正直言って全面的にお勧めする本じゃない。読み物としてはタルイし、情報は細切れだ。少なくとも私に限っては、ワクワクしながらついつい読みふけってしまうなんてことはなかった。それでも価値があると思うのは、アメリカでのブログ・ジャーナリズムの動きを丁寧に追っているのと、資料的価値がすごく大きいから。
個々のトピックはとても興味深く読んだ。例えば97年にはディープリンクしただけで訴訟沙汰になったことや、ある本の著者がアマゾンで自著に好意的な書評を寄せていたことなど、私にとってすごく面白そうな話が数行で終わってしまうのはもったいない気がした。
紹介されているニュース・ブログは一部しか知らなかった。お気に入りサイトがこの本のおかげで少し増えた。ニュース系ブログを運営している人やジャーナリズムに興味のある人は読んで損はないと思う。ブログでもっと何かできるのではないか、こんなダラダラしたブログを書いていていいのだろうか、という気にさせてくれた。
本文よりも価値があるかもしれないと思えるのは、巻末のリンク集と脚注に記載されている資料のURLだ。これさえなかったら図書館で借りて済ませてもよかった。
たまたま見つけた情報によると、著者のダン・ギルモア氏(本人のブログ)は9月26日夜に銀座のアップルストアで講演する予定とか。詳細と予約はこちらのサイトでどうぞ。