2004年09月27日

「新記録」と「最高記録」

 きのう休載した分を取り戻しちゃおう。ベルリン・マラソンで一番気になったのは、渋井陽子がQちゃんの記録を破って復活を遂げたことでも、専用ペースメーカーが3人もついていたことでもなく、実況中に「日本新記録」という言葉が何回か出てきたことだった。

 きょうの朝刊(うちは日経)をみても、「渋井復活 日本新V」と見出しがある。あれ〜おかしいな。かなり昔に「新記録」から「最高記録」に統一されたと記憶していた。聞いた話では「トラック競技なら場所が変わっても競技条件はそれほど変わらないけど、マラソンは場所によって勾配などが違っていちがいに比べられないから、『新記録』ではなくて『最高記録』として用語を使い分けている」ということだった。その時は『は〜細やかなんだな〜』と半ば感心して半ばあきれたもんだ。

 それがなんで元に戻ったんだろう? ひょっとして今度はペースメーカー付が「新記録」で、ペースメーカーなしが「最高記録」だったりして。でも、ペースメーカーといっても、自分専用の人が3人も付くきのうのみたいなのもあれば、日本で開催されるマラソンみたいに全体で2人程度っていうの(ラビット)もあるから、ちょっと一緒にできないな〜。一流選手がペースメーカーなしで走るのって世界選手権とオリンピックぐらいかな。

 あたしもマイ・ペースメーカーつけて走りたかったな。そしたら絶対に4時間半は切れたのに(えらくレベルの低い話だ)。

 それでも、渋井の復活にはおめでとうといいたい。7月に昆明−関空ー羽田と同じ飛行機で帰ってきたときは、大阪の惨敗振りが鮮烈だっただけに、ちょっと声をかけるのをためらった。そんなことを何も知らない夫が果敢に「妻がマラソン好きなので」と声を掛け、少し話して一緒に写真を撮ってもらった。アテネに出られないことを思うと「頑張ってください」という薄っぺらい言葉はとても口にできず、「また次のマラソンで豪快な優勝インタビューに期待しています」と伝えたから、望みをかなえてくれたってところだ。
タグ:マラソン
posted by らくだ at 21:40 | Comment(6) | TrackBack(0) | スポーツ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ベルリンマラソンは、職場のテレビで仕事をしながらずっと真剣に見ていました。(それじゃ仕事をしてたことにならないけど)
優勝インタビューで、「ペースメーカーが格好よくて」と言ってましたよね〜。渋井選手らしいなと思って聞いていました。でも最後まで残っていた黄色いユニフォームのペースメーカーではないらしいので、どんな人だっただろうと・・・。渋井ばかり見て、ペースメーカーの顔を見るのを忘れてた。

しかし、3人もペースメーカーがついて走れるし、給水ポイントではスペシャルを手渡してもらえるし、やっぱ一流選手はいいな〜と思った次第。全くレベルは違うけどね。

「新記録」と「最高記録」の使い分けに注目するなぞ、さすがにらくださんですね。
Posted by こうめ at 2004年09月29日 07:26
 日曜日も仕事だったんですか。大変ですね。こちらはずっと天気が悪くて家でゴロゴロしてました。

 渋井の優勝インタビューは笑えましたね。格好いいペースメーカーのくだりであの黄色いペースメーカーのことを持ち出されて、「あ、あの人じゃないです」とキッパリ。ほかの人がいったら「感じ悪い」と反感を買うかもしれないのに、そのままさらっと聞き流せちゃうのは彼女のキャラなのかもしれません。

 給水ポイントはみんな苦労しているので、ああして個別に渡してもらえるとラクですね。あれをみて、『あれだけ至れり尽くせりだと日本新記録が日本国内で更新されることはなさそうだなぁ』と、ちょっとさびしい気もしました。

 なんで「新記録」になったか気になるので、そのうち知り合いにきいてみます。
Posted by らくだ at 2004年09月29日 20:55
私はマラソンを走ったことが無いので分からないのですが、ペースメーカーやら風よけやらってどれくらい記録を上げるものなんでしょう。私はああいうふうにやって新記録って言われてもなんか白々しく思ってしまいました。
短距離だと規定以上の追い風だったらいい記録でも参考にしかならないのだから、ああいうのは参考記録にとどめろっていうのは言い過ぎでしょうか。
Posted by mustafa at 2004年09月30日 00:46
 ペースメーカーの影響を数字で示すことは不可能ですが、「かなりある」と断言できます。エリートランナーでも疲れが出てくれば、「残りをキロ何分で走れば目標に達する」などという計算もあやふやになるはずです。ほかのもっと余裕のある人がペースを決めてくれるというのでは、もはや団体戦というべきかもしれません。そのうちペースメーカーの選択が勝負の一部になりそうですね。

 私のような亀ランナーでも、走るときは勝手にペースメーカーを決めています。ちょっと前を一定のスピードで走っている人に狙いをつけて「よし、あの人についていこう」と思うわけです。でも、悲しいかな、私のレベルではペースランナーが途中で立ち止まって屈伸運動をしたり、急に歩き出したり…。それだけでも精神的なショックは大きいですよ。「あ〜次の人探さなくちゃ」って。

 私は自分がマラソンを走るまでは、日本のマラソンでラビットといわれるペースメーカーが走っているなんて一切知りませんでした。数年前まで公認されていなかったから、テレビの実況中継でも「あ、先頭を走っていた○○選手が急に立ち止まりました。どうしたんでしょう?」としらじらしく言う人すらいたんですよね。

 夫にラビットの話をしたら、あきれ返ってマラソン中継を一切見なくなってしまいました。
Posted by らくだ at 2004年09月30日 22:13
なるほど。やはり「記録」を出すためにはいまや欠かせないような存在なんですね。設定しなくても勝手に走る側がペースメーカーを決めれると思ったり、マラソンで重要なのは順位だと割り切ったり、団体戦と考えれば例えばF1などのチームメートとの協力関係のようなものと思えば納得できるんでしょうけど・・・なんとなく八百長相撲を見させられた気にさせられてしまう要因には女性のランナーに男性のペースメーカーがついているせいもあるかもしれませんね。(確か昔は公式なマラソンは男女別に走らなければいけなかったような)
折角頑張って走っても素直に喜べないのが逆に残念な気になってしまいます。
Posted by mustafa at 2004年10月01日 00:56
 かなり曖昧な記憶なのですが、ロンドンマラソンは昔は男女一緒にスタートしていて、女子選手が記録を更新しても公認していなかったように記憶しています。最近は何分か差をつけてスタートさせて公認するようになったみたいです(それでなければラドクリフの記録も生まれなかったわけですが)。

 あと、ロンドンだったかどこだったか忘れましたが、ペースメーカーを禁止している大会で、男性選手の後を走っていた女性ランナーががペースメーカーとみなされて失格になったこともあったんじゃないかな。

 いまだに試行錯誤が続いている過渡期なのかもしれません。
Posted by らくだ at 2004年10月03日 16:19
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