2005年05月10日

日本人傭兵

 イラクでまた日本人が武装グループにつかまった。朝刊を見るまで知らなかった。この人は自衛隊に2年、フランスの外国人部隊に21年間もいたという経歴の持ち主だそう。そういえば昔、仏外国人部隊にいた人が書いた本をパラパラと見たことがあったな。

 1年余り前に論争を巻き起こした3人(プラス2人)がイラクで人質になったとき、マスコミは「同情論→世論の風向きをみて自己責任論」へ傾き、昨年秋の香田さんの際は「世界を放浪するバックパッカーの危うさ」みたいな報道が目立った。

 今回はこの斎藤さんの経歴が特異なせいか、報道の切り口がまだ定まらずに遠巻きにして様子見しているような感じだ。それでなくても、きっと斎藤さんは「殺るか殺られるか」という日々を長年送ってきたのだろうから「自己責任」なんてことばは空虚に聞こえてしまう。

 弟さんの記者会見は見ていてかわいそうだった。寝耳に水の知らせで頭はパニック状態だろうに、気丈に「国民のみなさま」にもお詫び。日本政府は方針を変えないで欲しいと冷静に話していた。まるで「記者会見の心構え」を事前に叩き込んでいたかのようだった。私にはとてもできない。1年前に人質家族があれほどバッシングされなかったら、弟さんの記者会見は違っていたのだろうか。

 斎藤さんが無事に解放・救出されることを祈る。
posted by らくだ at 22:25 | 東京 ☀ | Comment(5) | TrackBack(0) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「傭兵」…戦場というところに赴いたことのない俺にはこの言葉の重さが実感できていない。ウィキペディアによると斎藤氏の様な「傭兵」は、『〜傭兵は非合法なので表向きは「民間警備支援サービス」などと称する場合がほとんどである。実際に、当初のうちは発展途上国や治安の悪化している国においてオフィス・工場・鉱山などの警備をしていたものを、発展途上国の政府が見込んで依頼したというケースが多い。…』(抜粋より)
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%82%AD%E5%85%B5
金を稼ぐということが命がけ…あまりに厳しい現実だったのであろう。
運命を決める極限…救出を今は祈るのみだ。
Posted by (Q@N)デイリーさくら at 2005年05月11日 00:24
斎藤さんの弟さんの記者会見見ましたけど、なんだかさらし者にされているみたいな気がしました。
被害者は彼のほうなのに、こういう記者会見って、マスコミから要請されるのか何なのかよくわかりませんが・・・

彼が会見する必要性って本当にあったんでしょうかね。
コメントだけ発表してもいいような。
救出してほしい、という家族の願いは充分わかりますけれども。

しかし、外国人部隊にいた、という経歴。
小説の世界の話のように思っていた自分を反省。
Posted by ぶたまねき at 2005年05月11日 06:14
兄は兄の道を、弟は弟の道を。
兄弟愛が伝わってくる記者会見でした。
野次馬になって、TVを見ながらこんなことを言うのも変ですが、マスコミは残酷だと思いました。
Posted by のびぃ太 at 2005年05月11日 17:20
 弟さんの立場にしてみれば記者会見する必要性は皆無だと思いますが、マスコミの立場では…。例えば、自宅前にマスコミがず〜っと張り込んでいると近所迷惑になってしまうし、一社ずつチャイムを鳴らして「取材に応じてください」と頼まれてもたまりませんよね。そういうことから、「記者会見を設定しましょう」と言われればイヤとは言えないのでは、と想像しています。

 これはあくまで想像で、もしかしたら弟さんが「ぜひ会見を開いて国民のみなさんや政府に謝罪したい」と言ったかもしれませんが。

 今回の事件ではこれまでとは違って日本政府にできることはそれほどないように感じます。斎藤さんの勤務先がその道のプロだし情報も持っているようなので、うまく立ち回ってくれるといいのですが。
Posted by らくだ at 2005年05月11日 21:26
確かに弟さんの記者会見を見るといたたまれない感じになりますし、何としてでも開放されてほしいと望まずにはいられません。

しかし以前拘束された方々への家族へバッシングがあったせいだとは私は思えません。あれは本当にバッシングだったのでしょうか?。浅薄な人達への、ごくごく普通の人々の当然の反応だったのではないでしょうか。

これは私の個人的な考えですが、世界の趨勢は自己責任ということはあたりまえだと思います。

といいますか、これほど自己責任というのが議論になる国は日本以外中々見当たらないとんじゃないでしょうか?。

政府が悪い?、レジオレナ菌を管理していない施設が悪い?、天気が悪い?

全く理解不能です。自分が選択したことに責任を負うことは当たり前のことではないでしょうか。

これはごくごく個人的な考えですが、以前拘束された人達の家族とは異なりこの弟さんの記者会見を見ると、何とかならないことかと切に願うばかりです。拘束されたことを売文して生業とする図太い人間を私は決して好きになれません。いったい何億の血税が使われたことやら…。
Posted by T at 2005年05月12日 01:37
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