2005年02月08日

看板に偽りあり(NEWS23)

 昨晩たまたま見たTBSテレビの「NEWS23」という番組で「激論 朝日新聞vsNHK」というコーナーがあった。お、これは面白いかもしれないとテレビの前に座ったのも束の間、『これは朝日新聞対NHKの問題ではない』という論調に、みんながこぞって頷くような感じ。最初から最後まで数人の同業者と元同業者が傷口をベロベロなめ合うような番組になっていた。思わず口を開けて見入っていたので、もう少しでヨダレが垂れそうになったぐらいだ。こういうのを「看板に偽りあり」って言うのだ。

 それでも番組の中で1つだけ同意できることはあった。それは「政治家っていうのは圧力をかけてくるもんだ」ということ。もちろん、建前上では圧力をかけてはいけないことになっているのは百も承知だ。だからといって、政治家がひざの上に手を置いて「報道の自由は保障されているんだから好きにおやんなさい」なんて言うわけないじゃん。政治家がありとあらゆる場面で圧力をかけるのは仕事のひとつだと思う。優秀な政治家ほど圧力を圧力と思わせないようにうまくやりそうだ。

 だいたい深夜自宅にやってくる夜回りの記者に情報を流すのだって、持ちつ持たれつだと思っているからじゃないのかな。そうした政治家の思惑を跳ね除けて報道するのがマスコミの使命で、報道に携わる以上はNHKだろうと民放だろうと変わらないもんだと思っていた。それなのに「公共放送のくせに政治家の圧力に屈するのはけしからん」みたいな方向に話は行っていたな。「民放は政治家やスポンサーの圧力に屈してもOK」とでも思っているのだろうか? 私がうがった見方をしているだけかなぁ。

 現役の著名ジャーナリストと元ジャーナリストの立場で、記事の捏造(朝日が悪い場合)があったり、記者会見で堂々とウソをつかれていた(NHKが悪い場合)りした場合、大問題だとは思わないのかなぁ。記者会見でウソをついたりしたらよってたかってつるし上げにしているはずだけど。なぜそれを確かめようとしないのかなぁ。日本のマスコミの信頼性が問われているというのに、他人事のような顔をしておそろしくのんきにピント外れの話をしていた。

 あたしゃ日本のジャーナリズムの先行きが心配なんてのんきなことは言わない。足元が心配だ。NHK擁護派と誤解する人がいるかもしれないけど、あたしゃNHK嫌いで通っている(NHKの体質を参照のこと)。NHKがきょうつぶれても構わないと思っているぐらいだ。


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posted by らくだ at 22:09 | 東京 🌁 | Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そうそう!と頷きながら、拝見しました。

『「スポンサーの圧力に屈してもOK」とでも思っているのだろうか。』
私も常々思っていることです。
報道ニュース番組は勿論、メッセージ性が強い番組を見ても、スポンサーに目がいきます。そして、あぁ、そういうことかと思うことも多々。

報道やニュース、コメンテーターや評論家、論点がずれてない?私がずれてるのかしら?と思う事も多々。

政治家にしても報道マンにしても職業魂というものは、どこに行ってしまったのだろう。
Posted by nana at 2005年02月11日 01:11
 マスコミの人たちって反権力とか言ってますが、自分たちが一大権力になっていることに気づかずに好きホーダイやっているような気がします。

 昨晩のニュースでも、北朝鮮が核兵器の製造を公式に認めたことよりも、前日のサッカー北朝鮮戦の方が大きな扱いなのは、民放・NHKとも変わらないんですよね。こんなに大衆迎合的でいいんだろうか? 日本人の学習能力が落ちているとか騒がれていますが、マスコミの影響も大きいのでは?と思ってしまいます。
Posted by らくだ at 2005年02月11日 10:29
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筑紫妄言録2
Excerpt: NEWS23のキャスターであり、世界の妄言王、筑紫哲也氏の妄言録
Weblog: 神のいどころ
Tracked: 2005-06-13 16:50