成田空港に着いた後、荷物が重いので宅配便で送ろうと思った。『そうそう、カギを出しておかないと家に入れなくなっちゃう』と思い出したところまでは良かったのだが、いつもの場所に入っていない。あわてて荷物を全部チェックしたのだがどこにもない。夫は上海にいる。つまり夫が帰ってくる翌日まで自宅には入れないってことだ。顔がひきつっているのが自分でも分かった。
空港のホテルカウンターに行って成田周辺で宿泊できないか聞いてみる。「5800円からありますが、連休中なのでどこもいっぱいです」とのこと。都内に出るしかない。自宅に荷物を送っても夫が帰ってくるまで受け取れないので、送るのはやめて荷物を全部持って暗い気持ちで電車に乗った。こういう時に限っていつもよりも荷物が多くて重い。
友人に電話して事情を説明し「今晩泊めてくれない?」と泣きついてみようかな〜とも思ったのだが、連休の中日だし、彼女にお土産を買ってきていないし、自分だったら泣きつかれても困るよな〜と思って諦めた。
バックパックにズタ袋に免税店の紙袋。足元はソックスにTEVAのアウトドアサンダル。どうみてもホームレスのおばさんだ。紙袋が破け始めてホームレス度が一段とアップしたところで、どうにかネットカフェに落ち着くことができた。
最近は旅にパソコンを持参しているので、ネットカフェに行くのは自体数年ぶりだ。シャワーは使えたし、飲み物は自由に飲めるし、雑誌の最新号がずらっと揃っているし、もちろんパソコンも使え、にわかホームレスの身には結構快適な空間だった。暗くて静かで予想以上に仕事が捗り、ほとんど寝ないで働いた。
次の日は夫が帰ってくるまで時間をつぶすのが本当に大変だった。それにしてもカギをどこに落としたんだろう。自宅のカギなんて旅行中に使わないから、ホテルの部屋で落としたとしか考えられないのだが、チェックアウト時には忘れ物がないか室内をチェックしていたつもりだった。次は何をなくす/落とすのか怖くてしょうがない一方、正直に書くと自分がどこまで間抜けなのかちょっと楽しみでもある。
今はネットカフェで仕事がはかどったんだから良しとして良いのかな。
ずっと前、NYのホテルの部屋に日本の家の鍵忘れてしまって、帰国の飛行機の中で途方にくれたことを思い出しました。
そういえば、私はこれが初めてではなく、アフリカのザンビアにカギを置いてきたことが…。あの時は部屋に袋を置いてきたのを覚えていて、そこに撮影済みのフィルムも入っていたので帰国後に電話した上でからの封筒を送って返送してもらったのでした。大家さんが隣に住んでいたのもラッキーでした。
今回は夫が翌日帰宅だったのが不幸中の幸いかも。これで2週間後に帰りますなんて話だったらどうしていたのか自分でも分かりません。