2004年09月25日

形骸化する著作権

 インターネットが普及するにつれ、著作権というものがどんどん無意味になっていく。弱小サイトを営んでいる私にも「もっと大きな写真はないんですか?」とか「この間までトップページに載っていた写真が欲しいのですが、どこにありますか?」というメールが来る。そのたび、写真素材を配布しているサイトではないことを説明してきた。それで相手が納得したかどうか知らない。

 先日はそれがエスカレートした。私のサイトのコンテンツのかなりの部分が知らないうちに外国語に翻訳されたうえ、付随するすべての写真も直リンクで利用されていた。私はまったく知らず、外部からの指摘で分かった。

 最初は、『海外に日本の温泉を紹介してもらえるならいいか』とのんびりしていたのだが、そのサイトをよく見るとしっかりと著作権を主張する記述があった。それじゃ、まるでこっちがパクリサイトみたいじゃない。こっちはコンテンツのページには「文章と写真の無断転載は固くお断りします」と書いている。その一行を除いて翻訳されていたのが確信犯だと物語っている。

 なんだかな〜。著作権の帰属はトップページにしか書いていないし、こういう人たちがわざわざトップページまで飛んで著作権についての記述を確かめるとは考えにくい。これじゃすべてのページに著作権の帰属を表記した上で、No reproduction or republication without written permissionて書かないといけないじゃない。多分、それでも防止効果はないだろう。

 ちょっと調べてもらったところ、写真の外部呼出しが増え、毎日の転送量も多くなってサーバーにはそれなりに負荷がかかっているらしい。ひょっとしたらパクリサイトのほうがアクセスが多いのかも…。それも悲しいなぁ。問題サイト管理人のメールアドレスがどこにもみつからなかったので、サイトが置かれているサーバーの管理会社にメールで問い合わせた。どうも著作権に対する概念が私とは違うみたいだ。「そのサイトはあなたのサイトにリンクしているので、当社の基準では著作権侵害とはみなしません」というものだった。確かに1ページだけ、一番下までスクロールすると私のサイトの一番下の階層にディープリンクしているけどね…。

 考えてみると、ブログ界でも著作権・肖像権侵害は多い。ニュースサイトやテレビから勝手に持ってきた写真を貼っているブログは数え切れないぐらいだ。新聞社やテレビ局も個人のサイトにいちいち怒鳴り込んでいられないだろう。最初はブログに載っているそういう画像に抵抗感を覚えたけど、最近では感覚が麻痺してきた。そのうち「著作権についてグダグダいうヤツはネットに情報を公開するな」という時代になるかも。心の準備ができていない。

【関連エントリー】
著作権侵害を助長するGoogle(9月27日)
posted by らくだ at 21:26 | 東京 🌁 | Comment(6) | TrackBack(1) | Web&ブログ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そういうことってあるんですね。翻訳すればそれで著作物になると思っているのでしょうか。もっともらくださんのサイトがコピーするに値する内容だからなんでしょうけど、運営する側から見ると許せないことですね。(野次馬根性でどういう風にコピーしているのか見てみたい気もしますが・・・)

画像なんて右クリックで集め放題ですから利用されていることすら分からないだけに、どういう風に使われているかと思うと怖いですね。

Posted by mustafa at 2004年09月26日 00:56
著作権問題は難しいですねぇ・・・
法律・人々の意識・技術の進み具合・実情がうまくシンクロできていないというか・・・
#法律が後追いになるのはいつものことですが(^^;)

ちなみに、写真は写真自体に(c)を入れておくと少しはマシかも?
#面倒だし、どの程度効果があるかは疑問ですけど
Posted by あるる at 2004年09月26日 01:35
 こんにちは。HPの運営たいへんですね。
らくださんのHPの写真や情報をとっていくのは、
盗みです。強く抗議を繰り返さない限り、盗まれる
側も盗まれることを受容しているととられるのか。
抗議するにもインターネット世界は世界にまたがる
もので難しいことです。

 歌の歌詞を(たぶん無断で)全部書いているサイ
トを見ます。死後50年たたないと作詞家に著作権
はあるのです。私がパソコンを買ってニフティのパ
ソコン通信をはじめたとき、歌詞の一行でも書くの
はいけないルールだったような。とにかくルールや
マナーに違反しないようにと、体育会の運動部に入
った気持ちで通信生活をはじめました。
Posted by テレジア at 2004年09月26日 14:46
 上のエントリーに問題サイトへのリンクをはろうかとも思いましたが、通りすがった人が血気盛んにもそのサイトに乗り込んでいったりしたら話がややこしくなると思ってやめました。

 サーバーの管理会社には再度メールを送って「著作権は国際的に守られているはずだし、少なくとも画像の直リンクはマナー違反。御社では外部からの画像直リンクを奨励しているのですか?」と指摘したうえ、わがサイトの画像のディレクトリを変えました。偉い苦労です。そんなわけで向こうのサイトの写真は全部赤いバツ印になっています。とりあえず管理会社からの返信を待つつもりです。

 それと同時に、写真の1枚1枚に「Rakuda Journal」と書き込む作業に入りました。これ、もともと一部の写真には書き込んでいたんですが、国内の温泉の写真はあまりにも多いため、放ってあったんです。まぁ、これとてどれほど効果があるか疑問ですが。

 たまに画像掲示板にタレントの写真を貼って「ぉヵりします」とかワケの分からないことを書いていく人がいる(外部から直リンクで呼び出す目的)ので、そのたびにサクッと消してますが、一度だけ「管理人さんゎ著作権とかうるさい人ですヵ? ヮタシはこだわらない人です」というようなメール(細かい字使いまで覚えていないけどこんな感じ)が送られてきて、絶句しました。
Posted by らくだ at 2004年09月26日 22:43
掲示板に画像がおけるようにするとそんな使い方をしてくる輩がいるんですか!?驚きですし、色々勉強になります。

私的には(新聞などの)引用とかなら引用元を明示するなどすればいいと思っているのですが、なりすましとか画像直リンクは道義的にはゆるせないですね。

色々大変とは思いますが、よい効果が上がるよう祈っております。
Posted by mustafa at 2004年09月27日 00:33
 画像掲示板は目を放すと暴走しそうなので、外部からコンテンツを呼び出せないようにしてあります。広告付きのXREAのサーバーにおいてあるコンテンツはそれができるんです。

 一方、当初から使っていたメインのサーバーはそれができないので、画像の直リンクなどはやろうと思えばいくらでもできる野放し状態です。そういう人が1人いると、いもづる式に出てきそうでなんだか怖いですね。
Posted by らくだ at 2004年09月27日 21:11
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著作権とは少し違いますが・・・
Excerpt: 「らくだのひとりごと」さんのところのエントリー「形骸化する著作権」を拝見して、かねがね思っていて思い出したことがあるので。...
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Tracked: 2004-10-02 01:20