2010年04月13日

2日続きで…

IMG_1639.jpg 朝方の7時すぎ、我が家の地域担当の集配郵便局から電話がかかってきた。こんなの初めてのことだ。「海外から書留が届いているのですが住所が不完全でして、丁目番地の数字部分に電話番号が書いてあったので電話しました」という。「その書留って台湾からですか?」「あ、心当たりありますか?」「はい、まぁ…」という会話を交わした。

 予想通り春子ばあちゃんからだった。確かに番地部分に電話番号が漢数字で書いてある。しかし、丁目番地も住宅番号もちゃんと書いてあった。封筒の一番上の郵便番号部分に。不思議な表記ではあるけれど、郵便局の人も分かってもよさそうなもんだと後で思った。

 きのうは陳さん、今日は春子ばあちゃんと2日続きで台湾からの便り。しかも春子ばあちゃん、先日の電話で「何か送るから」と言っていた通り、天然石のネックレスを2本同封してくれていた。手紙には「そまつの物ですが請笑納」と書いてある。日本風の謙遜がばあちゃんらしい。「又合へるのを楽しみに待て居ります」ともあった。

 台湾で会った際はこちらが日本の絵葉書を2枚差し上げたら、植民地時代の銀貨3枚とチーク材の立派な箱(象嵌細工付)をくれ、今回は写真を2枚送ったらネックレス2本だ。どうみたってもらいすぎ。わらしべ長者だってこんなにうまいこといかないだろう。

 DVDは日本と台湾のリージョンコードが違うから送るのを諦めたので、日本の唱歌などのCDを送ることにした。軍歌のCDは没収されてしまうだろうか? 今の時代ならもう大丈夫かな? 少し不安なのでやめておこう。

 2人の陳さんは偶然私に会ったことで日本への郷愁ともいえる想いが強くなってしまったのだろうか。2人にとっては私が日本の代表みたいなものだと思えば、2人に対して決して恥ずかしいことはできない。2人に会ったことで「人間として正しく生きる」ことについて生まれて初めて考えるようになった。
 
 こんな出会いを経験し旅の余韻をこんなに長く味わえるなんて、私はなんて幸せな旅人なんだろう。

【追記】14日にお礼の電話をしたら、「あれサンゴだよ。たくさんあるから心配しなくていいよ」と言われた。いえね、私も短いネックレスを見て『ひょっとしたらこれサンゴじゃないかな?』とは思ったんだけど、なんせジュエリー類にはうとくて自信がなかった。ばあちゃんは先手を取るように「お返しの物なんて送って来ちゃダメだよ」と言っていた。

【過去の関連記事】
2人の陳さん(2010年3月10日)
春子ばあちゃんからの電話(2010年3月31日)
陳さんからの手紙(2010年4月12日)
       
タグ:台湾
posted by らくだ at 23:50 | Comment(7) | TrackBack(0) | 旅日記ほか旅関連 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして♪いつも楽しみに拝見させていただいてます。

ほんとに素敵な出会いと繋がりですね。
らくださんのお人柄ですね。

「人間として正しく生きる」
一番大切なことが、忘れられているのかな・・・
Posted by ユウコ at 2010年04月14日 09:52
日本の教育を受けた春子さんから、現代の日本人が教えてもらうというところがすばらしい。 教育は正しく生きろ、これだけは忘れるな、と教えればあとはおまけのような気もします。
Posted by Reny at 2010年04月14日 14:28
>ユウコさん
初めまして。いつもご覧いただいているとのこと、ありがとうございます。

自分で書くのもヘンですが、先月の旅は旅の神様が舞い降りてきて私に力を貸してくれたみたいでした。最初の3日間だけ友人と一緒だったのですが、台湾を好きになってもらおうとガイド役に徹してあちこち案内して回ったので、旅の神様が素敵な出会いというご褒美をくれたのかな〜、なんて非現実的なことを考えたりしています。

日本は敗戦国だから戦時中の全てを否定しなくてはいけないような気でいたのですが、少なくとも春子ばあちゃんの先生は素晴らしい人物で自分の仕事に真剣に取り組んだことだけは間違いなく、その教えが80歳を超えるばあちゃんに染み込んでいるという事実に深い感銘を受けました。

私は同じ日本人としてその先生と比較されるわけですから、恥ずかしいことはできません。それでもその先生にはかないそうになありませんが…。

今度ばあちゃんに会う際は先生のことをもっと聞いてみたいと思っています。

>Renyさん
初めまして(でしょうか? 違ったらごめんなさい)。

日本の心を台湾の方からこちらが教えてもらうって、考えてみるとすごく間抜けな感じもするのですが、ある意味で春子ばあちゃんと陳さんは私の知っている誰よりも日本人らしい日本人です。

2人の日本人観を形成したのは、戦乱の時代に「清く正しく美しく」生きた日本人に違いありません。名前も知られていないごく普通の人々に感謝しなくては、という気になりました。

人間の価値っていかに正しく生きる/生きたたかで決まるんだな〜、と2人に会って初めて実感した次第です。
Posted by らくだ at 2010年04月15日 00:01
ご無沙汰しております。

今日、会社でイヤなことがありましたが、
らくださんのブログを読んで、なんだかすっきりいい気持ちに癒されました。

「人間として正しく生きる」

そうですよね。ホントそう思います。

らくださん、ありがとう(T-T)

Posted by うに at 2010年04月15日 18:31
>うにさん
こちらこそ、ご無沙汰しております。

そうなんです、私も「ある日突然『もう日本語は話すな、これからは中国語で生活しろ』なんて言われ、それまで信じていたものがすべて否定されたらどうなるんだろう?」と想像すると、それが実際に起きた春子ばあちゃんの人生に比べれば自分の悩みなんてちっぽけなもんよ、と思えるようになりました。
Posted by らくだ at 2010年04月17日 23:26
初めてコメントします。
いつも、らくださんの温泉情報を見てから、夫婦で旅に出ています。
先日台湾に行ってきました。
旅の終盤で、台北の駅を出て、私はむしょうに泣きたくなりました。
終始、台湾の人々に助けてもらった、あったかい旅でした。
また行きたいです。

そして、春子おばあちゃんの珊瑚ですが、ご存知かとは思いますが、非常に貴重なものだと思います。
価値的にも貴重ですが、おばあちゃんの真心が加わると、もう・・・プライスレスですね。
らくださんの旅先の出会いのエピソードを読むと、らくださんのお人柄がよくわかります。
どこかの国のどこかの温泉で偶然に出会ったときには、ぜひ、夕食でもご一緒しましょう!

これからも楽しみにしています。

ひさこ

Posted by ひさこ at 2011年10月31日 22:03
ひさこさん

初めまして。コメントありがとうございます。偶然ですね、私は5日から台湾へ行く予定で、今日も(正確には昨日になってしまいましたが)おじいちゃんの陳さんに電話して、どこで何日に会うか相談していました。

日本から持ってきて欲しいものを尋ねたら「キャベジン」だそうです。今までは「何もいらないから」と言われていたので、はっきり教えてくれたことでさらに間が縮まったような気がして嬉しかったです。先日、日本に来た時に大瓶を10本くらい買っていたのですが、足りなかったそうです。

台湾に行く度に会う人が増え、それに比例しておみやげも増えるので荷物がどんどん大きくなっていきます。ヤバいです。

台湾の温泉(海外の温泉全般)の情報は今後、ホームページを更新しないつもりですので、何か質問などありましたら遠慮なくメール(アドレスはこのブログの右側下の方、もしくはホームページの各ページ下部にあります)を送って下さい。
Posted by らくだ at 2011年11月01日 00:21
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