そういえばマンションのエレベーターホールに「ポンプ1基が故障してもう1基でまかなうため、多くの世帯で一斉に水を使うと出が悪くなるかもしれません」という張り紙があったっけ。でも、断水になるなんて書いていないし、聞いてもいない。
管理人はもういないので管理会社に電話する。「ほかの人からも電話がありまして、修理の人を手配しているところです」という。どうも雰囲気からいって時間がかかるらしい。
我が家はこういうときのために水を備蓄している。2リットルのペットボトル数十本に生活用の水を入れてバルコニーに置いているし、飲料用のミネラルウォーターもある。これが役立つときがやってきた!とミネラルウォーターを料理に使おうとしたら、「賞味期限2006.12.18」と書いてあった…。ま、加熱するんだし大丈夫でしょ、と自分に言い聞かせて使う。
最低限の簡単なご飯をすませると、マンション内の全戸放送があった。「どうにか明日の朝には…」などといっている。だめだこりゃ。さっさと銭湯に行くことにする。
これまで行ったことのない銭湯にしたら、生まれて始めてのものを見た。男湯との境の壁に「石鹸渡し所」なるものがあるのだ。要するに壁に穴が開いていて、男湯と女湯の間で石鹸をやりとりできるってわけ。
もちろん普通に穴があいてるわけじゃない。デパートで上り下りのエスカレーターが交差するような感じで2つ斜めに開いている。要するに壁には上と下の二つの穴が見えていて、女湯の上の穴から石鹸を入れると男湯の下の穴から出てくる仕組み。
壁の向こう側は見えるとしても足元くらいしか見えない。逆に下に開いている穴から向こう側を見上げようと思ったら、腹ばいになれば見れるかなぁ。衆人環視の中でそんなことをする人はまずいないだろうから心配なし。なかなかうまくできてるな〜と感心した。
帰ってきたら修理が終わったらしく水がでるようになっていた。でも断水のおかげで「石鹸渡し所」なる新たな発見ができて、なんとなく得した気分になった。