2011年12月12日

2011年の漢字

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 今年の漢字が「絆」になったそうだ。私は何ヶ月も前から「災」になるだろうと思っていたので、なんだかホッとするとともに自分のネガティブさを実感した(写真は8月に奈良の興福寺で撮影)。

 悪い意味の漢字は選ばないんだっけと思って過去をさかのぼって調べると、2004年に既に「災」という字が選ばれていた。しかし、2004年に大きな災害なんてあったっけ。思い出せない。ちなみに1995年は「震」、1998年は「毒」、2001年は「戦」、2007年は「偽」と、災害や犯罪絡みの漢字も選ばれていた。

 私はことし「絆」という言葉を噛み締めた記憶はない。それでも、震災後に日本が海外の多くの国からたくさんの支援を受けて「情けは人のためならず」ということわざが頭の中でグルグル回っていたのは、考えてみると「絆」を感じていたのかもしれない。

 今怖いのは年末の特別番組。きっと各局が1年を振り返る番組で東日本大震災の悲惨な場面を何回も繰り返し流すだろう。それを想像するだけで胸に重しを載せられたような重苦しい気分になる。

 新聞の写真ならそれほどショックはないのに動画を見るのはなぜか怖い。震災直後はテレビにかじりついていたのに、同じ場面を見るのが今ではつらい。逃げたくなる。東京に住む私がそんな風に感じるというのはヘタレすぎるのか…。時間がたてば乗り越えられるだろうか。
      
posted by らくだ at 23:21 | Comment(5) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
2004年は新潟県中越地震が発生しました。
スマトラ島沖でもM9.3を記録してます。
また一方で、災い転じて福となす。を掛けたとか…。
Posted by モノコ at 2011年12月21日 06:27
私もだんだん震災の報道が辛くなってきています。
東北からの喪中はがきに、津波で亡くなった方はもちろんですが、震災直後はお元気だった方の名前が書いてあったりします。まだまだ震災は現在進行形なのだと・・・。

年末を本を読んで心だけでもどこかへ旅したいです。
らくださん、何かお勧めがありませんか〜?
Posted by ピオーネ at 2011年12月22日 00:30
>モノコさん
そうでした! 中越地震とスマトラ沖、すっかり記憶のかなたに遠くなっていました。人間の(というか私の)記憶ってあてになりませんね。当然ながら「災い転じて福となす」を掛けたというのも知りませんでした。ありがとうございます。

>ピオーネさん
岩手に住む友人は「テレビや新聞や街中で『がんばれ東北』って言葉を目にすると、善意だとは分かっていても、もういい加減にしてくれって怒鳴りたくなる」と言っていました。その気持ち、なんとなくわかります。私が彼女の立場でも、「がんばれ」と何カ月も言い続けられたらつらいだろうなぁと思っています。

本の件ですが、私が年末年始に読もうと思っているのはスタインベックの「チャーリーとの旅」です。台湾に行く際、空港の本屋で沢木耕太郎の「旅する力 深夜特急ノート」という文庫本を買って旅行中に読んだら、その中にちょこっと出てきて読みたくなりました。

自分で読んでいない本を勧めるのもヘンですが、沢木耕太郎の数行の引用だけでも「心だけでもどこかへ旅」できる感じでした。
Posted by らくだ at 2011年12月22日 23:59
らくださん、ありがとうございます。
もう図書館へ行って2冊とも借りてきました。楽しみ♪

クリスマスディナー美味しそうで、すごくうらやましいです。
Posted by ピオーネ at 2011年12月26日 00:30
らくださん、こんにちは。
旅する力とチャーリーとの旅やっと読み終わりました。

旅する力は久しぶりに沢木さんのパワーをもらった感じでした。
チャーリーのほうは考えさされることが多く、読みきるのにワインの力をかりてしまいました。本を読むのにお酒を飲んだのは、はじめてかも・・・。
旅にはそれぞれの年齢で感じ方が変わってくるという沢木さんの言葉がチャーリーの本で迫ってくるようでした。

久しぶりに図書カードが貼ってある古い本を手にとって、その質感と活字のきれいさを懐かしく味わいながら読みました。昔のものもいいですね。
紹介していただいて、本当にありがとうございました!
Posted by ピオーネ at 2012年02月01日 15:02
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