格調高いというかスノビッシュな誌面で、あまり私の趣味に合わないのは昔と変わらないかも。この雑誌の文章があまり好きじゃないってのもあって、アップル特集は途中で読むのを中断中。
巻末の付録は「特製オリジナルブックマーク」。要するにしおりだ。何が特製かっていうと、スティーブ・ジョブズの「金言」つき。その一つが「海軍に入るよりも海賊になった方がいい」。結構笑えた。直訳調の日本語もさることながら、内容がいい。これはジョブズみたいな人が言って、その通りに行動するからいいのであって、みんながみんな海賊になったら社会は成り立たないんじゃ…。などとここで静かに突っ込んでおく。
しかし、この雑誌のおかげで「ヤンテの法則」のことを知った。幸福度ランキングで世界一位に輝くデンマークについての記事に出てくる。国民の幸福度に直接関係して紹介されているわけではなくデンマーク人気質の象徴として出てくる。1933年に発表されたデンマークの小説に出てくる架空の町「ヤンテ」で守られている掟だという。英語版のwikiにあるJante Lawの内容は以下の通り(らくだ超訳による)。
1.自分が特別だと思うな。とまあ、こんな具合で謙虚であれという教えが徹底的に繰り返されている。ヒルズ族からカツマーへと流れは変わりながらもここ何年か流行っている「成功者崇拝」とは正反対の教えがすごく新鮮に思えた。
2.他人と同等の地位にいると思うな。
3.他人よりも賢いと自惚れるな。
4.他人よりもすぐれていると思い上がるな。
5.他人よりも物事を知っていると思うな。
6.他人よりも重要人物だと思い込むな。
7.自分が何かを得意だと思うな。
8.他人を笑うな。
9.他人が自分に気配りしてくれると思うな。
10.他人に何かを教えられると思うな。
そういえば学生時代にタイで偶然会ったデンマーク人の女性と1週間くらい一緒に旅行したことがある。とても気が合って何年かたってからコペンハーゲンまで訪ねて1週間ほど泊めてもらったっけ。考えてみれば、気が合ったというのは私の一方的な思い込みだったかもしれない。彼女にはこのヤンテの法則が染み込んでいて、ごく自然な行動として英語も満足にしゃべれない日本人の面倒を見てくれたんじゃないだろうか、と今になってふと思った。
クーリエ・ジャポンによると、幸福度ランキングの2位以下10位まではスイス、オーストラリア、アイスランド、バハマ、フィンランド、スウェーデン、ブータン、ブルネイ、カナダの順。日本は90位でアメリカ(23位)、ドイツ(35位)、英国(41位)、フランス(64位)はおろか中国の82位も下回るという悲しい評価になっている。