1通は「らくだ様」に始まり、時候の挨拶、ホームページ上でその施設を紹介していることへのお礼と続き、最後のほうに「ご存知かもしれませんが、私どもは改装しましたので、以前とは随分変わっております。お近くまでお越しの際にお時間がございましたら、ぜひ足をお運びください。スタッフ一同心からお待ち申し上げております」というメールだった。たいていの場合、送られてくるのはこのようなメールだ。
3日後に別の施設から届いたメールは全然違った。いきなり「○○○は×月×日に改装オープンしております」で始まる。そして、私がサイトに載せている写真と文章を差し替えてほしいという。最後に「連絡をお待ちしております」という割にはメールアドレス、電話番号、FAX番号もない。総支配人の名前はあるものの、メールに書かれていたのはそれですべてだ。私は個人の趣味で訪ねた温泉を、もちろん非営利で紹介している。その温泉については「私の訪問後に改装されています」と追記しているのに『改装したんだからサイトの内容を差し替えろ』と呼びつけられるのはちょっとつらい。正直言って行く気もなくなる。
以前、違う施設から同様のメールを受け取ったときは、電話で問い合わせてみたら施設側にはそんなメールを送ったこころあたりのある人間はいないといわれ、「トラブルを起こしてやめた以前の従業員か、ほかの施設がウチの評判を落とそうとして嫌がらせで送ったのかもしれない。とにかくウチはそんな失礼なメールを送った覚えはない」と説明があったっけ。
今回もそんなことなのかもしれないと思いながら返事を書いた。こういうときは返信を書いても数日ねかせてから読み直し、何回も推敲してなるべく冷静・客観的なメールを送るようにしている。そうしたら「こちらの手違いで、下書き段階のものを送信する予定のないあて先に送ってしまいました」と釈明する返事が来た。ホッとしたとはいえ、ちょっと引っかかっている。ずいぶん不注意だ。根に持つつもりはないんだけど、その施設を再訪する意欲が完全に回復したとはいえない。
らくださんはお客さん。
こういうメールが来たときはすぐに返信を返さず、亀レスにするほうが良いですね。失礼に対して失礼で返すと相手のレベルまで下がってしまう。
簡潔に用件を伝えたい。しかし礼を失してはいけない。その辺のバランスがとれず、受取った人の気持ちを害するでは、と送信ボタンを押した後で悔やんでいます。