2004年07月14日

ジェンキンスさん早期来日へ

 曽我さんの夫ジェンキンスさんの具合が悪いらしい。きょうはコイズミ君が「病状が思わしくない」とか言って日本で治療する方針みたいなことを言っていたな。でもさぁ、再会場所を決める時に「ちゃんとした治療を受けられる国」という条件でインドネシアに決めたはず。それに再会直後は「具合も良好」などと言っていたのに…などと言ったらヤボというものだろうか。各種報道によると、早ければ来週初めにも日本に来て治療を受けるらしい。

 私は個人的にジェンキンスさんにはいかなる感情も持っていない。曽我さんに同情しているだけだ。拉致されたときに日本の家族から引き離され、日本に帰ってきたときに北朝鮮の家族と引き離され、2回も家族を奪われた格好になっているから。だからジェンキンスさんは「曽我さんの夫」として日本に住めればいいなぁと思っている程度。積極的に彼の特赦を求める気はない。

 大方の日本人はそんな感じなのでは。ジェンキンスさんの甥と姪が運営しているジェンキンスさん支援サイトIn Support of Charles Robert Jenkinsによると、ジェンキンスさんの特赦を求める署名は(いつ更新されたのか不明ながら)1134人しか集まっていない。日本ではジェンキンスさんの身内がやっている署名活動については知られていないし、独自に署名活動をやっているとも聞いていない。

 曽我さんへの同情もあるせいか、ついつい『日本に来ちゃえば、なんとかなるのではないか』と楽観的な見方をしてしまう私だ。曽我さん一家再会についてのアメリカでの報道(ニューヨークタイムズワシントンポスト=ともに登録していないと開けないかも)をみると、日本とほとんど同じ内容でジェンキンスさんについても淡々としている。「脱走兵の国賊許すまじ」なんていう論調は微塵も感じられない。

 ちょっと気になったのはロサンゼルスタイムズだ。ジェンキンスさんの故郷でも取材をしている。
"It was a terrible thing for the family. Having a kid defect to the communists was worse than having one killed in action," said Michael Cooke, a family friend, in an interview earlier this year. Cooke said he regularly visits Jenkins' mother, Pattie Casper, in a nursing home and that she still has photos of Jenkins in his uniform on her bedside table.(ジェンキンスさん一家の友人Michael Cooke氏は今年、「一家にとっては酷いことだった。子供が共産主義国に亡命するというのは、戦死よりも悪かった」と語った。Cookeはジェンキンス氏の母Pattie Casperを定期的に老人ホームに尋ねている。彼女はベッドサイドに軍服姿のジェンキンス氏の写真をいまだに飾っている=筆者訳)
とある。東西冷戦が終わって10年以上たった今でも「戦死の方がマシ」って認識なんだろうか。そうだとしたら「日本に来てもらって、アメリカが何か言ってきても体調が悪いからとうやむやにしちゃえばいいじゃん」という私の考えとはえらく隔たりがあるな。

【追記】ジェンキンスさんら曽我さん一家は18日にチャーター機で来日することになった。この前がANAだったから、今度はJALかな。

【関連バックナンバー】
いろいろ発言で乗り切れ!(7月8日)
posted by らくだ at 22:56 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国内ニュース | 更新情報をチェックする
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