2009年05月31日

転載ブログの功罪

 他人の記事をブログに転載していた男性が逮捕されたというニュース(産経新聞)を読んでちょっと驚いた。ネットでの転載は野放し状態になっていて手がつけられないと思っていたから。

 この人が転載していたのはgooヘルスケアの記事で、昨年7月から今年1月までの163回。もっと長寿の転載ブログをいくつも知っているけれど…。要するに新聞サイトから記事を転載されても、いちいち監視していられないけれど、gooヘルスケアに記事を提供していた「法研」にとっては十分監視の対象であり、許せなかったってことなんだろう(参考=法研の発表したプレスリリース)。

 1、2年前だったか、世界のブログで一番シェアが大きい言語は日本語だという調査結果を見た。その時に思ったのは「どうせ、日本は転載ブログの占める割合が大きいんでしょ」ってことだ。もちろん海外のブログでも転載ブログを見かけることは多々あれど、割合からいうと日本の転載ブログ&スパムブログ(=存在価値のないブログ)は異常に多いように感じる。

 最近では出典さえ明記すれば好きなだけ転載・転用してもいいと勘違いしている人が多いみたいだ。自分の言葉でリライトし、自分のオリジナルだといえる部分が半分以上を占めていないと、著作権侵害を指摘された場合に不利かもしれないなんて考えてもいないんだろう。

 私自身、ネットを使い始めた時に比べれば、著作権についての考え方が随分変わってきたのを実感している。それでも知人から「あなたの著作権に関する意識はグーグル登場前の時代レベル」と化石扱いされて笑われたことがある。

 不思議なのは、新聞記事や他人のブログをまるごと転載するだけのブログを運営していて楽しいんだろうか?ってこと。楽しさじゃなくて広告収入が目的と言われるかもしれないが、オリジナリティのない転載ブログで広告収入が稼げるほど世の中甘くないだろうに。

 というわけで、私は基本的に転載ブログに対して批判的な立場なのだが、正直いうと転載ブログに感謝することも多い。というのも、日本のニュースサイトは記事の掲載期間がすごく短いからだ。リンクをたどると数日で「その記事は存在しません」と出てきて記事が読めない。従って、検索で引っかかって出てくる個人の転載サイトで探していた記事を読むことが多々ある。そういう意味では転載ブログをやっている人に感謝しないといけない。
 
posted by らくだ at 16:08 | Comment(3) | TrackBack(0) | Web&ブログ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
具合はもうよいんですか? お仕事だとしかたないところもあるけど、
たまにはゆっくり目も休ませてくださいね。

この記事を読んで、あたしもちょっとビックリしました。
そしてドキドキしました(>▽<;; アセアセ
滅多にないけれど、あたしもたまーにニュースを転載しているので。
理由は、らくださんの言う「掲載期間の短さ」からです。

一応、自分の文章もかなり長いけど、しばらくは気になる記事があっても
おとなしくしていようかなと思いました(小心者w)

転載記事だけのブログは、あたしも謎です。
なんのためにやっているのか不思議でなりません。
・・・あるイミ仕事? ・・・そんな仕事イヤだな(^^;
Posted by くれないしおん at 2009年06月01日 02:10
ここに書き込むのは久しぶりです。

ニュースが野放しなのは、ニュース記事が著作物といえるかどうかが微妙だからではないですか?
確か、ニュースのタイトルかなんかが無断で使用されて著作物と認められた判例があったと思うんですけど、それ以外はなかなか微妙な問題だと思います。
ニュース記事は記者の意見が全て書かれてるわけではないですからね。
もちろん書かれてれば立派に著作物ですけど。
でも記事自体は著作権が発生するから、やっぱり著作物なのかな〜。いろいろややこしいですね。
Posted by ハル at 2009年06月01日 21:56
>くれないしおんさん、
 体調は普通に戻りました。ありがとうございます。(^^)

 この人は実名を出されて報道されてしまったのに驚きました。実際にどのようなブログだったのか、実物が見てみたいです。後学のためにも。

>ハルさん
お久しぶりです。転載する人のほとんどは「これは著作物に当たらないから転載しても著作権侵害にはならない」と判断して行動しているのではないと思います。そこまで考えられる人なら自分自身の言葉を紡げるでしょうし、プライドもあるでしょう。

ニュースの見出しは、ほとんど各社横並びですから、それが著作物として認められれば、記事内容は当然著作物として認められるのではないでしょうか。

プレスリリースの内容をチョチョイとリライトしたような記事なら著作物には当たらないと思いますが、苦労して取材して取った関係者のコメントは、たとえ記事中では数行しかなくても取材、執筆をした人間にしてみれば、自分にしか書けないオリジナルなものです。それを何の苦労もせずにパクッて行く人間は、書き手の“はしくれ”として軽蔑します。
Posted by らくだ at 2009年06月01日 22:14
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