2004年05月14日

イタリア出身のインド首相?

 インド総選挙でバジパイが負けて国民会議派が勝った。事前にそんなこと予想していた人なんて知らなかったからびっくり仰天だ。バジパイ支持は根強いもんだとばかり思っていた。バジパイがグダグダ言い訳しないで潔く負けを認め辞表を出したのも、政治家の言い訳を聞き飽きている身には新鮮だった。

 BBCは国民会議派のソニア・ガンジー党首が首相になるかどうか明言していないと伝えているけど、ロイターやインド紙のヒンドゥは就任の見通しだと伝えている。インドじゃ帰化した外国人でも首相になれるんだ。進歩的だな。確かアメリカでは移民は大統領になれなかったはずだ。日本は物理的に可能なんだろうか? もし可能でも、まず実現しないだろうけど。

 私がインドに住んでたころは「ラジブ・ガンジー首相の奥さんのソニアはイタリア人だけど、ヒンディー語も話せて現地化が進んでいる」とか「ガンジー家の週末のメニューはパスタになることもある」なんていう話に名前が出てくる程度で、まったく政治には関係ない人だった。それだけガンジー家というかネルー/ガンジー一族の威光が衰えていないってことなんだろう。こう書くと全く進歩的じゃない気もする。なんだかよく分からん。ソニアの息子も当選したし、4代5人でで首相を務めることも十分ありそうだ。

 選挙結果以上に驚いたのは、全投票所で電子投票が実施されたということ(14日付日経新聞朝刊)。私がカルカッタ(コルカタ)に住んでいたときは1日20時間停電なんてしょっちゅうだったし、地下鉄は13年間工事してたったの4キロしか開通していなかったというのに。

 いまの日本はインドに負けているなぁ。久しぶりにインドに行きたくなってきた。 
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2004年05月10日

古き良き時代の再来?

 日経平均554円安。派手に下げたな〜。アジア株も全面安。日本時間23時の段階では欧州、アメリカも軒並み下がっている。それでも全週末に40ドルをつけたNYMEXの原油先物(WTI6月)はきょうは急反落して始まったからか、欧米の下げはアジア市場ほどきつくない。

 そういえば、新聞をみても「デフレスパイラル」なんて言葉はもちろん「デフレ」という言葉すら見なくなったな。代わりに「インフレ」という言葉をよく見かけるようになってきた。

 ちょっと前の話になるけど、6日のグリーンスパンFRB議長の講演について7日付ワシントンポストの記事(ひょっとすると登録していないと読めないかも)が気になった。
Greenspan has in recent years described an economy that appeared to be profoundly changed by advances in technology, increasingly flexible financial markets, and the soaring increase in global trade and investment. His enthusiasm for the subject led some economists to theorize that these changes had produced a "new economy," one without some of the limits to economic growth that had prevailed for most of the post-World War II period.

But for the first time, Greenspan yesterday emphasized that he believes such changes have created an only temporary shift in the economy's workings, creating what he termed a "transitional economic paradigm" -- which implies that the economy will some day again be subject to the old rules.
 面倒くさいから和訳は省略するけど、要するに議長はニューエコノミーからオールドエコノミーへの回帰を予言したという記事になっている。米雇用統計よりもこの記事のほうが私にはインパクトあるぞ、と思ったら記事を書いたのはワシントンポストのFEDウォッチャーとして名高いジョン・ベリーじゃない! ネル・ヘンダーソンて誰? ワシントン・ポストのFED担当記者は変わってしまったの? そうだとしたらショックだ。それともたまたま代打なんだろうか(誰か知っていたら教えてください)。ベリーじゃない人がこの記事を書いたと知り、これから議長講演のオリジナルテキストを読むことにした。 
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2004年05月09日

イラク人虐待の象徴となった女

 イラクのアブグレイブ刑務所での虐待事件で、加害者としての露出度が一番高いリンディ・イングランド陸軍予備役上等兵(ボルチモアサンの写真)。わずか数日ですっかり有名人になってしまった。おとといグーグルでLynndie Englandとキーワードを入れて検索したら引っかかったのは数百件。今は1万5000件以上もヒットする。

 彼女はウエストバージニア州の小さな町フォートアシュビーのトレイラーパークで育ったそうだ。除隊後の大学進学を夢見てイラクに行ったという。典型的な「負け組」だ。プアホワイトなんていったら差別用語にあたるのかな。21歳で離婚歴あり、現在は婚約中で妊娠しているとか。157センチと小柄なうえに婚約・妊娠している女性がそこまで残酷になれるのか、私にはちょっと理解できない(もちろん体格と残酷さに関係があるとは思っちゃいないけど心理的な問題)。

 同時に、占領軍の1員としてイラクに駐留するストレスも同様に理解できない。上にリンクをはったボルチモアサンの記事によると、昨年のクリスマス直前に休暇で帰国した彼女は11キロ痩せていたという。ことしの1月には戦闘以外でイラクで死んだ米兵の14%は自殺だと伝えられた(元記事)。

 彼女を「悪魔」とか「魔女」とか罵るのは簡単なことだ。でも、私が彼女の境遇に置かれていたら、彼女と同じことをしていたような気がするんだよね。私はそんな高潔な人間じゃない。自分から率先して虐待を始めることはないにしても、回りの人がイラク人を虐待していたり上司に命じられたりしたらどうだろう。日和見な私ときたら、仲間を止めたり傍観者になるっていうのは難しいと思う。戦争って人間のサディスティックな部分のぶつかり合いでしょ。心がすさんでしまって無抵抗の人の虐待に快感を覚えるというのは、理屈では理解できる。

 イングランドが母親との電話で「私は悪い時に悪い場所にいたの」と言ったというのを読んで、ついついそんなことを考えてしまった。写真を見る限り、命じられてイヤイヤ虐待をしているようには見えないけど、それでも私には彼女を責める言葉がみつからない。彼女のような境遇のアメリカ人に生まれていたら、あの写真に写っていたのは私だったかもしれない。「自分は絶対にそんなことをしない」と断言できる強い精神力を持った人を私は心から尊敬する。

【関連バックナンバー】
ほぼ半数が「虐待は単発的な事件」(5月8日)
再びイラク人捕虜虐待の話(5月6日)
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2004年05月08日

ほぼ半数が「虐待は単発的な事件」

 米ラスムッセン・リポートの世論調査。イラクのアブグレイブ刑務所でのイラク人虐待について48%が「単発的な事件」と回答。あのような虐待が「広範に行われている」とみている人は28%にとどまった。

 また、イラク人の暮らし向きはフセイン政権下よりもよくなったと思っている人は62%。そうは思わないという人の17%を大きく上回っている。

 調査は5日から6日にかけて有権者と思われる1000人を対象に電話で実施した。

 アルカイダのメンバーが収容されているというキューバ・グアンタナモではみんな丁重に扱われているのだろうか?
【関連バックナンバー】
再びイラク人捕虜虐待の話(5月6日)
刑務所での虐待は日常茶飯事?(5月4日)
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2004年05月06日

再びイラク人捕虜虐待の話

 ブッシュがアラビア語のテレビに出て虐待事件について話すというのでアルジャジーラのサイトをのぞいていたら、実際に出演したのはアルアラビーヤとアルフラーとかいうテレビだった。アルフラーというのはアメリカが資金を出しているらしい。ちらっと見たところでは釈明に終始して謝罪はなし。あとになってマクレラン報道官が"sorry"という言葉を使っていたことから考えれば、すごい反発があったに違いない。

 6日付のワシントンポスト紙には新たな虐待写真が何枚か載っている(日本時間6日夜現在はインターネット版で見ることが可能)。小出しにボロボロと出て来るな。でも、載せられない写真もあるそうだから、外に出てくるだけ人目に触れてもいい写真てことなんだろう。

 ラムズフェルドへの風当たりも強まっているらしい。ブッシュはかばう姿勢だったけど、ラムズフェルドの7日の議会証言次第ではひょっとしたら辞任もあり得る? 個人的にはちょっと難しいと思っているけど、メディアも辞任の可能性に触れるようになってきた(BBC)。

 アメリカの世論てどうなっているんだろう? どうもリベラル陣営の意見が気になる。4日のエントリーで友人の言葉を書いたばかりだけど、リベラル政治サイトでよくのぞいているDaily Kosもキレが悪い。このKosのサイトときたら、3月末にファルージャで4人のアメリカ人(日本では民間人とか警備員とか傭兵とか、元特殊部隊隊員の外注部隊とかされている)が殺されて遺体を引きまわされた時、「カネで雇われた人間がどうなろうと何も感じない」と書いて、民主党ケリー大統領候補のブログからリンクを外された前歴がある。

 今回の虐待事件については、主催者のkosじゃない人だけど
As for the specific case of Abu Ghraib, remember that some of these prisoners are terrorists, or people leading insurgency against our troops with the intent to kill, maim or capture.
などと書いていて、ドキッとさせられた。「アブグレイブに特定すれば、捕虜の一部はテロリストであったり、我々の兵隊を殺傷・拘束するために反乱行為を先導している連中であることは覚えておきたい」(筆者訳)ってことだ。

 さらにコメント欄には「有権者のほぼ半分か今回の事件には何ら悪いことはないとみなしている」ともあった(情報源は不明)。アラブ世界じゃ「アメリカは残虐だ」という話になって憎悪がますますみなぎってもしょうがないと思うんだけど、アメリカでは個人の犯罪という感じなのかな。アメリカ人として恥ずかしいというような考え方は一般的じゃないんだろうか。メディアと一般大衆の間にちょっと温度差を感じてしまった。

【追記】BBCによると、ブッシュは6日、初めて"sorry"という言葉を口にして謝罪した。

【関連バックナンバー】刑務所での虐待は日常茶飯事?
posted by らくだ at 23:59 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする

2004年05月04日

刑務所での虐待は日常茶飯事?

 3日付の米紙ロサンゼルス・タイムズにイラク・アブグレイブ刑務所で行われたイラク人虐待の調査報告要旨が載っている。

 これを読んで気分が悪くなった。テレビなどで見た写真数枚よりも、箇条書きのこの文章の方がずっと恐ろしい。とても全部翻訳できないけど、勇気を出して一部紹介してみる。
拘束された男女を裸にして写真やビデオを撮影
裸にしたまま数日間放置
裸にした男性に女性の下着を着せる
男性拘束者のグループにマスターベーションをさせてビデオで撮影
裸にした男性の首に犬用の首輪とヒモをつけて写真撮影
軍用犬を使って拘束者を威嚇し、少なくとも1件で1人が重症を負う
 この報道が出る前、アメリカ人の友人から来たメールには、「こういうことはアメリカ国内の刑務所でも日常茶飯事で起きているわけで、決してイラク人を差別しているわけじゃない」というようなことが書いてあった。もともとイラク戦争には反対していた人なんだけど、分かり合えない深い溝を感じた。
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2004年04月30日

イタリアに社会の成熟を感じた

 イタリアって余裕があるな。例のイラク人質事件についてだ。4月12日に人質になった4人のうち1人は殺害され、3人もまだ解放されていない。現地ではもちろん一大ニュースになっているようだけど、対応に日本との格差を感じた。

 先日のニュースによると、イタリア人を誘拐した犯人グループは、人質を殺さない条件としてイタリア軍のイラク撤退を求めるデモをイタリア国民に要求したとか。これまではイタリア軍の撤退そのものを求めていたのだから、犯人側としてはかなりの譲歩なんだろう。しかしデモで犯人側が得るものってあるんだろうか。気分的な満足感? ちょっと間抜けな要求に思える。そういえば犯人グループの名前も「緑の旅団」とかいうらしい。本家本元の「赤い旅団」に対抗しているのかな? 

 人質は解放してもらいたいし、犯人側の要求を聞き入れてデモをするのもちょっとねぇと思いながら注目していたら、29日にローマでデモがあったそうだ(アルジャジーラのAFP電)。推定3000人の参加者は、デモが政治的になるのを避けてただ人質の解放のみを求め、静かに行進したという。こんな手があったのか。社会が成熟しているなぁ。ちょっと前に読んだ新聞では、イタリアの世論調査でイラク撤退を支持する声が圧倒的に多いと出ていたのに、やっぱり犯罪者のいいなりにはならないということなんだろうな。

 イタリアの人質3人が無事に開放されることを強く願う。解放の条件がデモというぐらいだったら、1人を殺す必要なんてあったのだろうか。場当たり的な感じだ。犯人グループには激しい憤りを覚える。

 もし日本とイタリアが逆の立場だったらどうなっていたことやら。人質が全員無事に帰ってきてもこれだけの騒ぎになっているんだから、今よりもさらに数段階トーンを上げた加熱報道合戦が繰り広げられていたに違いない。

 自衛隊のイラク派遣が決まったとき、以前の日記に「『戦後』という一言で片付けられてきた時代が終わった」ということを書いた。新しい時代に入った途端に「アメリカ連合の一角」とみなされて事件が起きた。その事実にみんなが戸惑い浮き足立っておろおろしちゃい、多くの人が心の余裕をなくしているような気がする。
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2004年04月22日

イラクからメールが来た

 イラク人質事件のことはもう書かないつもりでいた。だって、感情的な非難や乱暴な憶測に基づいているとしか思えない批判などが多くて、いつまでたっても前向きな話が出てこないんだもの。

 16日のエントリー「2種類の怒りに戸惑い」を書いた時点では、3人の人質について世間は「大変な目に遭ったけど自己責任だからしょうがないよね」という話で落ち着いて、自衛隊をイラクから撤退させるべきかどうかの議論に移っていくのだと思っていた。それが私の考える「自己責任」だったわけ。ところがいまじゃ自己責任ていう言葉が一人歩きしちゃって、今年の流行語大賞になりそうな勢いだ。自己責任の大合唱の陰でニヤリとしているのは誰なんだろう?

 さて、イラク人質事件について再び書く気になったのは、イラクからメールが来たから。内容を一部紹介することについては「名前、居住地、英語の原文メールを一切公開しない」という条件で快諾いただいた。この人の宗教的背景や職業は知らない。パソコンが使えて英語のメールが書ける恵まれた立場の人ということは確か。文中では挨拶やイスラム教特有の表現なのか理解できない部分は省いた。カッコ内は筆者(らくだ)の説明。
 今回の(3人の)人質事件にはたいへんな憤りを覚えました。ただ、イスラム教徒やイラク人がすべて野蛮だとは思わないでください。武器を持たない人、特に女性に銃を向けて人質にするというのはイスラムの常識では考えられないことです。犯行グループは決して一般的なイラク人ではありません。ならず者たちです。厳しく処罰されるべきです。

 3人がイラクを助けるためにやってきたことは、報道で知りました。私たちは客人をもてなす文化があります。今回このような事件が起きたのは卑劣な犯罪者のせいですが、治安を守れなかったGC(イラク統治評議会)の責任も問われるはずです。3人にが責められる理由はありません。GCが機能していないならCPA(連合軍暫定当局)に問題があるのです。

 それでは私はアメリカの占領統治に反感を持っているかというと、そうでもありません。私はサダム政権下で仕事を奪われました。今は最悪の時期だけど、将来はきっとよくなるはずと期待しているのです。日本では「アメリカ人は死ね」と騒ぐイラク人の姿が毎日のように報道されているかもしれません。しかし、私の知る限りそういう人はごく限られています。私のように静かに平和を祈っているイラク人もたくさんいることは知っておいてください。

 アルジャジーラはご存知のことと思います。今回の人質事件をきっかけに日本でも広く知られたのかもしれません。私は(複数の)人質事件でアルジャジーラが犯行グループのプロパガンダを垂れ流した報道姿勢に激しい怒りを覚えました。

 さて、日本の自衛隊についてですが、私の生活には直接関係ありません。それに正直いってどんな活動をしているのか知らないのです。あなたは自衛隊を撤退させるべきだとお考えのようですが、私個人としてはイラクにとどまってほしいです。どうぞイラクを見捨てないで下さい。一連の人質事件のせいでイラクの復興再建が遅れてしまうのではないかと心配でなりません。

【関連バックナンバー】
helloとhellを間違えちゃった(4月18日)
2種類の怒りに戸惑い(4月16日) 
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2004年04月19日

日本とドイツ、中銀総裁の話

20日と21日の更新はありません

 日銀の福井総裁の名前がブッシュ、金正日、ビンラディン、プーチン、ビル・ゲイツ、ローマ法王と併記されている。すごい顔ぶれだな〜。米タイム誌最新号の「世界で最も影響力を持つ100人」の「指導者と革命家」部門の20人に堂々リストアップされているのだ(記事の詳細は定期購読者しか読めないけど、同部門20人の名前はこのページの下部に掲載されている。ほかの部門で日本人が数人リストに入っている)。

 グリーンスパンFRB議長を差し置いてねぇって感じだ。福井総裁の評価ってそんなに高かったの? ちょっと意外。購読していないので、何が評価されたのか知らない。顔ぶれをみると必ずしも好評価された人ばかりじゃなさそうだけどマイナス評価ってことはないよね。

 6年前に福井副総裁(当時)が営業局課長の接待事件の監督責任をとって松下総裁(同)と辞任したときは「幸運ならばひょっとして総裁に返り咲ける日がくるかも」って感じだった。あのころを振り返るとこんな雑誌に掲載される日が来るとは夢にも思っていなかった。

 対照的なのはドイツ連銀(BUBA)かも。中銀の独立度調査をすると、昔は必ず1位に入ったもんだ。といってもペール元総裁とティートマイヤー前総裁のころの話だ。

 欧州中銀(ECB)に金融政策の決定権が移ってからBUBAの凋落が著しいように感じる。先週末にウェルテケ総裁が引責辞任した。といっても彼は部下じゃなくて自分が接待を受けていたのが原因だ。2002年初めのユーロ現金流通のイベントで家族の文までホテル宿泊費7600ユーロ(現在のレートで約10万円)をコドレスナー銀行に払ってもらっていたのをシュピーゲルにすっぱ抜かれた。

 BBCなどの報道によると、野党は財務省がホテルの請求書などをシュピーゲル−ゲルに横流しして一連の騒ぎを始めたと非難しているとか。BAのホームページに掲載されている辞任の挨拶(PDFファイル)は財務省への恨み節に満ちている。
The trust between the Federal Finance Ministry and myself has been irreparably destroyed.(財務省と私自身の間の信頼は修復不可能なまでに破壊されている=筆者訳)
こんなドロドロした挨拶って初めて見る。なんだかまだ尾を引きそうな雰囲気だ。ウェルテケの名誉回復はあるんだろうか?  
posted by らくだ at 22:46 | 東京 🌁 | Comment(5) | TrackBack(0) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする

2004年04月17日

2人の日本人も解放!

 ロイター通信のニュースによると、バグダッドで何者かに連れ去られて行方不明になっていた2人の日本人も無事に解放された。(元記事

 この2人は家族もほとんどテレビに映らないし、名前を覚える間もなかった。何はともあれよかった。
posted by らくだ at 17:42 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする

2004年04月16日

2種類の怒りに戸惑い

 なんだかモヤモヤしている。イラクで解放された3人の人質事件についてだ。ちょっと皆さん、他人に厳しすぎやしませんか?

 このニュースについては恐ろしいほどの関心というかエネルギーというか怒りを感じていた。乱暴に分類すると、2種類の怒りがあったように思う。

 まず、「そんな危ないところにノコノコ行くなんてバカ、自業自得だ」という被害者に向けた怒り。この怒りときたら、私の理解を超える強さだった。怒りは当然ながら被害者の家族にも向けられた。「事件は3人の自作自演」という声もあると聞いたときは、「私なんて単純だから拉致されたってニュースをみれば素直に信じちゃうのに、想像力の豊かな人もいるもんだなぁ」と感心したぐらいだ。そしたら今週号の週刊新潮にも自作自演説が出ていた。かなり一般的な見方だったのかもしれない。

 そしてもう1つは「政府が自衛隊を派遣するからこんなことになるんだ。自衛隊を即時撤退して人命を助けよ」という政府に向けた怒り。ただし、こっちの勢いは前者に負けていた。被害者の家族が最初に見せたこの怒りは、何日かで見事なまでにしぼんでいった。

 各種報道を見ている限りほとんど感じられなかったのが、犯人に向けての怒りだ。考えてみるととても不思議だし、違和感がある。サラヤ・ムジャヒディンてこれまで知られていなかったグループらしいし、実態がよく分からないのが犯人には幸いしたのかもしれない。それにしても「被害者憎んで加害者憎まず」みたいな動きは諸外国の人質にもあてはまるんだろうか?

 私は2種類の怒りの狭間にいた。もともと自衛隊の派遣には反対していたけど、行ったからには1人も死なないでほしい、イラク人民のために尽くしてほしいと思ったし、着任した人がアラビア語で挨拶しているのを見て「お、いいぞ」と思ったのも事実。今回は「犯罪者の要求に応じて撤退するのには反対」だと思っていた。とはいえ数日前と意見は変わっていない。背景はどうあれ自衛隊は人道支援をしている。それが感謝どころか憎悪の対象になったり撤退を求めるデモを起こされたりしてはねぇ。イラク人の総意として自衛隊が必要とされているのか疑問だ。

 3人についても避難勧告の出ている国に自ら乗り込んでいったのだから自己責任といわれてもしょうがない。この「自己責任」という言葉にちょっと厳しさのスパイスをふりかければ「自業自得」になるんじゃないのかな。私はどちらの怒りも共有できず、仲間はずれのコウモリになった気分で3人の無事を祈っていた。

 そして新たに2人の同胞が捕まったとの報道がある。犯人はサラヤ・ムジャヒディンじゃないそうだし、犯行声明を含め新しい情報がまったく入ってこないらしい。政治的な意図がなくて単なる物盗りだったりしたら3人のケースよりもヤバイかもしれない。心配だ。1日も早く無事に解放されることを願いたい。そして米国の占領統治下のイラクで自衛隊が活動することの意味をもう一度考え直す必要があるように思う。
posted by らくだ at 00:36 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(3) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする

2004年04月15日

イラクの人質3人解放!

 1週間前にイラクで人質になった3人が解放され、バグダッドの日本大使館に入ったとのNHKニュース。よかった〜。

 でも、安心してちゃいけないのかな。新たに日本人2人が捕まったらしいという報道。なんだかこういうニュースに慣れて行く自分が恐い。
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2004年04月12日

甘かった! 再び殺害予告

 アルジャジーラの最新ニュースによると、やはり24時間以内に自衛隊を撤退させないと人質の1人を殺すという話になっている。仲介者がアルジャジーラに語ったそう。日経新聞のサイトにもニュースは出ている。

【追記】その後、このアルジャジーラはこの報道を否定し、人質は解放されると外務省に連絡したという(元記事)。でも、アルジャジーラのサイトでは、まだ殺害予告の部分が次の通りに残っている。
The "Iraqi mediator", Mazhar al-Dalaimi, said on Sunday the kidnappers were "giving the Japanese government a 24-hour ultimatum, not open to extension, after which they will execute a first hostage".

その上で、「イラクの消息筋はこの声明の正確さに疑問を呈している」と伝えているんだけど…。もう、何がなんだか分からなくなってきた。
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2004年04月11日

幻の解放報道に翻弄された

 午後3時半すぎだったか、ヤフー・ジャパンをのぞいたら、「アルジャジーラが邦人3人が解放されたと伝えた」という毎日新聞のニュースが出ていた。おっと思ったら、いつのまにか消えて古いニュースと差し替えられている。毎日新聞のホームページに行ってもそんなニュースはない。アルジャジーラのホームページもしかり。まるで幻の解放報道だった。

 高知新聞のサイトに載っている共同通信のニュースによると、最初に「解放」を伝えたのは時事通信らしい。アルジャジーラが「そんな報道はしていない」って否定して一件落着したみたいだけど、報道していないものを見るなんてことってあり得るのかな? 複数の報道各社が同時に幻覚を見た? 不思議でしょうがない。

 きょうは日曜日だし明日は新聞休刊日だ。報道各社は人手を絞っているのか、各社サイトの更新頻度がいつもに比べて落ちているような気もする。欧米諸国はイースター休暇だ。

 いったん「解放へ」って伝えられて気が緩んだせいか、きのうまでの緊張状態には戻れそうにない。そのくせ、この事件が気になって、ほかのことに集中できない。あ〜もう早く解決して。

【追記】5月1日付の日経新聞朝刊によると、時事通信社はこの誤報で関係者を処分した。
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2004年04月10日

日本人人質の動画

 8日のエントリーのコメント欄で、とうごサンからご質問のありました日本のテレビとは違う人質の動画ファイルは以下のURLにあります。2本時間の10日午前8時半現在はみられます。最初にサマリーでいくつかのニュースが伝えられ、その次に本編が出てきます。
http://stream1.euronews.net:8080/ramgen/bulletin/bul-bulletin08s-en.rm?usehostname

【追記】4月18日になって産経新聞が「人質にナイフの映像は演出」と報道。本文をみると、政府は「強要され、やむなく従ったとみている」とのこと。やはりオリジナル版を全編放映してほしかったと思う。
posted by らくだ at 08:58 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする