2005年07月25日

朝日新聞の説明

 ことし1月にあったNHKの番組改編&朝日新聞の虚偽?報道問題について、朝日新聞が朝刊の2面を使って検証(というほどでもなく説明か)をしたそうだ。私は朝日を購読していないので、ホームページ上で公開された以下の情報しか知らない。
1.NHK番組改編問題1−読者の皆様へ
2.NHK番組改編問題2−取材の総括
3.NHK番組改変問題3−検証・番組改編の経緯
4.NHK番組改変問題4−NHKの見解 政治家の指示ない
5.NHK番組改編問題5−松尾武元放送総局長
6.NHK番組改変問題6−当時の取材 中川昭一議員
7.NHK番組改変問題7−当時の取材 安倍晋三議員
8.NHK番組改編問題8−取材・報道への指摘について
 半年もたって出てきたのだから鋭く切り込んでいるのだろうと思って読み始めたらアテがはずれた。歯切れが悪い。そもそも朝日は裁判で白黒をはっきりさせるから説明はしないという立場だったと記憶している。なんで今ごろになって検証なんてする気になったんだろう。ひょっとして、フィリピン日本兵発見の大誤報を打った産経新聞が13日に「朝日NHK問題『頬かむり』は許されない」という社説を掲載したのに触発されていたりして…。

 朝日は「両立しない証言が存在し、報道から半年にわたる取材を積み上げてもなお、真相を解明できない部分が残っています」としている。というか、スッキリ解明できた部分なんてあるんだろうか? 少なくとも私には何がいいたいのかよく分からない文章だった。

 分かったのは「現時点では記事を訂正する必要はない」と朝日が判断してるってことだ。理由は1月時点で安倍・中川・NHK松尾各氏の言ったことには「相互に矛盾がなく、具体的・迫真的な表現が随所にあり、重い」と今でも考えているから。ところが、その自信は心もとない。「当事者が否定に転じたいま、(略)これらを直接裏付ける新たな文書や証言は得られておらず、真相がどうだったのか、十分に迫り切れていません」だものね。

 また当時の取材内容は一問一答形式で書かれていて、あたかも録音されていたかのような気配ながら、取材テープの存在についても明らかにされていない。朝日の説明は以下の通り。
取材・報道に関して、朝日新聞は「取材のプロセスや取材内容の詳細は原則として明らかにしない」という姿勢をとってきました。相手が誰であれ、報道する側の都合で勝手にそれらを公表していては、取材行為全般が信頼を失い、将来の自由な報道に支障を来すからです。今回も、取材記録そのものや取材過程の全容について詳細には明らかにできないと考えています。
 これもなんかズレてる。ついついアメリカで先日起きたことと比較してしまう。あれは国家機密(CIA工作員の名前)の漏洩についてだから、比較対象にならないかもしれないけどさ。ニューヨーク・タイムズの記者は取材源の公開をあくまで拒んで収監されたんだったな(なんたる違い!)。

 こっちは取材源の秘匿どころか、取材に応じた人物(NHK松尾氏)がホイホイ出てきて記者会見までして報道内容を否定しいる。朝日の上記の説明は、ニューヨーク・タイムズのような例には当てはまるのであって、今回のように情報提供者記者が自ら報道を否定していたら、「報道する側の都合で勝手にそれらを公表していては…」て話じゃないでしょ。記者が出てきて説明するのが最低限の誠意だと思う。
 
 (もしかして朝日本紙では詳細に説明されていて、読むと疑問が雲散霧消するのかもしれない。上記はあくまで朝日新聞のホームページ上に公開されている説明を読んだ感想)

【関連バックナンバー】
看板に偽りあり(NEWS23)(2月8日)
朝日新聞とNHKが全面対決(1月20日)
posted by らくだ at 21:31 | Comment(0) | TrackBack(2) | メディア | 更新情報をチェックする
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