野球のオープン戦だけじゃない。ボクシング、フィギュアスケート、日本代表サッカー、シンクロナイズド・スイミングに加えて高校バレーなんていうのも見つかった。いくらなんでもこれって多すぎるのではないだろうか。

 私は外国人と話すとその人が日本に持っているイメージを聞くことがある。海外の旅を始めたころは、ホンダとかソニーとかいう人が多かったけど、10年ほど前に会ったカナダ人に「異常にスポーツ番組が多い国。ニュース番組でもスポーツニュースの割合が大きく、どのチャンネルも半分スポーツチャンネルみたい」といわれたことがある。

 当時はアメリカに住んでいたので漠然と『そうかもしれない』と思っただけだった。でも、彼の言ったことは本当だった。日本人はスポーツ観戦が好きなのか、それともテレビ局がスポーツ中継が好きなのか、あるいはスポンサーの意向なのか、全部かもしれない。

 私は一部をちょこっとずつ見た。まずボクシング。これはやっているのを知らなくてついTBSにしちゃったら、亀田長兄が出ていた。私の目は彼の髪型に釘付けになった(といっても見ていたのは数秒)。あれはひょっとしてカメの甲羅の模様かな。亀田だから名前にちなんだのかな。ボクシングの結果よりも髪型の由来が気になってしょうがない。

 次いでサッカー。サッカー観戦は好きなのに、オシム監督になってからあまり見なくなった。見ていてもあまり面白くないんだもの。マスコミの論調も最初はオシム語録だなんだって騒いでおいて、今はじーさん扱いのような気もする。最初に持ち上げて、そこから貯金を取り崩すように評価が下がっていくのはどの代表監督も同じか。

 ペルー戦を途中でのぞいたら、懐かしい「古井戸」選手の顔ぶれがあった。中村が代表のユニフォームを着てピッチにいるのを見るとホッとする。「古井戸」の水が枯れていないのに、新しい井戸を何本も掘ったってあまり効果はなさそうだ。

 最後がフィギュアスケート世界選手権。安藤ミキティの表情がガラリと変わったのが、彼女の演技よりもずっと印象に残った。憑き物が落ちたというか、ダークサイドから戻ってきたというか。

 3、4年ほど前だったかマスコミに持ち上げられすぎちゃったよね。オリンピックで地に落ちて、うまい具合に復活して自分を取り戻した感じだ。素直におめでとうと言いたい。

 振り返ってみると、スポーツ中継が多すぎると書きながら、私もかなり見ているもんだな。
posted by らくだ at 23:32 | Comment(2) | TrackBack(0) | スポーツ | 更新情報をチェックする