きのうまではチューブで鼻から酸素を入れていたのが、今朝からは酸素吸入マスクになった。本人はいたってしっかりしていて、マスクをこじ開けてのど飴を口に入れ、「マスクの形が顔に合わなくて痛い」と看護師さんを呼んだかと思うと、テレビのチャンネルを水戸黄門に替えて見入っている。酸素吸入マスクや点滴、尿管などを付けていなければ、いつものようにスタスタ歩き出しそうな勢いだ。
先生に言わせると、これだけの低酸素状態でこんなにしっかりしている患者は見たことがないそうだ。定年退職してからネパールやパキスタンに計20回ほど遠征して5000〜6000メートル級の山々をあちこち歩き回ってきたので体が低酸素に慣れているらしく、先生も「驚異的」と言っている。
そんなハードな山歩きはできなくなったけれど、来年は一緒に南米アンデスの山を見に行けたら、と思っていた。私に今できることは、現在のステロイド治療の効果が出ることを祈ることぐらいしかない。