鳩山首相が国連の会合で温室効果ガスの25%削減を明言したことが海外で評価されているという。私のところにも海外の友人から「今度の首相は環境問題を真剣に考えているみたいで良さそうじゃない」というメールが舞い込んだ。しかし、正直言って25%削減という目標は他人事というか画餅というか、現段階ではとても現実的なものに感じられない。
90年比での25%削減だから現在と比べれば3〜4割減、下手すれば半減になってしまうという議論とか、どんな活動がどれだけ温室効果ガスの排出に結びついているかなんていう難しい話を抜きにして、単に今現在の日々のエネルギー使用量として考えてみる。自分の日々の生活の中でエネルギー使用量を25%削減するというのは、かなり非現実的に思える。
例えば、15年以上前に買った冷蔵庫を2年ほど前に買い替えて消費電力がずいぶん小さくなったはずなのだが、月々の支払いには全く違いが出なかった。また、毎日お風呂を沸かしていたのを昨年からエコ生活を心がけようと夏場は1日おきにシャワーにしたのだが、ガス代・水道代ともに変化を確認できなくてガッカリした。この分じゃ、各部屋のエアコンを省エネタイプのものに買い替えても、あまり期待できそうにない。
技術革新に期待するだけじゃ無責任だよな。でも、もともと車は持っていないし、タクシーにもほとんど乗らない。それに、家の電気をこまめに消すとか、白熱灯を蛍光灯に換えるとか、1人1台ずつ持っているプリンターを1台にする程度じゃほとんど何も変わらないだろう。そのうち冬場はお風呂に毎日入るのをやめて1日おきにしなくちゃいけないかな〜と漠然と考えている。それくらいしか削るところが思い浮かばない。ほかの人はどんなところで省エネを図っているのだろう?
お風呂といえば、私の好きな温泉。先日も北海道で熱い温泉が垂れ流し状態になって川にそそいでいるところを少なくとも3カ所見かけた。こういう地熱エネルギーをなんとか有効に使えないものだろうか。というのも今年訪ねた北京とアイスランドは地熱利用にかなり力を入れているのが印象的だったからだ。
アイスランドはもともと想像していたけれど、北京はかなり意外だった。「石炭に代わるクリーンエネルギー」ということで、従来石炭ボイラーを使っていた集合住宅が地熱利用のマンションに建て替えられたりしていた。オリンピックでバドミントン会場として使われた体育館は地熱エネルギーで冷暖房を賄っているそうだ。その分、温浴利用は日本ほど盛んじゃない様子だけど、温泉開発については日本が異常だと思っている。
日本では青森県の浅虫温泉が温泉熱利用のモデルケースになる(
9月25日付河北新報)そうで、各地にこうした動きが広がることに期待したい。逆にいえば、源泉を加熱利用するとか源泉から出るメタンガス(二酸化炭素以上の温室効果があるそう)を大気中に放出するなど温暖化に貢献している施設は、何らかの対策を自発的に講じてうまく広報活動をすれば話題になるだろう。
政策的にはエコ施設とそうでないところの税体系を変えるなんてどうだろう。その前にシエスパの爆発を受けて改正した温泉法を再び改正して可燃性ガス(メタンガス)の大気放出を規制してくれないかな。安易な温泉開発&経営が下火になって一石二鳥に期待できると思うのだけど、そんなにうまくいかないかな?