2004年12月19日

ドンキ報道のバイアス

 ここんとこ足が遠のいていた駅向こうのスーパーに行ったら、いつもと様子が違う。何がおかしいんだろうと考えたら、いつもなら足元のすきまに所狭しと突っ込まれている野菜類が消えて足元がすっきりしていた。スカスカして妙な気分。ドンキホーテ放火事件の影響とみた。

 私自身、ドンキには1回しか行ったことがない。足を踏み入れたときの印象は『テレビは大きな地震があったときにコンビニ店内のビデオじゃなくてドンキ店内の様子を映せばいいのに』。要するに地震のときはドンキにいたくないなぁと思った。火事のことなんて考えもしなかった。

 そんなわけで、今回の放火事件も「圧縮陳列」がクローズアップされて伝えられている。そういう目でみると、社長の記者会見をテレビで見ても『あそこまで泣き崩れたのにすぐに立ち直ってちゃんとしゃべれるのはおかしい。ウソ泣きじゃないの?』と思えてくる。「消防庁が改善を要求していたのに対応していなかった」と非難する声もある。

 でも、ちょっと目のつけどころを変えれば、マスコミは被害者のドンキにかなり冷たく批判的な論調ともいえる。放火されたほかの店、たとえばロフトとかニューライフカタクラで死者を出すような火災になっていたら、マスコミは果たして同じような報道をしていたんだろうか。どうも疑わしい。ドンキはこれまで深夜営業で地元住民と軋轢を起こしたり、薬品販売をめぐって厚労省とやりあったりと、いわば小売業界の問題児。ヤリ玉にあげられやすいのは分かる気もする。ライブドアの堀江社長が嫌われるようなもの?

 マスコミが例えば「消防庁が改善状況のチェックを怠った」という点に目を向ければ、まったく違った報道になっていたんだろう。マスコミの論調がどっちに流れるかで世間の目が同情的になったり、批判的になったりするんだな。放火を未然に防ぐリスク管理だけじゃなくて、いざというときに批判的な目を向けられないようにするリスク管理っていうのも、ドンキには必要だったのかもしれない。 
posted by らくだ at 18:57 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(3) | メディア | 更新情報をチェックする
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ドン・キホーテ連続放火事件の容疑者/犯罪のライセンス?!
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Tracked: 2004-12-19 20:19

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ドンキ火災と死刑制度
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