読んで初めて分かった。この「自分以外はバカの時代!」という言葉は吉岡忍が2003年7月9日の夕刊に寄稿した小論のタイトルだった。要するに借り物。コピーの使い方がうまいな〜。つい引っかかって?しまった。
なんでこの本に関心を持ったかというと、若者かどうかは別として、他人を見下す人が増えているように漠然と感じていたからだ。ネット上でも「自分だけは絶対に正しくて、周りが全員間違っている」みたいに熱くなっている人に出くわすことがある。
で、そういう人への対処法が分かるかなと思って読んでみた。結果としては対処法は分からなかったものの、フムフムなるほどと思いながら一通り読んだ。それなりにおもしろかった。
筆者がいうには、怒りを頻繁に感じる子供が増えている。物質的に恵まれて、我慢を知らない子、思い通りになる子が増えてきたのが背景だという。そして「やる気」というか上昇志向がなくなり、他人を軽視することで自分が優位にあるように思い込む(筆者はこれを「仮想的有能感」と表現)人たちが増えているというのだ。
その解決方法とは(1)しつけの回復(2)自尊感情の強化(3)他人と直接交流する場を増やす−だそうだ。仮想的有能感の解説は詳しくて読み出があるのだが、解決方法はさらりとしている。結局のところ、人と人との関係が希薄になっているのがすべてのような気がした。
教えていただき、ありがとうございます。アマゾンに行ってみてきました。本当にすごいですね。
タイトルやコピーなど「売れるようにうまく作られた本」だとは思いますが、ざっと読む限りはおもしろかったです。なんていうのかな〜。「若者だけじゃなくて、中年だってそうだよな。私も気をつけないといけないなぁ」と自戒の書として読みました。
私も若者の一人ですが、この本は単に「自分の価値観を絶対善とする人が増えた」と言いたいのでしょう。
例えば最近よく言われる「日本人で良かったー」がこれですね。
外人に純和食を食べさせると大抵「臭い。不味い。どれも同じような味」と言います。
昔の日本人なら
「なるほど、外人は味噌・醤油に慣れてないから細かな違いが分からないんだな。
逆に我々は向こうの調味料に不慣れだから、外国料理を大味で不味く感じてしまう」
今の日本人は
「ああ、外人は味音痴だから和食の繊細さが理解できないんだな。
だから外国料理は同じのような大味ばかりで不味いんだ」
本書は感情に任せた幼稚な決め付けが多いですけど、理屈としては概ね同意できます。
ただしこの風潮は若者だけでなく最近の日本人全般に当てはまります。
まさにこの本の著者も、過激な書評をして「見下す」人も、タイトルにあることをやっているわけですから。
日本人がアメリカ人化してきてるってことです。
皆さん、お願いですからこれを読んで「そうそうそうなんだよなー」とか納得しないでください。
でも、アマゾンでは評価低いんですね。
確かにちょっと読みにくいなぁ。と少し感じましたが、“他人を見下す人”にしばしば出会って嫌な思いをしてる自分としては、納得できる解決策は提示されてないものの、『原因』が判って少しすっきりしました。
自分に自信が無い。っていうのはこの国の姿勢そのもののような気もします。
政府が決める色々な政策、決断。
自分で責任を取ろうとしない姿勢。
国がそういう風だから、国民一人一人もそうなっちゃってるのかなぁ・・・。
などと、変に深読みしてしまいました。