2004年03月25日

医療過誤のバレ方

 先週までやっていたTVドラマの「白い巨塔」、何回か見過ごしたけど結局見てしまった。一番印象に残ったのは医療過誤が被害者側にばれたシーン。霊柩車の運転手が「医療ミスか何かあったんですか? 普通は医学部長が見送るなんてことはありませんよ」(実際の発言とは違います)と言って、奥さん役のかたせ梨乃が病院側のミスに気がつく設定になっていた。

 原作で覚えていなかった場面だ。説得力があってよくできているなぁと感心していたら、きょうになって実際の事件を参考にしていたと知った。きのう判決が出た埼玉医大の抗がん剤投与ミスによる死亡事件だ。

 この事件、舞台が大学病院(の総合医療センター)だし、投与ミスを家族に隠していた疑いがあるとか。まさに白い巨塔の再現みたいな話だ。裁判所が「積極的な隠蔽は認められない」と判断したのは原告側にとってはさぞかしくやしいに違いない。きのうみたテレビじゃ控訴するって言っていたもんね。

 「白い巨塔」は原作のおもしろさで半年引っ張れた。いまから何十年も前に大学病院を舞台にした医療ミスについてあれだけのスケールで書いた山崎豊子っていうのはすごい作家だと思う。新聞連載中に各方面からすさまじい圧力がかかったという話を随分昔に読んだことがある。時代がやっと山崎豊子に追い付いたね。

 テレビは唐沢寿明が予想以上に頑張ったな。最初聞いたときはミスキャストだ、佐藤浩市のほううが合っているなどと騒いだけど、撤回しておく。でも江口陽介はちょっとイメージが違う。というか里見というキャラがあまりにも現実離れしすぎていてついていけなかった。それだけ世間の汚さにもまれたということことかもしれないけど、財前は悪人なのに憎めないヤツに仕上がっていたな。
posted by らくだ at 23:56 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(1) | 話題 | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2004-04-24 08:05
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