温泉情報を紹介するブログをやめて1年余りたつっていうのに、いまだに情報を送ってくださる人がいる。感謝感激だ。今日は鹿児島県薩摩川内市にある「湖畔リゾートホテルいむた」が3月30日と4月30日に入浴料を30円にするという情報をいただいた。それとは別件で2週間ほど前に「大田区の鵜の木温泉が2月21日で廃業します」というメールをいただき、ようやく時間ができたので出かけてきた。
入口と脱衣所には廃業を知らせるあいさつ文が貼り出されている。受付にいた女性は「雇われの身なので今後についての詳細は知らないが、多分取り壊されるのではないかと思う」と話してくれた。約60年の歴史がある銭湯で50年も働き続けてきたというのだから、寂しさもひとしおだろう。脱衣所でのご婦人方の話題も「来週からどこのお風呂に行くか」に集中していた。
燃料の高騰が一段落したことで銭湯の廃業も一服するのかと思っていたのだが、経営者の高齢化と後継者不足や新興温浴施設との競合は慢性的な問題。何も変わっていない(といってもこの「鵜の木天然温泉」の廃業理由は把握していない)。
銭湯と新興の大型温浴施設の競合といった点では最近、気になる記事を見かけた。2月6日付の毎日新聞(リンク切れの場合はこちらのウェブ魚拓を参照)で、函館市が温浴施設を対象に実施している上下水道料金の減免について、新年度から施設面積に上限を設けて適用するというニュースだ。施設面積が340平方メートル以下の施設なら従来通り下水道料金が95%、上水道料金が47%が割り引かれるが、340平方メートルを超える上下水道とともに満額の100%を支払わなくてはならない。
ただ、340平方メートルを超える既存の15施設については従来通りの減免が適用されるとのこと。4月以降に新規開業する大型施設の負担が跳ね上がることから、事実上のスーパー銭湯締め出しと受け止められている。
確かに、大型の温浴施設は日常生活において衛生上の理由から必要というわけではなく明らかに娯楽目的の施設だ。上下水道料の減免措置が日常生活に欠かせない風呂を提供しているという理由である以上、函館市の方針変換は理解できる。しかし、この動きがほかの地方自治体に広がったら温浴業界にとっては大打撃だろうな。今後の動きに要注目だ。