2011年11月22日

重いお土産

 私に会うためわざわざ台北まで出てきたくれた春子ばあちゃんに再会するなり、「今回は重いお土産があるよ」って言われた。最初は悪い冗談かと思った。だって私は出発前に日本から電話した際、お土産はいらないし、あちこち回るから持ち運べないということを強調して伝えていたから(春子ばあちゃんのことを知らない人は2010年3月10日付の「2人の陳さん」を参照)。

 でも、婆ちゃんはすごく真面目だった。被災地の子供たちのことを考えてお土産を用意し、私が運ぶ負担を少しでも軽減しようと自ら台北に持ってきたのだった。そういう意味では物理的な重さよりも真心の重さがずっしりと来た。

 話は数カ月前に遡る。津波被災地の子供たちが書いた作文集「つなみ」を読んで、子供たちが世界の人たちの支援に感謝の気持ちを強く持っているのに感動し、婆ちゃんも読めば喜んでくれるだろうと軽い気持ちで送ったのがきっかけだった。

 婆ちゃんは作文に綴られた子供たちの懸命な姿に感動、何かしないではいられない気分になって子供たちへのプレゼントを用意したのだった。支援金3万元(日本円で2万7000円弱)に加え、自分で編んだという袋に入った100枚近い古銭を手渡された。

 婆ちゃんの気持ちを何とかして届けようと、帰ってきてから作文集の出版元に手紙を書いた。ひょっとしたらこれまでも同じような人がいて、出版社に連絡しているかもしれない。「そういう方はこちらへどうぞ」みたいなルートができていれば、私にも同じように紹介してくれるだろう。忙しくて返事は来ないかも知れないけれどダメ元って気だった。

 そうしたら、今日、担当の方から電話がかかってきた。ひとしきりお礼を言われた後で、このようなお見舞いの申し出は初めてのことだと言われた。上司の方とも相談した結果、津波遺児の支援をしている団体を紹介してはどうだろうということになったそうだ(具体的な団体名を教えていただいたけれど、とりあえずここには書かないことにする)。

 そういう団体なら現金(もちろん私が日本円に両替する)は歓迎してもらえるだろうけれど、「子供たちに直接渡して欲しい」なんていって古銭を持参しても困るだろう。私は骨董品などの関心がないので、この古銭にどれだけの価値があるのか分からない。

 私が子供だったら、海外の古銭をもらったら素直に嬉しいし、それをきっかけにしてその国に興味を持つかも知れない。そんなこともあって、古銭は換金しないでそのまま渡したいとは思うのだけれどど、果たしてどうすればいいものやら。もし、これを読んでいて、何かアイデアや提案があるという方は、コメントないしメール(メールアドレスは右側の下の方にあります)で教えていただければ嬉しいです。
       
posted by らくだ at 23:58 | Comment(3) | TrackBack(0) | 旅日記ほか旅関連 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんだか、胸が熱くなってしまいました。
私も春子おばあちゃんに続き、子ども達に何か・・・自分が出来ることをしたいです。

古銭ですが、私もらくださんと同じく、外国のお金を貰うのは大人になった今でも嬉しいです。そのまま渡す派ですね。

その古銭と一緒に、春子おばあちゃんの思いというか、考えというか、生き方というか・・・何か、子ども達がおばあちゃんが感じられる紹介の文章や写真を一緒に送ってはいかがでしょうか。(もうご用意されているかもしれませんね。)
遠い外国のおばあちゃんの真心が、子ども達の心に少しでも残って、忘れかけたころに古銭を見てまた思い出してくれれば・・・
人生の励ましになってくれそうですね。

小さい袋ならば、ランドセルや鍵、ペンケースにつけられるのかなとも思いました。
私が子供だったら宝物箱にしまうか、鈴をつけてランドセルにつけるか、タイムカプセルに入れるかもしれません。

春子おばあちゃんの思いは、被災地からそう遠くない場所に住む、ちっぽけな私の心も動かしてくれました。
Posted by ひさこ at 2011年11月23日 17:48
お久し振りです。
春子おばあちゃんの思いが伝わってきます。
そして、その思いをらくださんが行動に移されていることにも感動しました。
アイデアの件は何もなく申し訳ないのですが、らくださんが春子おばあちゃんと知り合ったいきさつや日本人に対して優しくそして温かい気持ちを持って接してくれている背景をも、作文を書いた子供たちにも少しでも伝えられると良いのではと思いました。

私も夏に台湾に行った際、台湾人の友人たちみんなが「寄付したよ!」と言ってくれたり、心配して逆に秋に日本に観光に行くよって言ってくれたり・・・。感謝の気持ちでいっぱいです。
Posted by Be honest to your heart! at 2011年11月23日 19:56
ひさこさん、Be honest to your heart!さん、

コメントありがとうございます。そうなんですよね。私がどこかの団体に送りつけてしまえば一番ラクだけど、春子ばあちゃんの真心は伝わりにくくなってしまう…。

作文を書いた子供を探して1人1人に渡すことなんて到底ムリだから、どこか喜んで受け取ってくれる学校があれば、そこに現金とともに渡した方がいいだろうなぁと思うようになりました。お2人以外にもメールでご意見をくださった方が何人かいて、すべてを読んだ上でその気持ちが強くなっています。

ただ、作文に学校名が記載されている以外の手がかりがなく、一校ずつ連絡することを考えると気が遠くなりそう。津波被災地の学校にパイプを持っている人をネットで探せればいいのですが。月末月初は仕事が忙しいので、一段落したら考えようと思います。

春子ばあちゃんには今日電話をして「出版社には支援の受付窓口がなかったので、これから渡し方を考えます。しばらく時間がかかります」と話して了解してもらいました。

本来なら私が出向いて事情を説明してお渡しするのが一番いいのでしょうねぇ。とにかくその前に、喜んで受け取ってくれる学校を探さなくちゃ。

引き続きアイデア・提案よろしくお願いいたします。>みなさま
Posted by らくだ at 2011年11月23日 22:19
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