でも「ハダカノツキアイとは何か、直接会って教えて欲しい」とか「その次の日はコンヨク温泉に連れて行ってくれ」と頼まれ、正直いってかなりひるんでしまった。向こうは純粋に日本の文化について知りたいだけなのかもしれないが、言葉が通じないとニュアンスが分からない。
だって、ちょっと文章を変えただけで「ハダカノツキアイを直接教えて欲しい」になっちゃうよ…。海外の人に日本の温泉の良さをわかってほしいという気持ちも強いのだが、う〜むと考え込んでしまった。
言葉が通じる日本人同士でも、どうしても理解できない人はいる。ネットを通じて知り合う人にはその割合が多いかもしれない。それに自分の言いたいことを英語で100%伝えられる自信はない。
あたしゃもう立派なオバサンなんだから怖いものなし、それほど警戒する必要はないかなぁと思いつつ、やっぱり会うのはやめておくことにした。そんなに何回もメールをやりとりしたわけじゃないのだ。
日本式にやんわりと「月末月初は忙しいから」(これは本当のこと)と断ったのだが、そんなことじゃ向こうは諦めず「イザカヤでいいから直接会ってハダカノツキアイを…」とメールを送ってきた。
はっきりと「ネットで知り合ったばかりの人と出かける気になれない。相手が日本人でもネットで知り合った人とトラブルになったことがあるのだから」と返信すればよかったかもしれない。でも、そうすると「自分は怪しいものじゃなくて…」と延々と説明が続きそうな気がして、つい「今日から仕事で関西に行って向こうに泊まる」ってウソをついてしまった。『きょうはエイプリルフールだからウソついても許されるよな』って思ったのもある。
悪いことしちゃったかな〜と気になっていたのだが、本人からは「そうか、それは残念だ。次回は9月に日本に来るからその時にはぜひハダカノツキアイを…」ってメールが来た。それを読んでウソをついた罪悪感が少し和らいだ。9月かぁ。それまでにこの人を信頼できるようになっているんだろうか。