2004年04月09日

明暗分かれた日韓の人質

 朝になってみたら、イラクで捕まった韓国人は全員解放されていた。そんなこともあるんだ。キリスト教の布教活動をする宣教師だか牧師らしいけど、自分たちは医療関係者だと言ったら犯人側の態度がコロッと変わり、解放してもらえたんだそう。この人たち、本当のことを言ったらどうなっていたんだろう。ラッキーだったな。

 そのニュースを聞いて、日本人3人も開放されるかもしれないという期待感がわずかに膨らんだ。自分たちが何のためにイラクに来たのかをちゃんと説明すれば、あるいは…。高校を出たばかりの男性はどうか知らないけど、残る2人は海外経験も豊富みたいだし、アラビア語はむりでも英語でちゃんと説明できるんじゃないかな。やっぱ甘い考えだろうか。解放された韓国人のことを考えると、この3人は運が悪すぎるよ。

 政府が珍しく早い段階で「自衛隊の撤退はない」との立場を表明したせいで、選択肢の幅はグンとせばまった。誰だったか忘れたけど政府高官が「犯人側からはまだ連絡がありません」とか言っていたけど、待っていれば向こうから連絡が来るとか本気で思っているんだろうか? 向こうは既に十分なメッセージを送ったと思っているのでは? 次に何か言ってくるのは3日間の期限が切れた後のような気もするんだけど、そんなことで大丈夫なのか?

 相手がカネでの解決を望んでいる保証はない。身代金が欲しかったら、とっくに連絡してきていると思う。いまさら自衛隊の撤退をちらつかせて時間をかせぐこともできないでしょう。私の単純な頭でも考えつく解決策ときたら、犯人による自主的な解放か強行的な救出作戦しかない。

 アルジャジーラを使って3人がイラク入りした目的を紹介するとか、家族や政府高官が出演して解放を訴えるなどの企画はあるみたいだけど、のんびりしている余裕はない。あらゆる手段を講じるべきだ。いままでのところの各種報道をみていると、政府は「3人を見殺しにするのもやむなし」と腹をくくったように思えてならない。

【追記】9日付ニューヨーク・タイムズは、韓国人が解放される際に3万ドルを支払ったと伝えている。そうしてみると、やっぱり日本人を捕まえた犯人とは全然別だったてことみたいだ。日本人の荷物は焼かれたとも伝えられている。カネやモノ目当てとは思えない。(4月10日朝方) 
posted by らくだ at 23:31 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(2) | 国際ニュース | 更新情報をチェックする
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