2009年06月26日

2人のスター

 一世を風靡した人気者のファラ・フォーセットとマイケル・ジャクソンが相次いで亡くなった。自分の中にある70年代と80年代の思い出が、ほんの少しながらさらさらと音を立てて出て行ったような気がする。しかも出て行くときにチクリとどこかを刺して行った。

 2人とも決して好きなタイプではない。ファラ・フォーセット(私はファラ・フォーセット・メジャーズという名前のほうが馴染みがある)は、お世辞にも演技がうまいとはいえなかったし、わざとらしく口を開けて歯を見せたあの笑顔が好きになれなかった。彼女は結局のところ「ピンナップガール」「チャーリーズエンジェルの人」以上にはなれなかった。

 ファンには怒られそうだが、マイケル・ジャクソンのパフォーマンスに足を踏みならしてブーイングをしたこともある。スリラーが出る少し前のこと、スティービー・ワンダーの武道館公演に行ったら本人は風邪をひいたとかで途中で楽屋に戻り、代役として若かったマイケルが出てきて1、2曲歌い、スティービー・ワンダーの歌を聴きに来ていた私たち観客から大ブーイングを浴びたのだった。

 それからほどなくしてスリラーが爆発的に売れ、私は偉そうに「あの時のブーイングが彼を育てた」なんて解説していた。マイケル・ジャクソンのアルバムで唯一買ったのがスリラーだ。

 彼の音楽はそれほど好きじゃなかったけれど、音楽を「聴くもの」から「見るもの」に変えたという点で彼は歴史を変えたと思う。特にスリラーのプロモーションビデオはとてもよくできていて、何回見ても飽きなかった。ジョン・ランディス監督(ブルースブラザーズ)が手掛けただけのことはあった。

 スリラー以降、彼の顔はどんどん変わり、奇行が報じられるようになり、裁判沙汰になったり、顔を隠したり、訳が分からなくなった。あまりにも早く頂点を極めすぎてしまったんだろうか。アルバム「BAD」の出来も平凡だったし、たまにテレビやネットで見る顔は、新婚時代だってとても幸せには見えなかった。最近の話題は「金欠」とか「顔が溶け始めた」など、ほとんど東スポが扱うようなネタばかりだった。

 一方のファラ・フォーセットは肛門ガンが全身に転移していたそうだ。ほかの人達のガン治療に役立ちたいという思いからガンと戦う自らの姿をTVドキュメンタリー化することを願って実現したと聞いた。チャラチャラしたTVタレントだと思っていたが、最後に気骨を見せてもらった。長年のパートナーだったライアン・オニールに看取られて亡くなった一方、オニールとの間にできた息子は薬物使用で逮捕されて拘置・矯正中。親の最期を見届けられなかったそう。

 2人が人気絶頂だったころ、こんな亡くなり方をするなんて全く予想していなかったよ。2人の早すぎる死に合掌。
 
posted by らくだ at 20:50 | Comment(2) | TrackBack(0) | 書評・芸能など | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
らくださん、こんにちは♪
私はマイケルファンではありませんが・・。

スリラーの頃のマイケルの顔が1番良かったかなって思います。
そのあとは整形のため(?)むしろどんどん醜く、
哀れになっていったように思っていました。
今回の死とも無縁ではないですよね。
ずっとコンプレックスの中で生きてきたのかなって思い、なんだか悲しいです。
マイケルのコンプレックスの件で、黒人差別や
人種としての黒人に興味を持ちました。
我々日本人も、差別という意味においては無縁ではないですし。
Posted by ケイト at 2009年06月29日 17:25
>ケイトさん
そうですね、マイケルの顔はどんどん厚化粧のおばさん顔になってしまって、余計なお金があるのも考えものだなと思っていたら、そのお金にも困るようになって…。

頂点を極めすぎた人って孤独なんだろうなって思います。彼は幸せな人生を送ったのかなぁ? こうしてみると平凡な1人のおばさんとして生きている私は幸せ者なのかもしれません。
Posted by らくだ at 2009年06月29日 21:03
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