問題になっているのは病院経営HCA社の株式売却。Congressional Quarterlyとのインタビューで19日に明らかになった。HCAはフリスト議員の父親が設立、兄弟(兄か弟か不明)が名誉会長で3.7%の株式を保有(3月末現在)する大口株主でもある。取引の経緯は次の通り。
(1)フリスト議員が6月13日、自分と妻、子供が保有するHCA株をすべて売却するよう資産管理受託者に命じた。94年に初当選したフリスト議員は、医療業界や健康保険にかかわる立法業務に携わると同時にHCAの株式を保有していることが「利益相反」に当たると非難され、資産管理を受託者に任せてきた。今回の売却についてフリスト議員の広報担当は、いかなる利益相反も防ぐためとしているが、なぜこの時期に売却したのかについては説明がない。
(2)HCAの株価は6月22日に58.22ドルの高値をつける。
(3)7月1日までにフリスト議員の持分はすべて売却。
(4)7月8日までに妻と子供の持分もすべて売却。
(5)HCAは7月13日の寄り付き前、第2四半期の業績はアナリストの予想を下回ると発表。株価終値は9%下落して50.05ドルに。
(6)9月22日のHCA終値は前日比3.2%安の45.90ドルと約7カ月ぶりの安値。
フリスト議員は次の上院選には出馬しないと既に明らかにしている。好意的に考えれば、大統領選でネガティブ・キャンペーンに使われる恐れのある材料は今のうちにキレイさっぱり消滅しておきたかったってところかもしれない。それにしても時期が悪かった。米証券取引委員会(SEC)が調査に乗り出すかどうかは今のところ不明。
【参考サイト】
Senator Sold Stock Before Price Dropped(Washington Post)
Frist Stock Sale Raises Questions on Timing(Washington Post)
Senate Leader Explains His Sale of a Stock That Then Plummeted (New York Times)
それに比べて、我が国はインサイダー天国です。
たまに検挙されても、「運が悪かった」という
駐車違反程度の認識しかない。
何とかしてよ、小泉さん。
日本では確かにこの手のニュースは関心が低いせいか、日本のメディアは追いかけていないのかな。このニュースを日本のメディアのサイトではまだ見かけません。