2004年09月03日

「農作物」と「初産」

 おとといの話になるが、浅間山が噴火した。群馬県の嬬恋村だか長野原村ではキャベツが火山灰まみれになって商品価値がなくなったと農家の人がテレビで嘆いていた。

 こういうときにいつも引っかかるのは、アナウンサーが「農作物」を「のうさくぶつ」と言うこと。いつからだろう? 私が子供のときは「のうさくもつ」と読むと教わったし、テストでも読みが問題になったもんだ。いま広辞苑を引くと「のうさくもつ」では調べられない。「のうさくぶつ」の項に「のうさくもつ」(ともいう)と出ているだけだ。

 「初孫」もそう。私が知っている限りでは「ういまご」だったのにいつの間にかみんな「はつまご」と読んでいる。「ちょっと待ってよ! あたしに何の相談もなく!」といいたい。高校とか大学入試では紛らわしい漢字の読みがよく出題され、この「初孫」もテストに出たことがある。出題者の意図は「はつまご」と書かせて引っ掛けようというわけ。当時は「はつまご」と書いたらバツだった。

 ちなみに「初産」を広辞苑で調べると「ういざん」でも「はつざん」でも載っている。「しょざん」とも言うとか。へ〜というしかない。「ういざん」なんて読むとひょっとしておばあちゃん扱いかな?

 若かりしころにこういう漢字の読みを一生懸命覚えた努力は一体なんだったのだろう? 高校時代の学力テストで「好々爺」の読みが出た。読みどころか意味も分からなかった私は「すきすきじい」と回答した。素直に読んだつもりなのに、しばらくは校内笑い者にされたっけ。卒業後も何年か伝説になっていたと聞いた。負け惜しみでいわせてもらうと、大人になっても「好々爺」なんてことば一度も使っていない。
posted by らくだ at 22:16 | 東京 🌁 | Comment(12) | TrackBack(0) | 話題 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初孫や好々爺を使う年頃になってしまいました。
周囲には、「ういまご」やねん。って話している人が少なくなっていると思います。
「はつまご」やねん。という言い方に何の疑問も持ちませんでした。
そうでした少し前までは、「ういまご」って言ってました。私自身も「ういまご」って読み方をすっかり忘れていましたデス。
言葉は時代とともに進化するデスね。

我が家の好々爺は、9月中旬から北欧へ2週間の出張予定です。列車に乗るようですが、仕事がらみなのでどうなることやら。。。
私は、久々にあらゆる友達とおしゃべり三昧の日々を計画中。
Posted by kokumi at 2004年09月04日 16:00
 試験のためにムリに暗記した身にしてみると、バカバカしいですね。そのうち好々爺も「すきすきじい」が一般的な読み方にならないかな? ちょっとこれはムリか。

 それにしても2週間の北欧出張とは羨ましいですね。お土産が楽しみじゃないですか。うちの父ちゃんは「出張」と称して韓国の新幹線に乗りに行ってますが、行きは博多まで、帰りは下関から18きっぷを利用していて、船も2等の雑魚寝です。トホホな違いですね。
Posted by らくだ at 2004年09月04日 22:36
好々爺を「すきすきじい」と堂々と答えたら
婆だったら花丸◎あげちゃうなぁ♪

好々爺の意味だって、なんだか当てはまらないような感じもするよね。
わたしゃ、育ちが悪いのか
いやらしい爺を連想してしまうワ(^_^ゞ

近頃は孫の漢字練習で真剣に確認してるよ
人名漢字の追加の字だって、マジかぁ?なんて字も入ってるし
近頃は、「なんでもあり」みたいにノラリクラリだね

「のうさくぶつ」で良いんだったら「畑のさくぶつ」でもいいんかい?

Posted by 聖婆 at 2004年09月05日 00:15
へぇ。私は31ですが、農作物はどちらでも読む気がしますが初産は「ういざん」以外に読み方知りませんでした。自分の知らないところで言葉って変わるのですね。

といいつつも私自身はよく「ら」抜き言葉をATOKに指摘されます。指摘されても間違いだとは思わない時点で言葉の変動に一役買っているのかもしれませんが。
Posted by mustafa at 2004年09月05日 01:30
わたしの場合、「のうさくぶつ」「はつまご」は聞くだけならOK(話すときは「のうさくもつ」「ういまご」)、「はつざん」は×ですかねぇ。
ただ。
mustafaさんのおっしゃってる「ら」抜き言葉は若い頃は違和感がありましたが最近では・・・(^^;)(^^;)
だって、「見られる」だと“受身”か“可能”かわかんないじゃないですかぁ
#文脈から判断しろということなのかもしれませんが
Posted by あるる at 2004年09月05日 10:21
>聖婆さん、mustafaさん、あるるさん、
 コメントありがとうございます。

 浅間山のニュースを読んでいるキャスターも、「のうさくぶつ」と読んだかと思うと次は「のうさくもつ」と言ったりしてますね。NHKは「ぶつ」に統一されているような気配。こういうのって、いつ、誰が決めるんでしょう? 広辞苑が「のうさくもつ」で調べられなかったのはショックです。

 ら抜き言葉が出てきたときはテレビや新聞で取り上げられて随分話題になりましたが、その影に隠れるようにひっそりと変化していく表現というか読み方ももあるんだな〜。

 そのら抜き言葉ですが、最初は「若者の乱れた言葉」などと国語学者などの抵抗にあってましたが、最近は随分定着してきましたね。私が仕事で使っている複数の「日本語の書き方ハンドブック」みたいなのはまだ「ら抜き」を認めていませんが、あと何年かで市民権を獲得するのではないかと予想します。そうすると、これまでの表記が「旧仮名遣い」みたいな扱いになるのかも。

 ひょっとしてひょっとすると「注文のほうはこれでよろしかったでしょうか?」などというファミレス調の日本語も定着するのかもしれませんね。
Posted by らくだ at 2004年09月05日 22:38
>「注文のほうはこれでよろしかったでしょうか?」
・・・あ、これだめだ。
イライラしてぶん殴りたくなる(苦笑)
Posted by あるる at 2004年09月06日 00:00
>あるるさん、
 いやいや分かりませんよ。周りの人が1人、また1人と「注文のほうは…」と言い出して、そして誰もいなくなったら…。

 こういうのって人によって違うのかもしれませんね。「いつの間にか聞きなれて抵抗がなくなっていた」っていう人と、「周りの人がその表現を使い始めたのでしょうがくなって、ある日私も転向した」っていう人がいるのかな。私は後者ですね。
Posted by らくだ at 2004年09月06日 23:40
近所のパン屋(ポンパ・・・ル)では、
レジで「200円でお願いします。」という若い店員がいます。
いつもカウンタの下の方でグーパーしてますっ。

もうひとつ、近所の定食屋(大・屋)では、
レジで「デザートは食後でよろしかったでしょうか」といわれて
思わず「まだ食べてない」とツッコミたくなりました。

「誰かこいつら何とかしてくれっ」とおばさんは思うのであった。
Posted by joyce at 2004年09月07日 22:15
>Joyceさん、

 「200円でお願いします」っていうのはスゴイですね。私なんてそんなこと言われたら意味が分からず、右往左往しそうです。

 「よろしかったでしょうか?」って言い出したのは誰なんでしょう? 広まったのはここ数年ですよね?私もいちどツッコミたいと思っているのですが、どうも勇気がありません。
Posted by らくだ at 2004年09月07日 23:05
学生の頃「こうくうげか」が「航空外科」で飛行機の中で手術をする分野だって思ってました。
ところが「口腔外科」でした。
「口腔外科」の読みは「こうこうげか」のはず。
今年還暦の爺さんでした。
Posted by こだい at 2004年10月26日 09:14
のうさくぶつ?のうさくもつ?
http://www.nhk.or.jp/a-room/kininaru/2006/06/0629.html

どっちが正しい読み方?
http://www.nhk.or.jp/a-room/kininaru/2004/10/1005.html
Posted by みくの at 2007年11月17日 18:43
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