でも、この評価ってどうなのかな。政治関連書に入るとはいえ、みんなが読みたいのはクリントンの政治手腕についてじゃなくて、モニカとの不倫話だよねぇ。在任期間中に財政収支が黒字に転換したり、未曾有のハイテク景気もあったけど、クリントンの名前とセットで後々まで記憶する人っていないだろう。などと思っていたら、すごく厳しい書評がニューヨーク・タイムズに出ているのを見つけた。
一部を翻訳・紹介すると、こんな感じ。
「クリントン氏による待望の自伝『マイライフ』は、読者にとっては残念なことに(88年の民主党大会があった)アトランタでのスピーチに酷似している。あのスピーチは長ったらしい上に単調で、クリントン氏がようやく『最後に…』と口にしたときには聴衆から歓声があがったほどだった」ここまでけなすと、かえってすがすがしい感じもする。それでも売れるんだろうな。私はもちろん現物を読んでいないので、おもしろいのかつまらないのか知らない。正直いってあんまり読む気はしないな。出版社だって「偉大だった大統領の記録を残す」っていうよりも「ホワイトハウスで不倫に及んだ大統領の告白」なら売れるに違いないっていう判断で出しているんだろうし。
「950ページ以上あるこの本は、まとまりがなく、独りよがりで、(読んでいて)何度も居眠りしそうになるほどつまらない。(後略)」
ところで、この書評を書いたのはミチコ・カクタニさん。何年も前からニューヨーク・タイムズで書評を書いている人だけど、日本人だか日系人だか知らない。