2005年07月15日

イスラム圏で自爆テロへの支持低下

 米ピュー・リサーチ・センターがイスラム過激派に関する世論調査結果を発表した(原文=英語)。それによると、自爆テロは正当化できるとの回答が全般的に減少、オサマ・ビンラディンへの信頼感も低下していることがうかがえる。

 イスラムを敵から守るための暴力行為について、調査結果が発表された6カ国の中で最も支持率が高いのはヨルダンの57%(2002年夏は43%)。過半数の人が暴力に賛成していることになる。イラクの隣国という事情があるからだろうか? あとはレバノンが39%(同73%)、パキスタン25%(同33%)、インドネシア15%(同27%)、トルコ14%(同13%)、モロッコ13%(2004年3月は40%)と、もともと低水準だったトルコを除けばかなり顕著な減少傾向にある。

 アメリカとその連合国を対象とした自爆テロに限定して支持率をみると、モロッコ56%(2004年は66%)、ヨルダン49%(同70%)、レバノン49%(−)、パキスタン29%(同46%)、インドネシア26%(−)、トルコ24&(同31%)と全体に低下傾向。モロッコは暴力行為に賛成する人が少ないくせに、過半数が自爆テロを支持っていうのはどういうことなんだろう? 

 オサマ・ビンラディンへの信頼感(世界情勢に関してオサマが正しいことをしているとの確信)は、「かなりある・少しある」との肯定的な回答が、やはりヨルダンで60%(2003年5月は55%)に達した。自爆テロへの支持が減っているパキスタンも、こちらは51%(同45%)と過半数に増えている。一方、インドネシアは35%(58%)、モロッコ26%(49%)、トルコ7%(15%)、レバノン2%(14%)と、支持者が減少傾向にあることを示している。支持基盤が一部地域に限られてきたと言っていいんだろうか。

 調査は世界17カ国で1万7766人を対象にして春に実施された。ロンドンの爆破テロ後に実施していたら、暴力行為・自爆テロへの支持率はさらに低下していたような気もする。
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2005年07月03日

パキスタンの戦う女

 2005年も折り返し地点をすぎたばかり。「今年の人」について語るには早すぎるとはいえ、私が勝手に決めるとしたら今年の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」はパキスタンのムクタル・マイさん(33)が有力だ。上半期だけに限ってみればぶっちぎり。なぜか日本のメディアはほとんど関心がないらしい。

 マイさんはパンジャブ州の寒村に住む文盲の女性。2002年2月、マイさんは別の部族であるマストイ族の男14人に襲われ輪姦された。マイさんの弟がマストイ族の少女をたぶらかしたという口実で、マストイ族の長老らが襲撃を命じたのだ。マストイ族はマイさんの部族よりも力があるとされている。あとになってマイさんの弟も被害者だったことが判明する。マストイ族の3人の男に性的なイタズラをされそうになり、犯人たちが事実を隠すために作り話をしたのだった。

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2005年06月29日

「米よりも中国が好き」続報−日本はもっと好きだった

 6月24日に書いたエントリー「米よりも中国が好き」−国際世論調査について、より詳しい原資料(英語)を見つけた。先日の資料では米国と中国を対比させただけ好感度しか出ていなかったのだが、好感度調査は日本も対象になっていた。日本の好感度は総じて中国よりも高いことが分かりホッとしている。資料にあった数字をここで紹介する。
      −−−好感度(単位:%)−−−
         米   独   仏   日   中
カナダ人    59   77   78   75   58
イギリス人   55   75   71   69   65
フランス人   43   89   74   76   58
ドイツ人    41   64   78   64   46
スペイン人   41   77   74   66   57
オランダ人   45   88   69   68   56
ロシア人    52   79   83   75   60
ポーランド人  62   64   66   60   36
アメリカ人   83   60   46   63   43

 フランス人とドイツ人はお互いに自分の国よりも相手の国に好感を持っている結果になっているんだけど、独仏の数字が入れ替わっている可能性はないんだろうか? やや不安だ。

 表で紹介されている5カ国の好感度を私が勝手に計算してみた、要するに平均値を出しただけなんだけど、ドイツ74.8、フランス71.0、日本68.4、アメリカ53.4、中国53.2の順で、少なくとも上記9カ国での調査に限るとアメリカがわずかに中国を上回っている。
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2005年06月18日

世界のセレブ・ランキング

 米フォーブス誌がことしの「世界で最も力のあるセレブ」ランキングを発表した(BBC)。「世界の」といってもトップ10のうち9人はアメリカ人で、1位は米テレビ司会者のオプラ・ウィンフリー(昨年はメル・ギブソン)。

 このランキングはメディア、インターネットへの登場回数、2004年6月からの1年間の推定収入−をもとにはじき出されている。オプラの年収は推定2億2500万ドル。しかし、この人って日本ではまったくといっていいほど知られていないのが不思議だ。

 とはいえ、3年近くアメリカに住んでいた私も、テレビに出ている彼女はほとんど知らない。平日昼間のトークショー(日本のワイドショー)で人気なので、見る機会がなかったのだ。知っていることといえば、信じられないほどのダイエットとリバウンドを繰り返し、痩せているときに走ったフルマラソンのタイムは私よりもいいってことぐらい(マラソンに関しては、私は勝手にライバル視していた)。彼女の書いたダイエット本はベストセラーになってあちこち山積みされていた。ただ、視聴者には太っているオプラのほうが好評だと聞いたな。

 セレブ・ランキングのトップ10の残りの人たちは日本でも知られている人ばかり。シャキール・オニールってまだプレーしてんのか…。
 1位 オプラ・ウィンフリー
 2位 タイガー・ウッズ
 3位 メル・ギブソン
 4位 ジョージ・ルーカス
 5位 シャキール・オニール
 6位 スティーブン・スピルバーグ
 7位 ジョニー・デップ
 8位 マドンナ
 9位 エルトン・ジョン
10位 トム・クルーズ
 作家では「ダビンチコード」のダン・部ラオ運河12位と、ハリーポッター・シリーズのJ.K.ローリングの22位を上回った。トップ100圏外に去ったのはジム・キャリー、トム・ハンクス、ローリング・ストーンズなど。
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2005年06月13日

フリーダム・フライ議員の転向

 イラク戦争直前、対イラク攻撃に批判的だったフランスへの対抗心から米下院カフェテリアのメニューから「フレンチ・フライ」を駆逐して「フリーダム・フライ」と改称させた立役者の1人が再び脚光を浴びている。

 12日の米ABCテレビ「ディスウィーク」に出演した共和党のウォルター・ジョーンズ下院議員(ノースカロライナ州、ホームページ)は、米軍はイラクからの撤退するべきだと述べ、撤退計画の策定を求めて週内にも共同で法案を提出することを明らかにした(ワシントンポストのAP電=無料登録していないとアクセスできないかも)。5月の下旬だったか、この人が反省しているっていう話は読んだが、いったん転向が公になると動きが加速するようだ。

 ジョーンズ議員によると、考えが変わったのは2003年4月、ナシリヤで死亡した軍曹の葬式に出席したときだというから驚きだ。だって、5月25日付の英ガーディアンによると、下院にある3軒のカフェテリアはメニューから「フレンチ」という言葉を排除すべきだという書簡を回したのはわずか1カ月前の2003年3月。この人はメニューが「フリーダム・フライ」「フリーダム・トースト」に変わって喜んだのも束の間、2年間も悶々としていたことになる。

 このガーディアン紙によると、フリーダム・フライの名前は依然としてそのままで、フレンチ・フライという名前には戻っていないとか。まず、そこから手をつけたほうがいいのでは? 戻すの煩雑な手続きが必要なんだろうか。改称について「あんなことしなければよかった」と悔いるジョーンズ議員は、これからも「フリーダム・フライの」という枕詞を背負うことになるんだろうな。  
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2005年06月01日

ディープスロートの正体

 朝方の定例作業でBBCのサイトをチェックしたら、ウォーターゲート事件のディープスロートが名乗り出たというニュース(元記事)が出ていた。ぶったまげた。しかも、最初にスクープしたのが女性誌のヴァニティフェアと知ってさらに驚く(ワシントン・ポストも同誌の報道を確認済み)。ヴァニティフェアってコスモポリタンみたいな女性向けのファッション・ライフスタイル雑誌というイメージしかない。

 ワシントン通を自認する複数の知人が「ディープスロートが当時のヘイグ国務長官だってことはワシントンの常識」などと言っていた覚えがあるんだけど、大ハズレだったな。フェルトFBI副長官(当時)ってあたしゃ初めて聞いた名前だ。この人は自分の家族にすら2002年まで黙っていたというのだから、口の堅い人なんだろう。91歳ということで、最後にスポットライトを浴びたいと思ったとしても不思議じゃない。だってウッドワードとバーンスタインは本人が生きているうちは正体を明らかにしないと言っていたんだし。

 私がディープスロートのことを初めて知ったのは、高校時代に名画座で「大統領の陰謀」を見たときだ。ロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンという人気俳優が出ているから見たのだが、当時の私には映画の内容は理解できなかった。室内と夜のシーンばかり多く恐ろしく地味な映画で、正直いって退屈だった。編集主幹のベン・ブラッドリーを演じたジェイソン・ロバーツ(アカデミー助演男優賞を受賞)がいい味を出していたことぐらいしか印象に残っていない。それでも、「取材で困ったことがあるたびに、このディープスロートが出てきて助けてくれるんだからいいなぁ」と思ったことだけは覚えている。

 大学時代にたまたま文春文庫から出ている翻訳書の「大統領の陰謀」を読んだら、些細な事件を取材するうちに大統領までたどり着く展開の面白さに夢中になった。この本はいまでも処分しないで手元にある。ネット書店をのぞいてみたら現在絶版状態みたい。定価は612円だというのに、アマゾンでは古本を2980円!で売っていた…。

 久しぶりに開いてみると、このころの文庫本はやたら文字が小さく行間も狭く感じる。気になって数えてみたら、1行の文字数は43文字と比較的最近買った文庫本に比べて1文字多いだけながら、1ページの行数は2行多い。せっかくの機会だから読み直してみようと開いたものの、目がチカチカしてちょっと迷っている。 
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2005年05月29日

引っ込んじゃった旧日本兵

 フィリピンのミンダナオ島にいる旧日本兵少なくとも2人が帰国を希望しているというニュース、本人の登場をいまかいまかと待っているうちに、どんどん情報がしぼんで行く。最初は「2人は軍法会議を恐れている」なんてもっともらしい話だったのにさ。

 今朝の毎日新聞によると、あまりの騒ぎに反政府武装勢力が「通行料」を当初の5倍の2500万円相当まで引き上げたとかいう仲介役の話があった。フィリピン紙インクワイアラーは、この毎日の報道を引用しながら「通行料」ではなくて「ransom(身代金)」という言葉を使っている。言葉から受ける印象はまったく違う。どうなんているんだ? 夜のNHKニュースではこの仲介役との連絡が取れなくなっていると言っていたら事態は動きようもない。

  確認される前に騒ぎすぎちゃったみたいだ。大騒ぎしていたマスコミも一転して「でっちあげの可能性と地元紙」、「生存情報にあいまいな点」(共同通信)、「これまで日本人の生存情報は聞いたことがない。情報に対する対価を目当てに武装勢力が情報を流している可能性もある」(毎日新聞)などとトーンが変わった。退路の確保に手を尽くしているといった感じだ。最初にスクープしたという産経新聞も、ホームページを見る限りすっかりおとなしくなっている。

 しかし、名前まで特定されているのに全くのガセネタなんてことがあるのかな? あたしゃまだ可能性を信じている。名前が出ている2人は80代だというから、日本に帰国するにしても今がラストチャンスだろう。ここは時間がかかっても徹底的に調べてもらいたいもんだ。

【追記】5月30日になって旧日本兵の情報は現段階では確認できないと判断され、日本大使館の担当者はマニラに戻った。一時は2人どころか40人ぐらいいるとも報じられていたのにねぇ。
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2005年05月10日

日本人傭兵

 イラクでまた日本人が武装グループにつかまった。朝刊を見るまで知らなかった。この人は自衛隊に2年、フランスの外国人部隊に21年間もいたという経歴の持ち主だそう。そういえば昔、仏外国人部隊にいた人が書いた本をパラパラと見たことがあったな。

 1年余り前に論争を巻き起こした3人(プラス2人)がイラクで人質になったとき、マスコミは「同情論→世論の風向きをみて自己責任論」へ傾き、昨年秋の香田さんの際は「世界を放浪するバックパッカーの危うさ」みたいな報道が目立った。

 今回はこの斎藤さんの経歴が特異なせいか、報道の切り口がまだ定まらずに遠巻きにして様子見しているような感じだ。それでなくても、きっと斎藤さんは「殺るか殺られるか」という日々を長年送ってきたのだろうから「自己責任」なんてことばは空虚に聞こえてしまう。

 弟さんの記者会見は見ていてかわいそうだった。寝耳に水の知らせで頭はパニック状態だろうに、気丈に「国民のみなさま」にもお詫び。日本政府は方針を変えないで欲しいと冷静に話していた。まるで「記者会見の心構え」を事前に叩き込んでいたかのようだった。私にはとてもできない。1年前に人質家族があれほどバッシングされなかったら、弟さんの記者会見は違っていたのだろうか。

 斎藤さんが無事に解放・救出されることを祈る。
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2005年04月29日

自首求める上海公安のサイト

 きのうだったか上海市の公安局が16日の反日デモで破壊行為をした人にネットで自首を求めているというニュース(一例の毎日新聞)を見かけたので、そのサイトを探したらすぐに見つかった。「上海市公安局敦促違法犯罪嫌疑人投案自首」(アクセス殺到しているのか開くまで時間がかかる。)で、市民から提供された写真の一部、19枚が掲載されている。

 日本のテレビで繰り返し破壊活動の現場をみていた身にとっては、1枚目の写真でちょっと拍子抜け。奥のほうで破壊活動をしているんだろうか? よく分からない。写真4と写真5は画質も違うし日付と時間の有無から違うカメラで撮っているとみられるが、帽子の人は同一人物に見える。写真6と写真7、写真13と写真14にも同一人物とみられる人が写っている。写真15から写真18(とくに16と18)は、撮影者が群集に向かい合っているはず。一般市民がこんな写真を撮っているのかなぁと不思議になる。

 というわけで、写真の選択・掲載基準がいまいち理解できない。もっと過激な破壊行為をしていた人だっていたのに。みせしめになったこの人たちは罪人扱いしても大丈夫と言う当局のお墨付きっていうことか。これだけ時間がかかったのも、出していい写真といけない写真を選別していたからかも。

 写真のうえに掲載されている中国語、漢字をみているだけでなんとなく分かったような気になる。念のため、ヤフーのウェブ翻訳を浸かって訳してみたら、最初の文章は
「近日は、公安機関は調査することを経過して、求まったワンセットの4月16日に乗じて日デモした器を渡って石塊を投げ捨てて、店などを打つことを打って社会秩序活動した不法をかき乱して罪を犯す容疑の人をつかんで、そのうちの屋敷ワンセットの16人はすでに機関を摘発して逮捕することを認可されて、26 人はカ所治安が拘留される」
となった。字面だけみて想像したほうがはるかに分かりやすい。自動翻訳が実用化されるまで時間がかかりそうだな。それともこれは無料だから?

【関連バックナンバー】
日中外相会談(4月17日)
posted by らくだ at 22:11 | 東京 ☀ | Comment(5) | TrackBack(0) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする

2005年04月17日

日中外相会談

 日中外相会談の冒頭テレビカメラが入っているところの談話で、中国の李肇星外相が「中国はこれまで一度も日本国民に申しわけないことをしたことはない」「今大事な問題は日本政府が台湾問題、人権問題、特に歴史問題で中国国民の感情を傷つけていることだ」(NHKニュースより)と話していた。

 ちょっと待ってよ。破壊活動や怪我人まで出ていることは申しわけないことじゃないの? それに中国に「人権問題」なんて持ち出されたくないよ。なんだかな〜。このままじゃ絶対に分かり合えないぞ。

 もともと私には分からないことが多い。テレビを見ていると、識者と呼ばれるエライ人たちが「デモの背景には中国の地域格差や農地接収などの問題がある」とおっしゃっている。確かに去年中国に行って、貧富の格差がすごく広がっているなぁとは感じた。でも、今回のデモをテレビで見ている限り、デモをしているのは都市の富裕層のいわば「持てる者」。地方の「持たざる者」がネットや携帯で情報をやり取りして日本に怒りをぶつけているとは思えない。都市部の若者が地方の不満を代弁しているとも考えにくい。

 私の無責任かつ勝手な想像では、高度成長を遂げてきた中国都市部のニューリッチが傲慢になってきたのでは? 彼らはこれまでも日本は嫌いだったけど、経済的・技術的にかなりレベルが上だと思ってきた。それが急速な発展で「日本なんて恐るるに足らず。アジアで一番の国は我が中国。日本みたいにしょぼい国が国連の常任理事国になるなんて許せない」というようにナショナリズムが台頭してきたように感じる。

 日本製品不買なんて騒いでいるけど、彼らは本当に日本製品を何も持っていないのだろうか? 家族は? テレビの突撃レポーターがデモ参加者に質問してくれないかな。
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2005年04月10日

中国で反日デモ&リンチ

 中国での反日運動が勢いづいている。反日のスローガンを持って行進する人たちや、官民の関連施設への襲撃を見るのは、たとえテレビを通してであっても気持ちいいもんじゃない。

 みな顔も隠さずに堂々と歩いているのが意外だが、若い人が中心みたいで天安門事件のときはまだ生まれていなかったり幼かったりする人が多そうだ。新世代は怖いものなしって感じ。この反日運動に歯止めがかからなくなって当局が力づくで抑え込もうとしたら、彼らの矛先が当局に向かって民主化要求の大きな波に発展したりするんだろうか? 

 上海で邦人留学生がリンチにあったというニュース(共同電byヤフーニュースにはゾッとした。飲食店で「おまえたちは中国人か、韓国人か」と聞かれて「日本人だ」と答えたら、灰皿とかビールジョッキで頭を殴られたというのだからゾッとする。今の中国でそう聞かれて正直に答えるのって、ちょっと勇気がいりそうだ。上記のニュースによると、上海の総領事館は、詳しい事情は不明だが反日感情による事件の可能性も排除できない、と説明しているとか。あたしにはほかの可能性が思いつかない。  

 いかなる国の人だって日本を嫌うのは自由だし、デモをする自由もスローガンを叫ぶ自由もあると思う。でも器物損壊やリンチは犯罪まで行くのは言語道断。ことしも中国に行こうと思っていたのに、これじゃ行く気になれないな。中国に行く旅行者は随分減りそうだ。

 外務省が注意喚起でも出しているかと思って海外安全情報のサイトをのぞく。4月8日付でスポット情報が出ていた。
反日デモや抗議活動を目撃した場合には、現場には近付かず慎重に行動し、無用のトラブルに巻き込まれないようご注意願います。
といわれても、目撃した時点で現場に限りなく近づいていると思うのだが。せめて「反日デモや抗議活動を目撃した場合には、すみやかにその場から立ち去り…」ぐらいの表現にしないと、いかにも他人事って感じだ。いつものことか。
posted by らくだ at 22:58 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(1) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする

2005年02月17日

「児童強姦」実は「純愛物語」のその後

 ちょっと遅くなってしまった。2004年の8月11日に書いた「児童強姦」実は「純愛物語」の後日談。CNNの日本語ウェブニュースによると、合計8年間服役して出所した女性教師(43=事件当時34)に元生徒(22=同12)が昨年秋にプロポーズ、ことしの4月にめでたく結婚するとか。めでたし、めでたし。

 この元生徒がテレビインタビューに答えていることろを見た。小学生だった当時に「先生をキュートだと思ったの?」と聞くインタビュアーって意地悪だな〜。彼はちょっと考えてから「ホットだと思った」と答えていた。

 2人の間には娘も2人いる。どちらも刑務所で生まれたというのもスゴイが、これからは一家4人で仲良く暮らしてもらいたいもんだ。女性教師の前の夫と子供4人はアラスカにいるというが、どんな気持ちでこのニュースを知ったのだろう? 素直に祝福できるのだろうか?
posted by らくだ at 17:20 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする

2005年02月15日

世界の独裁者ランキング2004年版

 米Parade誌が2004年度の世界独裁者ランキング(原題はWord's Worst Dictaors)を発表した。なぜかParadeのサイトでは1位から10位までが閲覧できず、11位から20位までが載っている。朝鮮日報でワースト10を確認した。
 1位 スーダン・バシル大統領
 2位 北朝鮮・金正日総書記
 3位 ビルマ・タンシュエ国家平和発展評議会議長
 4位 中国・胡錦涛国家主席
 5位 サウジアラビア・アブドラ皇太子
 6位 リビア・カダフィ大佐
 7位 パキスタン・ムシャラフ大統領
 8位 トルクメニスタン・ニヤゾフ大統領
 9位 ジンバブエ・ムガベ大統領
10位 赤道ギニア・ヌゲマ大統領
 バシル大統領が1位になったのは、もちろんダルフール問題のせいだけど、恥ずかしながらあたしゃこのブログでダルフール問題について一度も書いていない。あまりよく分かっていないことに首を突っ込んでも恥をかくだけだから避けてきたってところだ(ダルフール問題のwiki)。

 あと、ムガベがもうちょっと上にいてもいいような気がする。ムシャラフよりも下というのは、個人的にちょっとどうかな、という感じだ。全体的に西洋の基準でランク付けしましたって感じがする。ちなみに昨年のランキングも似たり寄ったり。
 1位 北朝鮮・金正日総書記
 2位 ビルマ・タンシュエ国家平和発展評議会議長
 3位 中国・胡錦涛国家主席
 4位 ジンバブエ・ムガベ大統領
 5位 サウジアラビア・アブドラ皇太子
 6位 赤道ギニア・ヌゲマ大統領
 7位 スーダン・バシル大統領
 8位 トルクメニスタン・ニヤゾフ大統領
 9位 キューバ・カストロ国家評議会議長
10位 スワジランド・国王ムスワティ3世
 去年の秋に転んで骨折した映像を全世界に流されちゃったカストロ議長と、17歳の女子高校生を13人目の奥さんにすると伝えられたばかりのスワジ国王が圏外に後退しちゃったってところ。リビアのカダフィっておとなしくなったのかと思ってた。
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2005年02月03日

「ロス」で何が悪い!

 ロサンゼルス観光局が日本人観光客を誘致するため、ロサンゼルスの略称を「ロス」から「LA(エルエー)」に変えようとキャンペーンを始めた(日経新聞)。ロスという略称には「ロス疑獄」や「ロス暴動」など悪いイメージが定着しているからだという。

 私は「ロス」という略称そのものに悪いイメージは持っていない。サンフランシスコみたいに定着した略称のない都市に比べたら恵まれていると思っていた。略称があるだけで親しみやすく人気があるように感じるから。人間のあだ名と同じだ。

 私が「LA」って言葉を初めて聞いたのは、たぶんビリー・ジョエルのマイライフだ。「かっこいいな〜」とは思った。いまは「LA」と「ロス」をTPOによって使い分けている。でも、圧倒的に「ロス」ということが多い。

 だいたい一般的な日本人は「エルエー」って言いにくいと思う。「ロス」と比べれはなおさらだ。若者には定着するかもしれない。でも、熟年世代はやっぱり「ロス」でしょう。へんなキャンペーンを展開して逆効果にならなければいいけど。
posted by らくだ at 17:38 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする

2005年02月01日

ネパール国王が非常事態宣言

 ネパールのギャネンドラ国王がデウバ首相をはじめとする閣僚全員を解任、自ら直接統治することを明らかにするとともに、非常事態を宣言した(BBC)。声明では「政府は民主主義と主権、国民、生活、財産を守るための選挙を4月までに実施する準備に失敗したので、私は内閣の解散を決めた」としている。

 報道によると、電話回線がつながらなくなり、空港は閉鎖された。未確認情報としてデウバ首相が自宅軟禁状態に置かれたとしている。いま、ネパール観光に出かけている人が無事に帰ってこられることを祈る。さっそくネパールにメールを送ろうと思うけど、たぶんナローバンド接続だから電話が通じないと読んでもらえないだろうな。

 私が知っている何人かのネパール人の間では、このギャネンドラ国王の評判はすこぶる悪い。4年前に当時のビレンドラ国王をはじめとする王族が何人も殺される事件があった。実行犯は意中の人との結婚に反対された王子とされているが、虐殺の背景にこのギャレンドラ現国王がいると信じている人も多い。続報を要チェックだ。

【追記】ギャネンドラ国王は2日、国王支持派を中心とする新閣僚10人を指名した。空港は再開したという。(2月2日)
posted by らくだ at 20:46 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする