こちらから2カ月ほど前に送ったのは、読み終わったハードカバーの「台湾人生」だ(この本については2010年5月19日付の「書籍『台湾人生』」を参照)。いわば古本。なのに婆ちゃんは「台湾人生書本、有がたく感謝の心で受取りました。此の台湾人生の本はとっても細まかく讀ました。すばだしい好い本です」(原文ママ)と喜んでくれた様子だ。日本語の本を読んだのは数十年ぶりだという。そりゃそうだよね、日本語を使うことは長年禁止されていたんだし。
去年の秋に再会した際、婆ちゃんとその家族に大変失礼なことをしてしまったのに、婆ちゃんの優しさは最初に出会った時から変わらない。こちらが何か些細なことをしただけでも心から喜んで、何倍(何十倍?)ものお返しをくれる。私へのお返しってだけじゃなく、半世紀以上も前に感謝の心を婆ちゃんに植えつけた日本人へのお返しだってことは分かっている。でも、私は日本人を代表しているわけじゃない。こんなにしてもらって申し訳ない気持ちになる。婆ちゃんの恩師ってどんな人だったんだろう。「あなたのおかげで台湾の人に私が今こんなにお世話になっています」って伝えられないのが残念だ。
さっそくいただいたお茶をいれた。鼻に抜けていくお茶の香りがふんわりとやさしくて、婆ちゃんをはじめ台湾で会った人たちと同じイメージ。みんなの顔を思い浮かべながらありがたくいただいた。また台湾に行きたくなってきた。今年は何月に行こうかな。
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