アメリカ企業だと、株式の保有比率がせいぜい5%程度の年金基金でも大きな顔をして経営に口を出すのが普通だ。株主利益を追求するアメリカ式経営に日本企業もだんだんそれに近づいているのだとばかり思っていたので、このニュースを理解するまでに恐ろしく時間がかかった。ライブドア社長のブログを読んで、ようやく理解できた。アメリカ企業の経営者らがこのニュースを知ったら、さぞかしたまげるに違いない。
ライブドアは10日、イーバンク社長がライブドア取締役の留守電に残したメッセージについて明らかにしている(ライブドアの公式プレスリリースがみられないのでこちら参照)。これはライブドアのIDがないと聞けないんだけどスゴイよ。「お前の会社ぶっつぶしてあげるよ」とか言っている。これのせいで、あれ、どっちが株主だったかな、と訳がわからなくなって事態を飲み込むまで2日かかった。筆頭株主の役員に「ぶっつぶしてあげるよ」って言えるなんて、恐ろしいほど気骨のある社長に違いない。会ってみたい。
そうかと思ったら、イーバンクは12日、「音声ファイルについては、外部の専門機関により偽造の可能性が極めて高いとの判定がでております」と反論(プレスリリース)。でも、「事実無根」など頭から否定する言葉がないので、いかんせん説得力がない。笑えたのは、主な株主のページだ。筆頭株主のはずのライブドアの名前がどこにもないじゃない! やることが徹底しているな。ここまできたら、とことん白黒つけてもらいたいもんだ。
かなり前、M&A専門の会計士に聞いたところでは、株式を3割保有すれば「子会社」と表記して差し支えないそう。いっそのことライブドアはTOB(株式公開買い付け)で15%買い増してイーバンクを子会社にしてはどうかな? それとも、こんな会社にかかわってもしょうがないってことで撤退するんだろうか。
こういうニュースって絶対に某公共放送とかじゃやってくれないんだよな。どっかのテレビか新聞で大々的にやってくれないかな。日経新聞がお上品に触れる程度かな。
【追記】ライブドアとイーバンクは8カ月余りたった10月22日に和解、双方の告訴や訴訟を取り下げることで合意した。
どこかのブログで読んだと思って探したらここだった。
ライブドア関係者の方ですか。
もちろん、私はライブドアとは一切関係ない、ただの野次馬です。