まず、ありきたりの印象だけど中国は変わった、進化したなぁってところ。3都市とも予想以上に高層ビルが多い。町に活気というか勢いがある。人々の身なりも良くなった。日本のファッション誌から抜け出てきたような若い女性もいる。西安ではルイヴィトンが開店準備中、成都ではグッチのブティックを見かけた。市内バスはほとんどワンマンバスになり、西安と成都ではJRのスイカやイコカみたいなICカードも導入されていた。あんなに大勢いた車掌さんは各都市で失業したんだろうか。
多くの人が携帯電話を持ってメールをやりとりしている。西安のホテルで朝食を取った際、小学生の修学旅行みたいな団体と一緒になった。隣のテーブルには8人の子供がいて、そのうち3人は携帯電話をいじっている。8人のうち2人は中国料理の朝食にコーラを頼んでいた。マクドナルドやケンタッキーフライドチキンも増えている。食生活も西洋化が進んでいそうだ。
豊かになったといえばその通り。もう少し正確に表現すると、貧富の差が大幅に拡大したというべきかも。依然としてゴミ拾いを生業としている人たちだっている。
西安でのこと。ルイヴィトンの近くにあるピザハットに30〜40人の客が順番待ちの行列を作っている。私はその前に立ち止まってペットボトルのミネラルウォーターを飲んでいた。全部飲み干してしまったので空になったボトルを自分のバッグにしまおうとしたのと同時に老婆が現れた。「それおくれ」と言っているらしい。「中国ってもう日本とそれほど変わらないな〜」などと思っていたところだったので、いきなり空のペットボトルを所望されてうろたえちゃった。
旅行をする人も増えたけど、客は大きく分けて2種類。列車でも私たちが使った硬臥(2等寝台)の乗客は携帯電話、MP3などの小型携帯音楽プレーヤーを所有している人がかなりいる。デジカメで写真を撮ってもらっても扱いになれているのが分かる。旅行用のカバンもキャリーケースが目立った。一方、硬座(3等座席)車両まで見物にいったところじゃ、なんか違う。カバンは華僑バッグが依然として多い。携帯は持っていなくてトランプで遊んでいたな。列車での移動中は、寒村の廃屋のような家に衛星放送のアンテナが載っているのを見るたびに目をこすりたくなった。
上海や北京はもっとすごいんだろうな。旅の間中、「もし、中国で文化大革命が起きなかったら」などという考えが頭の中でグルグルまわっていた。キャミソール姿で歩いている姉ちゃんに「あなたは文化大革命を知っていますか?」って聞きたくなったぐらいだ。そういえば人民服を来た人も10日間で4、5人しか見かけなかったな。「ワイルドスワン」を読み直したくなってきた。
3都市とも活気ある街の印象でしたか。
これから13億の人々が豊になっていく中国も大変そうだな?の感。
ご心配いただきありがとうございます。いまだに2人でヨレヨレ気味ですが、この暑さも明日までとかいう予報を信じ、あさってを待ちます。