ロンドンのテロのせいで書く機会を逸してしまったが、先週ニューヨークタイムズのジュディス・ミラー記者が取材源の秘匿を理由に連邦大陪審への取材メモの提出と証言を拒否、法廷侮辱罪で収監された。外交官ジョセフ・ウィルソンの妻バレリー・プレイムがCIA工作員だということを政府高官がメディアにリークしたとされる件での犯人探しの一環だ。あくまで取材源を守って収監された記者の職業意識はすごいもんだと尊敬するが、一方でプレーン・ディーラーみたいな自主規制の動きが出てきているのが気になる。
ジュディス・ミラーといっしょに証拠の提出を求められていたタイム誌のマシュー・クーパーは、連邦大陪での証言直前に取材源から情報開示を許可され、収監を免れている。要するに2人の情報源は違う人だってことだ。11日発売のニューズウィークによると、クーパー記者の情報源はカール・ローブ次席補佐官(David Corn.comの情報)。ローブの名前は取材メモの中にあるらしいと既に伝えられているけど、それが確認されたってところか。
取材源の秘匿を理由に収監される例は2000年あたりから増えてきているように感じる。ヒューストンのバネッサ・レゲットなんて5カ月半も収監されてた。NBC系列WJARテレビのジム・タリカニ記者が6ヶ月の自宅拘禁を言い渡されたのは昨年の話。ウォーターゲート事件があれだけの鮮やかなスクープになったのは70年代だからで、今だったら多分司法につぶされているだろうな。