2016年のオリンピック開催地決定をめぐる大騒ぎをみていて不思議に思った。一体いつからこんな騒ぎになったんだろう? 大阪が立候補したときはこんな大騒ぎじゃなかったよね?
そもそも大統領・首相・国王といった人たちが開催地決定の場にそろって乗り込むなんて、以前はなかったんじゃないだろうか。しかも、鳩山サンなんてスピーチの中で「オリンピック精神」に触れていた。国のリーダーが開催地決定の場でスピーチしたり、オリンピック精神について語ったりすること自体、オリンピック精神に反すると思うのだが。オリンピックは政治や国益とは無縁であるべきだ。
オバマ大統領が"I urge you to choose Chicago"と直接的な言葉で投票を求めているのを聞き、なんだかちょっと高圧的に思えて不愉快になった。夫人もちょっと押しつけがましかったよね。英語圏の人にはスッキリくるのかもしれないけれど、アジア圏やほかの地域には私にみたいに感じた人もいたのだろう。シカゴは最初の投票で最下位だった。
日本についても鳩山サンが金色の勝負ネクタイをして乗りこんでいく場所は他にあるでしょうに…と冷ややかな眼差しを送ってしまった私だ。「コンパクトな大会」を売り込むのにあまりにも「ビッグな招致活動」だったようにも思う。
オリンピックのああいうプレゼンテーションは、政治家やプロアスリートを排し、縁の下の力持ち的な無名の人たちがやるべきだ。もし私がIOC委員だったら、政治や商業ベースから最も遠いプレゼンをやった国に投票する。
で、今回は4カ国横並びだったとして(リオとマドリードについては報道を見ていないのでプレゼン内容は全く知らないのだが)、リオが選ばれるのは当然だと思う。ブラジルはおろか南米全体でもオリンピックが開催されたことがないのだから。3年前から私はリオを支持してきた(2006年8月30日付の「東京でオリンピック?」を参照)。ごく公平な決定で納得できた。
リオデジャネイロの皆さんだけでなくブラジルの皆さん、ひいては南米の皆さん、オリンピック開催決定おめでとうございます。
2009年10月03日
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敗退後になって出て来るんでしょうけど、立候補の時点で費用対効果検討されているとは思えなかったし、招致活動にこれだけ金かかりますなんて話もあまりなかったように思います。
そもそも投票先をプレゼンテーションで決めて欲しくないですよね。いいオリンピックはいいスピーチをしたからと言ってできる訳ではないんですから。一つ一つ落として行く方法も一回決戦投票するだけで十分な気が。
いずれにせよどこでやろうとまた感動の押し売りみたいな事になるのは正直うんざり。
・・・・・私もそう思います。新鮮さという点でリオが一番だと思いますから。
IOC委員の人が日本に来た時、反対活動の市民運動の人たちがプラカード持って集まったら、IOC委員に見えないように都バスを駐車して目隠しにしたそうです。それ聞いて苦笑しました。
今度のオリンピックも各局がそれぞれのテーマ曲を設定して繰り返し流すのかと思うと、競技での感動の押しつけの前にうんざりします。私はミスチルが好きだったんですが、どうもオリンピックで曲が使われたあとは聞く頻度が落ちてしまいました。
>ハググさん
冷静に考えれば誰だってそう思いますよね。開催できるだけの実力(競技場の準備や治安など)があるかどうかの問題だけで。
日本もアメリカも政府専用機を予備機含めて飛ばしてコペンハーゲンまで行くなんて、国家財政上も環境上も好ましくなかったですね…。果たしてこの教訓が次回に生かされるか?