2008年03月17日

暴動報道

 チベット暴動の画像をテレビで繰り返し見た。たぶん海外の放送局か通信社が撮影したものだと思う。僧侶らしい人まで一緒になって店のシャッターを蹴っているやつだ。

 もっと見たい、もっと見せて、と思いながら、あの映像を拡大して見たら、顔が分かってしまう人も結構いるのではないかと心配になった。中国当局が犯人探しに乗り出したら、あの映像を利用しないはずない。人物が特定できない程度に顔にボカシを入れたら、報道の意味がなくなってしまうのだろうか。

 そういえば去年のビルマの反政府活動の映像なんて、もっと参加者の顔がくっきりと映っていた。今の時代、映像・画像が一度公表されてしまったら、もう取り消すことはできない。ネットで瞬く間に世界中に広がってしまう。

 もちろん報道する側は「目の前の真実を伝えなくては」という使命に燃えているのだろうし、人民の側にいる自覚があるのだろう。でも実際は意図しないうちに弾圧当局側の“魔女狩り”に協力しているのかもしれない、とふと思った。
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2007年12月29日

「東洋の娘」

 パキスタンのベナジル・ブット元首相が暗殺されたというニュースを聞いて私のことを思い出した人が少なくとも数人はいると思う。というのも、生まれてこのかた「似ている」と言われた有名人で一番多いのがブット女史なのだ。だから、こんなことを書くと私が誰だか分かってしまう人がいるかもしれない。

 自分では全然似ていないと思っているのだが、国内だけじゃなくてインドネシア旅行中に現地の人に指摘されたこともあり、彼女にはなんとなく関心がある。自伝のペーパーバック「Daughter of the East」(東洋の娘)を買って読み、依然として手元に残っている。まぁ壮絶な人生だったな。

 彼女がパキスタンに戻ってきたときから、たとえ選挙で勝ったとしてもいつかはテロのターゲットになるとは思っていた。確か元首相だった父親もジアウル・ハクにクーデタを起こされた末に死刑になったと記憶している。かの国で政治に関わるのはまさに命がけだ。日本ではナントカ還元水の人が自殺したけれど、ちょっと次元が違いすぎる。

 2000年にパキスタンを旅した時はムシャラフのクーデタが起こったあと。都市部の知識人なんかはさぞかし軍政に反発しているのだろうと思ったら、むしろ逆。すでに国外追放されていたブット女史の評判もすこぶる悪くてガッカリした(私が旅したのは北部なので、彼女の出身地の南部だったら別だったかもしれない)。

 何人もの人と英語で話したところ、それまでの(シャリフだったかな? ちょっとうろ覚え)政権があまりにも腐敗していたから「軍事クーデタでムシャラフが出てきてもしょうがない」と軍事政権を必要悪と受け止めている人がほとんど。

 「軍事政権がよくないのは分かっているが、汚職まみれの民主主義も同じぐらい悪い。だからこの国では軍政と民政が交互になっている。あと数年したらムシャラフには嫌気がさして『パキスタンに民主主義を!』と叫んでいるかもしれない」と言っていたオッサン、今ごろは「パキスタンに民主主義を!」を叫んでいるのだろうか? 

 ブット女史のご冥福を心よりお祈りする。 
タグ:パキスタン
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2007年09月28日

ロンドン発のビルマ情報ブログ

 予定よりもかなり早く、従来使っていたXP機が修理から戻ってきた。予備に買ったVista機は使い勝手が悪くて手をやいていたから、「これからもうずっと一緒だよ揺れるハート」なんてベタな恋愛ドラマの台詞みたいな言葉をかけ、XP機のハードディスクをなでたりさすったりした。

 Vistaを使っていた一週間弱、従来よりも改善された点というのがまったく実感できなかった。私が必要としていない機能ばかりが強化されたような気がする。そのうちVistaに乗り換えなくてはならないと思うと気が重い。

 パソコンを使いあぐねてモタモタしているうち、ビルマ(ミャンマー)が大変なことになってしまった。3年前の旅行でも市民の不満は感じていた。あちこちで政府へのに反発を聞いたし、私に近づいてきてアウン・サン・スーチー女史の写真を見せてくれた人もいた。こっちが『そんなことをして、見つかったら大変なんじゃないの?』って心配してしまったくらいだ。

 何人もの人にメールアドレスを教えたものの、メールは結局1通も来なかった。エアメールで手紙を交換した際に「メールを送った」と書いてあったから、政府が遮断しているに違いない(現地で旅行会社を営んでいる日本人からのメールはもちろん問題なく届いた)。

 それでも、どうにかしてメールを国外に送っている人はいる。ロンドンに住むビルマ人コーさんには何人ものビルマ人からリアルタイムで情報が寄せられて、コーさんのブログ「ko htike's prosaic collectin」に掲載されている。

 日本人ジャーナリスト長井さんについては「日本の長井健司さんは世界中の人たちに(ビルマ軍の)銃撃を伝える取材活動中に自らの命を犠牲にした。ビルマの人々に代わってその勇気を称える」と書かれている。

 在住シンガポール人もひどい目に遭っている(原文はこのページの下部=ケガの写真つき)。要約するとこんな感じ。9月27日の午後4時から4時半ごろ、職場に向かおうとしたところ警官が道を封鎖していたので奥さんとともに車を止めて降りた。そこへ治安部隊と軍のトラックがやってきていきなり一般市民に発砲した。彼は2回撃たれて両足をケガしたうえ、ほかの人たちと一緒に排水溝に蹴り込まれ、警官たち(の顔?)を見たら殺すと脅されたという。

 このシンガポール人の話からいっても、長井さんが殺された前後の動画を見ても、長井さんが流れ玉に当たって死んだなんてとても思えない。あれは取材活動をしていると分かった上で狙い撃ちした殺人だ。こんな行為が許されていいはずなく、日本政府は強く抗議するべきだ。

 3年前「ビルマが民主化されたらまた来るね」と約束した人たちの顔が思い浮かぶ。長井さんの死を無駄にしないためにも、今度こそビルマに自由を! 
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2007年07月08日

新世界7不思議

 去年の10月にもこのブログで紹介した「新世界7不思議」が発表された。1億人近くの投票で選ばれた7カ所は次の通り。
万里の長城(中国)
ぺトラ遺跡(ヨルダン)
リオデジャネイロ・コルコバードの丘のキリスト像(ブラジル)
マチュピチュ遺跡(ペルー)
チチェンイツァーのピラミッド(メキシコ)
ローマのコロッセオ(イタリア)
タージマハル(インド)
 この中で行ったことがないのは万里の長城だけ。お隣中国ならいつでも行けるという油断からまだ北京に行ったことがない。2回行ったことがあるのはチチェンイツァーだ。

 去年の10月29日のブログで新世界7不思議のことを書いた際、「清水寺は分が悪い」と書いたのは当たった。そのほか「私が選ぶとしたら、自分の行った所ならマチュピチュ、次いでぺトラ、チチェンイツァー、タージマハールといった順番かな」と書いたら、自分の選んだのが全部入っている。すごいじゃない、と自画自賛しておく。

 でも、コルコバードの丘のキリスト像は清水寺と同程度と思っていたから、それは外しちゃって残念だ。 
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2007年04月12日

カート・ヴォネガットJr.死去

 米作家のカート・ヴォネガットJr.が亡くなった。享年84歳と聞いて驚く。もっとずっと若いかと思っていた。

 代表作「スローターハウス5」を発表したのが1969年というから、そのぐらいの年でもおかしくないのか。私が読んだのが翻訳されてから随分あとになってからなので、頭の中でタイムラグが生じているらしい。

 いつの間にかカート・ヴォネガットJr.からジュニアが取れていて、本屋で「え、これ同一人物? 名前変えたの?」と手に取ったことがあったっけ。

 彼の本は何冊か持っているし、「スローターハウス5」だけは何回か読んだ。でも、正直言うとそれほど好きな作家ではない。どことなくセンスが合わないっていうか、私の頭では分かりきれないっていうか。だから学生時代に「好きな作家はカート・ヴォネガットJr.です」なんて言える友人は私とは別物の文化人にみえて羨ましかった。
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2006年12月17日

米TIME誌「今年の人」は「あなた」

 米タイム誌が選ぶ毎年恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人」が一般的な「You(あなた)」になったそうだ。6月にフォーチュン系の「ビジネス2.0」誌がビジネス界の重要人物50人の1位にやはり「あなた」を選んでいる(→6月22日付の記事「ビジネス界の重要人物ランキング」を参照)が、TIMEはもっと保守的な選択をすると思っていたから、すごく意外だった。

 違う見方をすると、今年は目だった人がいなかったということなのかもしれない。そうねえ、これって人は思い浮かばない。タイム誌が選んだ次点はイランのアフマディネジャド大統領だった。各社が伝える「あなた」が選ばれた理由は以下の通り。
■読売新聞
動画投稿サイト「ユーチューブ」や個人の書き込みで蓄積されるオンライン百科事典「ウィキペディア」などを通じて、これまでにない規模の共同体が構築されていると指摘。世界中の「あなた」がメディアの支配権を握り、新たなデジタル民主主義を作っていると評価した。

■共同通信
 同誌は、世界中から毎日おびただしい数の動画が投稿されるサイト「ユーチューブ」や、誰もが書き込めるネット上の百科事典「ウィキペディア」が社会に与える影響力の大きさを強調、市民1人1人が「デジタル民主主義」の一員だと指摘した。

■ロイター(日本語版)
 選考の理由について、同誌のレブ・グロスマン氏は「グローバルなメディアの手綱を握り、新しいデジタル民主主義を支え、無報酬でプロ顔負けの仕事をしている」と説明した。

■BBC(らくだ超訳)
 (あなたという)選択はある一個人を指すというよりも集合的な意味合いで、ブログやビデオ、ソーシャルネットワークスを通じてメディア内の権力のバランスが変わりつつあることを反映している。
 たぶん、読売と共同はタイム誌の同じ部分を使っていると思う。個人的にはロイターとBBCのほうが「ウンウン」とうなずける内容だった。

 私のネット上の活動にとっても、去年の秋から今年にかけては転機だった。自分の新サイトがCGM(消費者創造型メディアもしくは消費者発信型メディア)と称されることはあとで知った。自分でニュースサイトをやりながら『なるほどWeb2.0とか集合知というのはこういうことなのか』と実感でき、毎日のように新しい発見をしているうちに1年がすぎていく。来年もワクワクしながら新しい発見ができるだろうか。
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2006年12月11日

ピノチェト死去

 チリのピノチェト元大統領が現地時間の10日死んだ。やっと死んだかっていうのが正直な感想。享年91歳。悪党ほど長生きするって典型例かもしれない。10日は世界人権の日だそうで、3000人余りの市民を殺したとされる独裁者の命日としてはなんとも皮肉な話。

 アジェンデとピノチェトは研究課題のひとつだったから、それなりに感慨はある。ピノチェトが退いてチリに17年ぶりの民主制が復活した1990年3月、私はチリのサンチャゴにいた。町中の看板などに「Adios Pinochet」と落書きがしてあったのを思い出した。あの時はお祭り気分で「自由万歳」って騒ぐ市民に装甲車が催涙ガスを撒き、私も頭から浴びちゃった。息が止まるかと思った。

 ニュースをみると、きょうのサンチャゴもピノチェト支持派と反ピノチェト派が衝突して催涙ガスや水が撒かれたそうで(BBC)、写真をみてすごく懐かしくなってしまった。
  
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2006年09月01日

上海の歴史教科書に異変

 中国の上海で中高生が使う歴史教科書の内容がこの秋からガラリと変わったそうだ(New york Times=登録していないと開けないかも)。他の都市ではこの歴史教科書は使っていないらしい。

 記事によると、高校の教科書では社会主義についての説明が短めの1章に収められているだけでなく、1979年に始まった改革・開放路線以前の中国共産主義については章どころか一文でカバー。その代わりかどうか知らないが、ビル・ゲイツ、ニューヨーク証券取引所、スペースシャトルや日本の新幹線が出てくるという。

 毛沢東の扱いはさらに悲惨だ。中学校では毛沢東について学ぶものの、高校の教科書では「国葬の際に半旗を揚げる」という習慣の説明で登場するだけだってんだからビックリだ。半面、トウ小平は中高両方の教科書で、彼の経済的な視野が強調される格好で登場するんだそう。

 日本人として気になる歴史認識の部分は以下の通りなので、まったく変化はない様子だ。
The junior high school textbook still uses boilerplate idioms to condemn Japan’s invasion of China in the 1930’s and includes little about Tokyo’s peaceful, democratic postwar development. (中学の教科書は日本の1930年代の侵略を非難するステレオタイプの慣用句を依然として使っていて、戦後の日本の平和的・民主的な発展はほとんど盛り込まれていない)
タグ:中国 歴史
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2006年07月25日

ブログで知るレバノン情勢

 20日に東北旅行から帰ってきてから、英語で書かれているレバノン人のブログをいくつか探して読んでいた。テレビや新聞よりもずっと鮮明に現地情勢が伝わってくるからだ(少なくとも私の場合)。

 ここ数日本当にヤバくなってきたと思うのは、ウォッチしていたブログの主宰者が海外に脱出しているからだ。たとえばLebanon Israeli CrisisのBeezerさんはヨルダンに脱出したし、Live from BeirutのSamar Mazloumさんはシリアのダマスカスにいるといった具合だ。

 このうちLebanon Israeli Crisisの7月24日付のエントリーを部分訳して紹介する。彼がレバノンを出国する決意をしたのは友人が殺されたからだ。その友人はトラックから木材を降ろして自分の農場に運ぶところだったという。まったくの民間人だ。エントリーの最後の部分はこうなっている。
 私は自分の国を去るしかなかった。私たちには防空壕もないし、空襲警報(のシステム)もない。何も持っていないのだ。もしあるとしたら純粋に運だけだ。

 (レバノンで)これ以上我慢できないと思い至った被害状況の写真をアップしたかったけど、メモリーカードリーダーが見当たらない。荷造りしたのは確かだ。でも、国境を3つ越える際に何回も検査されてカバンを開けたり閉めたりしたから、なくなったか落としたかしたんだろう。

 きょうはここまでにしておく。(ヨルダンでは)ネット接続は高価なので更新は最低限になる見通し。それにレバノンの銀行は閉まっていたから、人々は着の身着のままで逃げるしかなかったんだ。
 その直後のエントリーによると、ヨルダンの避難先で落ち着く間もなく、再び移動しなくてはならなくなったそうだ。

 このエントリーの末尾にアップされている英インディペンデント紙の画像が印象的だ。「中東:誰が即時停戦を支持しているか」という見出しに続いて「イエス」には日本を含む189カ国の国旗、「ノー」にはイスラエル、米、英の国旗がぽつんと掲載されている。ま、もともとライス米国務長官に期待していた人は少なかっただろう。
 
 何もできない自分が歯がゆい。平和を愛する世界のブロガーの横のつながりで世界を変えられればいいのに、などと夢のようなことをぼんやりと考えた。そんな時代は来るのだろうか。
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2006年07月04日

ザルカウイ殺害でアルカイダとアメリカが裏取引?

 6月7日に米軍がザルカウイを殺害した裏側にはアルカイダと米国の裏取引があった−−。本当かどうか知らないけど、ザルカウイの第一夫人とされる女性がイタリア日刊紙レプブリカとのインタビューでこう話したそうだ(私が読んだのはAPの英文転電)。

 この記事によると、アルカイダは米国がビンラディンの追跡を少なくとも目先はやめることを条件にザルカウイを「売った」。アルカイダにはザルカウイが権力を身に付けすぎたという判断があり、交渉の仲介役はスンニ派の部族とヨルダンのシークレットサービスが務めたとか。

 この第一夫人はUm Mohammedと名乗り本名を明かしていない。自称ヨルダン人で約40歳。インタビューはスイスのジュネーブで行われた。個人情報がそれしか明らかにされていないので、機密情報を入手できる立場にいるのかどうか不明。

 個人的には眉唾情報じゃないかって気がするけど断言はできない。きょうは関連ニュースなどの検索をする時間がないので、書き飛ばし状態にて失礼。
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2006年06月26日

ビジネス界の重要人物ランキング

 フォーチュン系の「ビジネス2.0」誌がビジネス界の重要人物50人のリストを発表した(原文=英語)。選考基準はこれまでの業績や名声、資産などは関係ない。あくまでその人のアイデアや製品、ビジネスの洞察力が世界を変えつつあるかどうか、重要な新技術の開発などで詳細を形成しつつあるか、を基に選んだという。

 そういう基準のせいか、ビル・ゲイツは21位と中途半端なランク。グーグル創業者の2人が2位なのは目新しさがない。最近は米企業ニュースもそれほど詳しくチェックしていないので、知らない名前が多い。

 日本からはトヨタの張富士夫会長が8位に入っただけ。その他有名どころというか、私に馴染みのあるところではニューズのルパート・マードックが4位、アップルのスティーブ・ジョブズが5位、バーナンキFRB議長が20位、アマゾンのジェフ・ベゾズが42位、ヴァージンのリチャード・ブランソンが45位といったところだ。マードックが上位にいるのが意外。

 ところで、このリストの一番興味深いところは1位。それが原文では「You!」となっている。要するにあなた自身ということで「クリエーターとしての消費者」となっている。まさにWeb 2.0とやらを反映した順位だ。7位は「新興中流層」で、説明は「中国、インド、ロシア、ブラジル、その他あちこち」となっているのが面白かった。

 同時に発表された「重要でない人10人」というか「旬をすぎた10人」は特に順位付けはされていないものの、マイクロソフトのスティーブ・バルマー、SCEの久多良木健、スラッシュドットのロブ・マルダ、ボーダフォンのアルン・サリン、リナックスのリーナス・トーバルズなど。こっちのほうが大胆に選んだ感じでおもしろい。
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2006年06月02日

オーストラリアはベビーブームだそうで…

 オーストラリアがベビーブームに沸いているそうだ。2005年に生まれた新生児の数は26万1400人と1992年以来13年ぶりの高水準だった。(BBC)。

 BBCの記事はザックリしている。出生率が上昇した理由として、コステロ財務相が「仕事をしていない両親への減税やその他補助金を導入した」ことや、足元の景気が良い上に将来の景気見通しも明るいことを挙げている。しかも財務相が高齢化社会を懸念して声を上げたのはわずか2年前だとか。

 掛け声ばかりで何も変わらない日本にいると、わずか2年でそんな劇的な変化があるってちょっと信じられない。しかも、財務相が主導しているってのが恐ろしく意外だ。コステロ財務相のお手柄だというのなら、日本のアドバイザーになってもらったらどうだろう。

 BBCの記事ではbirth rateが前年比2.4%上昇となっているが、これが日本でいう出生率を指すのかどうかは不明。オーストラリア統計局のリリースによると、total fertility rate (TFR=総出生率)は女性1人当たり1.77で前年の1.75から上昇している。30−39歳のTFRが60年代半ばの水準まで上昇、全体水準の押し上げに寄与した。 
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2006年05月08日

アップル商標裁判でビートルズ敗訴

 アップルの商標利用をめぐるビートルズ(アップル・レコード)とアップルコンピュータの裁判で、ビートルズ側が敗訴した。いまどきアップルと聞いて、アップルのレーベルを思い出す人はどのくらいいるんだろう。私はビートルズを思い出すことは100%ないといってもいいかもしれない。

 ついでにいうと、アップルとビートルズと結びつけることもないけど、アップルコンピュータと聞いてパソコンを思い浮かべることもいつの間にかなくなっている。世の移り変わりは激しいってことを、ビートルズ側は認識していないようだ。

 読売新聞によると、ビートルズ側は英高等法院での判決を不服としてさらに争うらしい。素人の無責任な意見を書かせてもらうと、アップルがつぶれかかってサウジのアルワリード王子に助けてもらった時期ならともかく、今の段階でビートルズ側にあまり勝ち目はなさそうな気がする。

 ただ、記事(といっても午後10時すぎ現在ウェブ上で読めるのは短い記事だけだ)読むと「アップルの商標を巡って両社は長年争いを続けた末、1991年にはアップルコンピュータが音楽関連事業には商標を使わないとする和解が成立した」(読売)、「両社は1991年の和解で互いの事業領域に進出しないと取り決めた。英側はこの際に設けた『米側の商標使用はコンピューター事業に限る』との条件が守られておらず、『iチューンズ・ミュージック・ストア』でリンゴの絵の使用をやめるよう求めていた」(日経)などの部分を読むと、アップルが91年の和解に違反しているようにも思える。

 判決の内容は海外のニュースサイトにあった。BBCによると、裁判官はiチューンズは電子商店の一形態で音楽の生産には関連していないと判断。判決文には「アップルの商標使用は生産的な仕事との関連を示していないとの結論に達した」「アップルロゴの使用は(音楽配信)サービスに関連した公正かつ適切な商標の利用だと思う」となっていて、単なる横流し(配信)かクリエイティブな仕事かが判断の分かれ目になった様子だ。
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2006年04月29日

早起江さんとブッシュとニール・ヤング

 横田早起江さんがブッシュ大統領と面会した。テレビや新聞によると、ブッシュ大統領は「きょうはこれまでに最も心を動かされた会談だった」(読売新聞)述べたという。

 早起江はとにかく娘のめぐみさんを取り戻したいの一心で邪心がないから、人の心を突き動かすのは当然ともいえるのだが、それにしても外国の一民間人にこんなことを言うのは新聞的な表現でいえば「極めて異例」なことなんじゃないだろうか。

 アメリカでもこの件が伝えられているのだろうかとチェックしたら、いつも巡回しているニュースサイトで早起江さんのことが載っていたのはワシントンポストのBush Meets With Mother Of Kidnapped Japanese Girlだけ。しかも自社記事じゃなくてAP電のキャリーだし、記事も短い。

 この記事では日本で「最も心を動かされた」と伝えられた部分がダイレクトクオートになっていない。地の文でBush said he was deeply moved by the plight of Sakie Yokota(ブッシュ大統領は横田早起江さんの苦境に深く心を動かされた)となっている。「最も」という言葉は抜け落ちていた。さもありなん。

 下院外交委員会の公聴会での証言はテレビで断片的に見ただけ。早起江さんの証言は簡潔ながら力強いメッセージが伝わってきた。この時のニュースはアメリカのサイトでは見つけられなかった。米テレビがカバーしたと伝えられていたけど、大手局じゃなくてC−SPANだけかもしれない。

 日本関連の目ぼしいニュースがあるとメールをくれる友人は、きょうは音沙汰なし。ちょっとさびしかった。アメリカのブロガーの間では二ール・ヤングの新しいアルバム「Living with War」の話題が沸騰中。特にLet's Impeach the President(大統領を弾劾しよう)という歌の評判がよろしいようで。「Living with War」はニール・ヤング本人の公式サイトで視聴可能だ。

【追記】ブッシュの発言は"one of the most moving …"だった。最後の部分は忘れちゃったけどmeetingsだったかもしれない。(4月30日記)
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2006年04月06日

ロンドン・コーリングを歌ったら…

ロンドン・コーリング パンク・ロックというジャンルの音楽は好きじゃなかったが、クラッシュだけは別格だ。ジョー・ストラマーが死んだときはすごいショックで、前代の「ひとりごと」に彼へのオマージュを書いた記憶がある。

 そのクラッシュの代表曲「ロンドン・コーリング」を口ずさんだら、テロリストの疑いを掛けられて予定していた飛行機に乗れなかったという話を見つけた(CNN)。被害者はイングランド北部のDurham Tees Valley空港からロンドンに向かうはずだったハラジ・マンさん(24歳)。

 空港に向かおうと乗ったタクシーは、彼が持っていたMP3プレイヤーで音楽を聴くことができたそうだ。そこで、彼はクラッシュ、プロコルハルム、レッド・ツェッペリン、ビートルズなどの歌を聴いたという。

 タクシーの運転手はもともとこの歌を知らなかったのかもしれない。Now war is declared -- and battle come downなどの歌詞を耳にして不安になり、警察に通報したんだから。どこかからやってきた移民だろうか?

 警察の事情聴取を受けたマンさんは無事放免されたものの、予定通りにはロンドンに行けなかったという。 それにしても、彼の聴く歌ときたらどれをとってもすんごい懐メロ。私だってリアルタイムでは聞いていないものばかり。とても24歳とは思えない。

 で、あたしは今久しぶりにロンドン・コーリングを聴いているところ。
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