だからといってブログに書くほどの興味はなく、テレビや新聞で取り上げられたせいで逆に億単位の広告効果があったんじゃないだろうか、なんて思っただけで忘れていた。
さっき友人から届いたメールによると、これをデザインした籔内佐斗司さんは大変なことになっていたみたいだ。というのも公式サイトには、同氏に寄せられた苦情というか悪態の数々と、それに対する同氏の返信が掲載されているのだ。
読み始めたらこの籔内佐斗司という人物のすごさに圧倒されてしまった。有名な芸術家とか大学教授とか、そんな肩書きは関係なく一人の人間としての器の大きさに感銘を受けた。
私もかつては籔内氏みたいにホームページにメールフォームを設置していた。すると送信者は自分のメールアドレスを詐称してもメッセージを送ることができるので、いたずらや悪意に満ちたメールが次々に寄せられ、すっかり嫌気が差してやめてしまった。
今はホームページにはメールアドレスを載せている。つまり送信者は自分のメールアドレスを知らせずに私に連絡することはできない。これでいたずらは随分減った。それでもフリーメールを使った罵詈雑言や一晩300通の同文メールが送られてきたりする。
私にはとてもこの籔内氏のような対応はできない。そこが凡人の凡人たる所以だろうか。私のような凡人が薮内氏のマネをすれば、火に油を注ぐ恐れもありそうなので、私はこれからも凡人の対応(=無視)を続けると思う。
どちらかというと批判する立場のほうが
多い私でもあそこまでは書けません。
そして、逆に批判される立場になったと
したら籔内氏のような返事も書けない。
この頃温泉や旅行関連のブログを見て
いて感じる違和感と似たような感覚で
籔内氏のサイトを眺めてしまいました。
薮内氏も怒りを感じてはいるのだろうと想像しています。せっせと返信したら、このメールアドレスには送信できませんというエラーメッセージが返ってきてしまうのだから。ここまで自分の感情をコントロールできるって、まさに神業だと思いました。
それにしても自分の価値観を感情的に押し付ける人がここまで多いとは、なんだか寒々としたものを感じています。私が対応に一番苦慮するのも、「自分の価値観と合わないから修正しなさい」と言ってくる人たちです。
最近ブログというツールの先行きというかパワーにも限界を感じています。温泉ニュースBlogをやめて今度は日本の温泉を英語で紹介するサイトをやろうかなぁなどと密かに計画を温めているところです。
マスコミのみならず、インターネット社会の幼稚な一面を見た感じがしました。うまく書けませんが、日本に関して言えば「個」の確立がまだまだなのかなと思うと同時に、「集団で個を叩く」ことの怖さを感じました。
それにしても、デザインした籔内佐斗司さんの対応には頭が下がります。自分も仕事柄、クレームは日常茶飯事ですが時間に追われる毎日でクレーム処理はおざなりになってしまっているのが現状です。それを動機→コンセプト→批判への対応と懇切丁寧に自分の言葉で説明している、そういう意見をきちんと持っている、というのがすばらしいです。とかくクレーム対応はマニュアルによる応対になってしまい火に油を注ぎかねないのですが、こういう対応が常に為されれば、お互いに角がたたないのではと常に考えています。
やはり最終的には「人間」一人一人がもっている資質みたいなものが問われるのでは、と思っています。
薮内さんが丁寧に対応していることがネットで紹介されると、さらに意見が殺到して対応しきれなくなったようですね。
ネットの世界ってダークサイドからの誘惑に満ちていて、自分をしっかり持っていないと引きずり込まれてしまうんだろうな。と思います。私はグーグルがモットーにしているDon't be evil(邪悪になるな)という言葉が好きで、モニターのところにポストイットで貼ってあります。自分への警告として。