残念ながら「大賞」は該当なし。部門賞をみると、「英語は正確に使いま賞」に選ばれたのは"Our city is fruity." 98年に山形の花笠祭りで配られたうちわに書いてあったそうだ。大賞主催者によると、意味は「私たちの町にはホモの多い!?」fruityという言葉は果物を意識して使ったに違いない。確かに日本ではフルーティって聞く。その割には英語圏ではあまり耳にしない言葉だな〜と思って辞書を引いたら「果実の風味がある」だけじゃなくて「わいせつな」「気が変な」「ホモの」という意味も出ていた。祭でうちわをもらった外人さんはぶっ飛んだに違いない。
「抱腹賞」は神奈川・上大岡の三越入口にある掲示。"When a visitor has injustice, I will notify the police irrespective of quantity."訳すと「訪問者が不正行為を所有していれば、量に関わらず警察に通報します」。万引きのことを指しているっていうのは分かるものの、やっぱりヘンだ。
そのほかの入賞作でお気に入りは以下の通り。沖縄の動物園にあるという"Do not feed your arm." 「あなたの腕にエサをあげないでください」って??? 緊急避難用のはしごには"Emergency Trap"っていっても、避難するのに「緊急のワナ」なんか仕掛けてどうすんのよ! 岐阜県のローカル線は"Please keep your hands and face at all times" 「いかなるときもあなたの手と頭を保ってください」といわれてもねぇ。たぶんinsideを忘れたんでしょう。ブレンディのおまけでついてきたカップには"I wonder why coffee tastes so good when you are naked with your family. " 「裸で家族といるときは、なんでこんなにコーヒーがおいしいのでしょう」なんて感動する人がいたらちょっとヤバイよ。と、一通り爆笑させていただいた。びっくり英語大賞の結果はこちら。
私だってヘンな英語を数日前にみた。ブログのタイトルで、「○○'s Dairy」となっている。diaryなら日記だけど、dairyだと酪農とか乳製品工場って意味だ。内容はまったく酪農に関係無かった。なんで英語を使いたがる人がこんなに多いんだろう?
日本人の英語力っていうのはこの程度なのかな。中学生の時に聞いたことがある。シェークスピアのハムレットが最初に日本で紹介されたとき、あの有名な"to be or not to be, that is the question."(生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ)という部分は「あります、ありません、あれは何ですか?」と翻訳されたそうだ。なんとなく分からないでもない。当時に比べたら随分進歩したよね。
私も人のことを笑えないので懺悔しておく。香港に住んでいたとき、アルバイトでよくレストランのメニューを日本語に翻訳した。ある時「ランチメニューも追加でお願いします」と言われて翻訳したものの、休暇でインドネシアに出かけるので校正ができない。先方は「少ししかないから校正してもらわなくても大丈夫です。読めなくても字の形で間違っていれば分かりますから」と言ってくれ、安心して休暇に出かけた。
休暇から帰ってきてその店にいったら…愕然として真っ青になったね。だって「ランチセット」の「ラ」の字が「ウ」になっているんだもの! 日本語を知らない香港人が写植を担当しているから、本人にとっては「ランチ」でも「○ンチ」でも大して違いはないらしい。あわてて手書きで直した。レストランのオーナーには「誤植があった」以上の理由は言えなかった。海外で見かけたヘンな日本語大賞があったら、結構いいところまでいってたかも?