2008年11月24日

「テロなら断じて許せない」

 元厚生事務次官とその家族の連続殺傷事件はもちろん卑劣な犯行であったことはいうまでもない。しかし、政治家が「テロなら断じて許せない」などと発言していたのはどことなく違和感があった。

 ふと思い出したのは先日の2件のひき逃げ事件だ。酔っ払った運転手が被害者を引きずったまま数キロ走って逃走、被害者が死亡した痛ましい事件。あれが「テロ」だなんていう人は誰もいないけれど、私にとっては同じように「断じて許せない」事件だった。庶民感覚では宅配便を装った人間に刺される可能性よりも、道端でひき逃げされる可能性の方が大きいってのもある。

 連続殺傷事件の犯人は昨日自首、これまで伝えられているところによると、年金テロではなくて何十年も前にペットを保健所に殺されたことを逆恨みしての犯行だという。それじゃ、年金テロじゃなかったから少しは救いがあるのかというと、そんなもんでもないだろう。特に被害者の家族・遺族にとっては、どんな事件であろうとも「断じて許せない」はず。

 結局のところ、政治家や官僚が対象になった殺人事件は庶民対象の事件よりも重大で許せないっていう意味だよね。そんなの当たり前と言ってしまえばそれまでだけど。ここ数日バタバタしていてニュースを見る暇もないのだが、「テロなら断じて許せない」などと言っていた人たちが、犯人の逮捕後に何て言っているのか知りたいもんだ。
posted by らくだ at 23:30 | Comment(1) | TrackBack(0) | 国内ニュース | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
年金テロとかで色めきだって、政治的に利用する動きが活発だったように思えます。
ただ、調査が進むに従って、新しいタイプの犯罪者ではないかと恐ろしくなってきました。
犯人は潔癖症のクレーマー。
犯人にとって少しでも気に喰わないことがあると殺人にまで発展。本人が正しいことだと信じているだけに手に負えません。
モンスタークレーマーの上を行く感じです。クレーマー対策も命がけの時代です。
Posted by のびぃ太 at 2008年11月25日 07:43
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