最近になってWeb2.0という言葉だけが一人歩きしているような気がしていたのだが、この本を読んで、私が昨年秋に無意識のうちに始めたもうひとつのブログは「消費者発信型メディア」と訳されるCGM(Consumer Generated Media)のひとつであり、Web2.0の世界に足を踏み入れているのだと確信することができた。まぁ、なんつうかそれなりにスッキリした。
ただ同意できないこともある。この本では個人のサイトはWeb1.0的でブログはWeb2.0的と区分けしている。でも、私がこのブログを書き始めたのは、CGIスクリプトで書いていたWEB日記がISPのトラブルで何日も書けなくなったせいだ。つまり個人サイトとブログの間の違いは全くといっていいほど感じていなかった。ただ『コメントが書けるのは便利だな。トラックバックってなんだろう?』と感じたぐらい。このブログはいまだに自己完結型で何も変わっていない。
もうひとつのブログは自分で意識しない当初段階から他人を巻き込むことになった。黙っていても協力者が集まってきた。そしてその輪がどんどんと広がっていっている。ネットの世界では個人情報の開示はご法度と思っていたのに、いつのまにか本名や住所を載せたブログ用の名刺をあちこちで配っているのが自分でも不思議だ。
当初3カ月の実験として始めたはずのプロジェクトを1年間に延長、最近では「多分もう止められないよ。回りが許してくれない」という人が増えてきた。自分でも薄々とはそれに気づきながら、ブログ2つと個人サイト1つを運営していく自信もない。さてどうしよう。
本の話に戻ると、ブログの特徴のひとつとして「自分にとても近い他人が見つかる」ことが挙げられていたのが興味深かった。著者によると、トラックバックを追いかけることで、会ったことはなくても興味が自分に近い他人を見つけられるというのだ。そしてリアルな世界の友達も「たまたま職場や学校が一緒だから」という理由で付き合っているかもしれず、むしろブログのほうが「本当に知り合いになるべき他人と出会うことが可能なのかもしれない」としている。
そんな風に考えたこともなかったけど、一理あるかもね。これまでは「遠くの親戚より近くの他人」といったけど、Web2.0は「近くの友人より遠くの他人」の時代なのかな、などと考えてしまった。