入院というのは、もちろん本人が一番つらいものだと思うのだが、家族だってそれなりにエネルギーを使う。病院に縁のなかった私は右往左往の毎日だ。父の入院から1カ月余り。ここにきてめきめきと回復して年内に退院できる見通しになったのはめでたいが、それにつれて注文も多くなってきた。
「年賀状の印刷を頼んでおいてくれ」なんていうのは分かる。多いのはおやつの要望だ。「みかんを買ってきてくれ」「今度はバナナだ」「チョコレートが食べたい。アメリカのハーシーのやつ」「キャラメルと飴だ」と、老人とは思えないリクエストが寄せられる。クスリの副作用で糖尿病になる恐れもあると聞いていたのに、「食べ過ぎなければ大丈夫だと言われている!」と断言する。
それならいいでしょう、と言われるままに運び屋をやっていたのだが、病室内の冷蔵庫の中にお菓子の空き箱、空き袋が入っているのに気がついた。聞くと「部屋のゴミ箱に捨てると、お菓子を食べているのがバレるから隠しておいた」と悪びれる様子もない。担当医が大丈夫と許可してくれたなんてウソなのだ。
着る物にもうるさい。病室内が結構寒いというからフリースのガウンを持って行き、外出許可がおりたから出かけると聞いてユニクロでエアーテックジャケットを買って行った。言うことはいつも同じ。「ジジイくさいなぁ」。う〜ん、ユニクロでジジイくさかったら、GAP KIDSあたりに行けってことか。こっちはプチギレして「360度どこから見ても(ジジイなんだから)大丈夫! それともあたしのこの赤いダウンと交換する?」と反論を許さない口調でピシリと言って置いてきた。
そしたら次は電話攻撃だ。「以前利用した旅行会社の電話番号を調べてくれ」。もしやもしや、退院したらまたネパールやパキスタンの山を歩くつもりじゃ…。うちの老人が元気を取り戻しつつあるのはありがたいとはいえ、あたしゃそれに反比例するかのように元気を吸い取られてしぼんでいく感じだ。
2005年12月16日
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それも、楽しみの一つになってきているのかもしれないですね。
娘から叱られるのもうれしいのかも。
かみさんが、オカンに「これ暖かそうやったし買ってきた」と衣類を渡すと「わしには無いんか」と剥れる親父を見るのも面白いものです。
かみさん悩んでますがね…
そうそう、まさに子どもに戻っていくような感じです。
着るものは逆で、父のものを買うと夫がモノ欲しそうな顔をします…。もうすぐクリスマスですねぇ。
>ハググさん
きょうは「年末ジャンボ宝くじを当たるところで買ってきてくれ」って要望が寄せられました。宝くじなんて買ったことのない私は「当たるところ」なんて言われてもどこだか分からないので、テキトーに病院の近くで買ってごまかしました。
「となりのととろ」のビデオをつけておくと小一時間は一人で病室で待っていられます。助かります。
父親の付き添いも経験ありますが、今までの親のイメージが崩れ落ちるくらいのショックでした。
わがままいえるのは甘えている・ストレス解消の矛先になっていると我慢しましたが、付き添いの母親のストレス解消もしなければならない板ばさみの経験でした。
家族が入院すると家庭が崩壊しますね
お互い体調管理も頑張りましょう。
食事制限している患者が夜な夜なベットを抜け出して自販機や売店で何かを食べているのを発見した時にそのまま注意してもなかなか直らないそうです。そういう時は次の日の回診の時にカルテを開いて検査値を見るふりをして、”おかしいですねぇ。ぜんぜん良くなっていないです。このままでは退院はもう少し先になりそうですね。とか、もう少し様子見て変わらないようでしたらもっと薬増やしましょう”とか言うと効果てきめんだそうです。
そっと主治医に言ってこの手を使ってみたらどうですか。
クリスマス、お正月を控えてのお子さんの入院、大変ですね。
幸い私の父は順調に回復しており来週退院できることになりました。
>ナッカーさん
不安になって看護師さんに聞いたんです。そうしたら血糖値は正常だから大丈夫です、と言ってくれて一安心しました。
甘いものを持参するのはやめたんですが、本人が回復するにつれて頻繁に外出許可もらっているみたいなので、自分で買っているのかもしれません…。おかげさまで28日か29日に退院できそうです。