2005年07月15日

イスラム圏で自爆テロへの支持低下

 米ピュー・リサーチ・センターがイスラム過激派に関する世論調査結果を発表した(原文=英語)。それによると、自爆テロは正当化できるとの回答が全般的に減少、オサマ・ビンラディンへの信頼感も低下していることがうかがえる。

 イスラムを敵から守るための暴力行為について、調査結果が発表された6カ国の中で最も支持率が高いのはヨルダンの57%(2002年夏は43%)。過半数の人が暴力に賛成していることになる。イラクの隣国という事情があるからだろうか? あとはレバノンが39%(同73%)、パキスタン25%(同33%)、インドネシア15%(同27%)、トルコ14%(同13%)、モロッコ13%(2004年3月は40%)と、もともと低水準だったトルコを除けばかなり顕著な減少傾向にある。

 アメリカとその連合国を対象とした自爆テロに限定して支持率をみると、モロッコ56%(2004年は66%)、ヨルダン49%(同70%)、レバノン49%(−)、パキスタン29%(同46%)、インドネシア26%(−)、トルコ24&(同31%)と全体に低下傾向。モロッコは暴力行為に賛成する人が少ないくせに、過半数が自爆テロを支持っていうのはどういうことなんだろう? 

 オサマ・ビンラディンへの信頼感(世界情勢に関してオサマが正しいことをしているとの確信)は、「かなりある・少しある」との肯定的な回答が、やはりヨルダンで60%(2003年5月は55%)に達した。自爆テロへの支持が減っているパキスタンも、こちらは51%(同45%)と過半数に増えている。一方、インドネシアは35%(58%)、モロッコ26%(49%)、トルコ7%(15%)、レバノン2%(14%)と、支持者が減少傾向にあることを示している。支持基盤が一部地域に限られてきたと言っていいんだろうか。

 調査は世界17カ国で1万7766人を対象にして春に実施された。ロンドンの爆破テロ後に実施していたら、暴力行為・自爆テロへの支持率はさらに低下していたような気もする。
posted by らくだ at 21:02 | Comment(5) | TrackBack(0) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです。パソコンがやっと昨日帰ってきました。

イスラム教についてほとんど何も知らないのですが、宗派によってかなり考え方が違うように感じられます。
これは仏教だって同じだと思いますが、コーランに、アラーの神がいわゆる「聖戦」のために自分の命を犠牲にすることを望んでいる、って書いてあるんでしょうかね?
よく、一神教と多神教の違いも取り上げられますが、どちらにしても信仰心のほとんどない私には、自爆なんていうのは理解も正当化も当然できません。

自爆テロというと思い出すのが特攻隊です。
彼らは「現人神」としての天皇を「信仰」していた、というふうにも言えるかも。
なんて書くと右寄りの人から猛反発をくらいそうですが・・・

それにしても、電車で席を譲る譲らないであれだけ多くのコメントが寄せられるのに、この手の話題は盛り上がらないですね。
自爆テロ、なんてよその国のことだと思っている人が多い、ということなんでしょう。
Posted by ぶたまねき at 2005年07月17日 12:43
ぶたまねきさんへ
「それにしても、電車で席を譲る譲らないであれだけ多くのコメントが寄せられるのに、この手の話題は盛り上がらないですね。自爆テロ、なんてよその国のことだと思っている人が多い、ということなんでしょう。」

というより、「電車で席を譲る譲らない」という話は、誰もが一度は経験したことがありそうな身近な話題だったので、大勢の人がらくださんのブログを訪問したのだと思います。日本でイスラム教やイスラム圏について詳しい人がどれだけいるでしょうか。「電車で席を譲る譲らないということを考える機会」と「イスラム教やイスラム圏について考える機会」とでは、前者について考える機会が日本では圧倒的に多いと思うのです。人々の身近な話題であったからこそ、大勢の人々があれだけ多くの意見を書き込むことができたのだとも思うのです。

もちろん、ぶたまねきさんの書き込みどおり「自爆テロ、なんてよその国のことだと思っている人が多い」のも事実でしょう。私たち日本人はテロに慣れていないですし(日本国内のテロといえば地下鉄サリン事件ぐらいかな、国内での自爆テロは知らないですし。)。それに、外国人から見てもゆるゆるのはずですから(平和慣れしてテロに対して警戒心不足のはずですから)。

それから、書き込みはなくてもらくださんのブログを気に入った人は、ちゃんと目を通していると思いますよ。もちろん、「電車で席を譲る譲らない」の話題のときよりは圧倒的に少ない人数だとは思いますが。
でも、その日記に引き寄せられたことをきっかにして私みたいに常連になった人も何人かいるではずです。言い換えれば、らくださんのブログに現在でも度々訪れている人だけが、純粋にらくださんのブログを気に入っている人たちなのです。無駄に大勢の人が押しかけるより、少数精鋭で良いのでは?そう私は考えています。「こらー、アクセス数も重要だー」とらくださんに怒られるかも(笑)。
Posted by ハググ at 2005年07月18日 19:29
 ごもっともです。大方の人にとって自爆テロって「外国の話」なんですよね。私もなんだかんだいったって、日本でのテロって具体的にイメージできず、他人事だと思っているところがあります。

 自分でも「席を譲らなかった若者」がなんであれだけ話題になったのか、さっぱり分からないんです。身近な話題だし、「そういえば自分もこんなことがあった。俺にもひとこと言わせてくれ」っていう人が多かったということなんでしょうか。あんなにたくさんのコメントをもらえて、幸せだと思っています。

>ハググさん
 逆に私は「アクセスがもう少し落ちないかな〜」というのが正直なところかもしれません。身の丈とアクセスが調和していないような気がするんですよ。

>ぶたまねきさん
 PC直ってよかったですね。私もカラダスキャンが新品になりました。
Posted by らくだ at 2005年07月18日 21:10
明治維新のはじまりは「天誅」と呼ばれる暗殺、すなわちテロだったし、忍者の文化などを考えても日本人はテロに対する素質は十分だと思う。

また、排他的(島国根性と否定的に言われることもあるが)かつ尚武の気風を備えた戦前の日本なら外国人の暴挙に対して黙ってはいなかったであろう。

戦後のアメリカの顔色を伺った政治がこの国を女々しくさせたんでしょうか。古きよき日本はいずこへ…泣
Posted by 出草 at 2005年07月18日 22:50
 私が海外旅行を始めたころは、まだ「日本人=日本赤軍=テロリスト」みたいなイメージが海外では依然としてありました。女で1人旅をしていると、赤軍派のメンバーと疑われることもあるから注意しろと言われたものです。

 実際にパスポートチェックがほかの人よりも厳しかったこともありました。今は昔の話ですね。
Posted by らくだ at 2005年07月18日 23:28
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