2006年03月18日

らくだ版ロングテール理論(?)

 去年の10月に別のブログを始めた。「温泉ニュースBlog」という温泉についてのニュースサイトだ。夏に「ブログ 世界を変える個人メディア」という本を読み、影響されやすい私は「ブログというツールをこんなダラダラ系の文章を垂れ流すために使っているのはもったいないかも…」と思い、試験的に始めてみたのだ。

 別に題材はなんでもよかった。温泉が好きだから温泉を取り上げることにしただけ。半年弱やってみて、ブログは本当に個人メディアとして利用できそうだなぁと思えてきたところだ。

 翻ってみると、このひとりごとはまさにチラウラ・ブログ(チラシの裏に書きゃいいようなことを書いているブログ)。ブログでなくてもウェブ日記でも旧来の日記帳でも、それこそチラシの裏にでも書きゃ済みそうだ。そんなことを考えているせいか、最近の更新がどうも疎かになっていけない(と、ここで言い訳しておく)。

 個人メディアといっても、既存メディアに対抗しようなんて思っちゃいない。そもそもメディア批判のブログだって、メディアがあるからこそ成り立っているはずで、新聞やテレビがなくなってしまったら全国、あるいは世界から情報を個人で集めるなんて到底不可能だ。

 だから各種報道を著作権侵害にならないように料理し、できるなら一次情報を基にして書くことを自分に課している。要するに生の情報だ。そこで、最近では温泉施設にメールを送ったり、時間を見つけて電話したりすることが増えた。

 半年近くやってきて、施設の対応が大きく2つに分けられることに気づいた。一つは鼻もひっかけてくれない(汚い表現ですみません)というか、まったく否定的な反応のところ。もう一つは、とても好意的であらゆる情報を提供しようとしてくれるところだ。

 まず最初のグループ。究極の反応はメールに返信すら来ない。どこの馬の骨とも分からない人間がやっている個人サイトなんて相手にしていられないということなのだろう。

 不思議なことに、これまでメールに返信してこなかったところに限って、申し合わせたかのように公式サイトで「メディアに紹介されました!」なんていうコーナーがある。そして○○テレビとか△×誌に出た様子がこと細か&得意気に記されている。

 ただし、こういうところは、オープン当日になっても入浴料金や営業時間といった大切な情報がサイトに掲載されていない。ひどいところになると、公式サイトが「○○温泉ただいま建設中 近日中オープン!」のままになっていたりする。

 公式サイトに情報が掲載されていないので電話すると、「え、趣味で温泉の紹介をやってる? ヒマだねぇ、あんた」と嘲笑され、「個人のページなんかで別に紹介してもらわなくてもいいよ…」という対応をされたこともあったっけ。

 片やもう一つのグループ。問い合わせのメールを送ってから返信が届くまでの最短記録は20分だ。こういうところは、何週間もたってから「新しいプレスリリースが発表されました。こちらのほうが詳しい内容になっています」とわざわざ送ってくれるなど、アフターサービスもきめ細かい。

 打てば響く系のところは、公式サイトにも必要な情報はすべて載っている。オープン日にサイトができていないなんてことも、これまでない。そもそも、公式サイトなんて営業時間・料金・アクセス・館内の設備などが載っていれば十分なのだ(ダメなところはフラッシュを使って木の葉を降らせるなど余計なところに力を入れる代わりに必要な情報がすっぽり抜けている傾向がある)。

 意外だったのは上場しているような大手企業の広報だ。個人サイトなんて相手にしてくれないだろうなとダメ元でメールを送ると、ちゃんと返事がくる。先に書いた20分で返事をくれた人(しかも日曜日に)は大手上場企業の広報だ。ほかにも、私のサイトを丹念に読んで感想を書き添えてくれた人もいた。

 きょう、なんでこんなことを書く気になったかというと、最近話題のベストセラー「ウェブ進化論」を読んで、なるほど温泉施設にも「ロングテール派」と「恐竜の首」派がいるのかと、おかしくなったからだ。

 読んでいない人のために簡単に説明すると、温泉施設の経営者や広報担当者の中にも無意識のうちにネットや個人サイトの影響力を理解している人もあれば、既存のメディア以外に眼中にないって人もいるってことだ。

 この本、話題になっているだけあって、とても面白く読めた。日々ネットにどっぷりつかっている人は既に知っていることだけかもしれない。むしろ、あまり縁のない人向けかも。でも、全く縁がない人だと、何が書いてあるのかこの本の価値が分からないかも。そういう意味で、まさに私向けだった。
posted by らくだ at 22:05 | Comment(2) | TrackBack(0) | Web&ブログ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「ブログというツールをこんなダラダラ系の文章を垂れ流すために使っているのはもったいないかも…」、「翻ってみると、このひとりごとはまさにチラウラ・ブログ(チラシの裏に書きゃいいようなことを書いているブログ)。」
・・・・・そんなブログの中毒患者になっている私の立場がないです〜(笑)。

今日もらくださんのダラダラ系の文章を「ふむふむ〜、なるほど〜。」と読んだハググからの書き込みでした〜(笑)。
Posted by ハググ at 2006年03月18日 22:48
アハハ…
私もその部分を書きながら一瞬『ひょっとしたらハググさんに突っ込まれるかもしれないな〜』と思いました。以心伝心でしょうか? (^^;

 読みに来てくれる人がいるというのは大変ありがたいことです。はい。それだけは間違いありません。でも、なんで読みに来てくれるのか、とか考え出すと、はてさて分かりません。
Posted by らくだ at 2006年03月20日 00:24
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