2004年06月15日

新聞にみる球団合併問題

 近鉄とオリックスの合併問題に関する社説が朝日と毎日に出ていた(ともにネット版のみ確認)。朝日(このページの下部)は無難な論調ながら、最後の部分にちらりホンネが見える。
巨人には「4番」がぞろぞろいて、さながらオールスターチームだ。無理に1リーグにしなくても、巨人を二つに分けたら、1チーム減るパ・リーグの穴は埋められる。いっそ、そんなアイデアはどうだろう。
見出しも「球団合併−巨人を分割したら」だ。

 毎日は「ファン不在許されない」という、ピンとこない見出し。経営が傾いている新聞社らしい論調というべきか。球団経営だってビジネスなのだから、不採算部門のテコ入れは必要不可欠だと思う。それに日本のプロ野球球団がこれまでファンを大切にしてきたとも思えない。ニューヨークに住んでいたときの感覚では、米メジャーのほうが地元での福祉活動などを通じてファンを大切にしているように思う。それはさておき、
対戦相手なしに成立しないプロ野球なのに、現状を見ると、巨大な影響力を持つ一部の金持ち球団が、自分の都合のいいように制度を改変し、「独り勝ち」をもくろんでいるように映る。もし球界に「共存共栄」の精神があれば、現在のようなゆがんだ制度はできていなかったはずだ。
と、遠慮がちながら巨人に問題があると指摘しているのは朝日と同じ。

 翻って読売はというと、社説は「有事関連法」と「発達障害者」の2本。近鉄とオリックスの話は編集手帳で「球界をあげて知恵を絞るしかない」とサラリ触れているだけだ(ネットで見ただけで本紙の構成は未確認)。やはり少し負い目を感じているのか。
 
 巨人がプロ野球をつまらなくしているという点では、私も朝日、毎日と同じ意見だ。どうも悪循環になっている。強いから観客を集められて資金も豊富。巨人でプレーしたいという選手も多く、戦力を強化しやすいから、ますます強くなる(はず)。私は子供の頃からアンチ巨人だった。最近はテレビでプロ野球を見ることが全くといっていいほどなくなってしまった。つまらない、ただそれだけ。
 
 パリーグで1球団少なくなれば、大方のマスコミが伝えるように1リーグ制になる可能性だってあるんだろう。でも、1リーグ制で人気が復活して問題が解決するかっていうとそれは別問題。消極的な対処法でしかないように感じる。私としてはたとえ1リーグになっても野球への興味が復活するとは思えない。むしろJリーグみたいに2部リーグ制で上位リーグの最下位と下部リーグの最上位が入れ替わったりするともっと活気が出るのではないか、などと素人特有の無責任なことを書いておく。それに球球界が本当に危機感を持っているのなら、日経新聞の社説が指摘するように、プロ野球に新規参入するのに必要な30億円の加盟料を大幅に引き下げるとか撤廃するなどの対策もありそう。そうすれば新たに球団経営に乗り出す企業もあるかもしれない。
 
 正直言うと、プロ野球への興味をなくしている私にはあまり関係ない。むしろプロ野球人気がさらに低下して、野球中継の時間延長がなくなってくれるとありがたいな。今度の土曜日もNHKでプロ野球中継があるから、延長されれば「冬のソナタ」が後ずれする可能性があるんだったな。
posted by らくだ at 15:58 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | スポーツ | 更新情報をチェックする
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一連の合併騒動について
Excerpt: ほんとは長文になりそうなので、書くのは控えていたんですが やっぱ「独自の野球論」なんて書いてあったら書かなきゃいかんでしょう 論点はいくつかあると思いますが 自分は出来る限り多くの視点からこの問題を..
Weblog: 落ちないナックル
Tracked: 2004-06-16 10:52