久しぶりにインドネシアに行ってきた。夫婦2人での1週間の旅のうち、温泉宿に1人で2泊した。その2軒の風呂が上の写真。
左側は1泊10万ルピア(約1100円)の宿。いえね、別にそこまで安い宿を探していたわけじゃなく、たまたま『このあたりの部屋を見せてもらうか』って最初に入ったところで「部屋の風呂も温泉で、お湯はず〜っと出しっぱなしだよ〜」と言われ、ふらふらと「んじゃここにする!」って決めてしまったってわけ。
決めてから気づいた。この部屋には洗面台ってものがなく、水道の類は浴槽に注いでいる温泉パイプだけしかないってことを。写真の手前右側に見えるトイレは手動水洗で、浴槽の湯を手桶ですくって流す。極めて原始的なシステムだ。もちろん部屋には冷蔵庫もエアコンもない。なんだか学生時代の旅行を再現しているようで1人で苦笑いした。
風呂もシャワーはないので手桶を使うしかない。手桶が大活躍だ。敷地内には15メートル×20メートルくらいの温泉プールがあり、プール脇のシャワーも温泉なので、シャワーはそっちを使った。部屋の温泉は四六時中出っぱなしなのはいいのだが、さすがに夜中はチョロチョロとうるさくて安眠妨害なので止めて寝た。
右側は次の日に泊まった1泊69万ルピア(約7600円)の温泉リゾートのバスルーム。温泉なのでお湯に色がついている。しかもバスタブの底に粉状の湯の花が積もっている。こういう洋風のバスタブには似合わない。どうも温泉らしくなくて雰囲気はイマイチだ。バスタブのシャワーとは別に右手にはスタンディングシャワーもある。
前の日に安く上げすぎたっていう反省から、この日はもう少しグレードを上げるつもりだった。ところが適当なところを訪ねてみたら週末だったこともあってどこも満室。にわか雨が激しくなってきたこともあり、最初は『高そうだな』って通り過ぎたこのリゾート施設に駆け込んで妥協した。
ちょうど1週間前、6月14日のことだった。チェックイン後、岩手・宮城内陸地震が起きたことを友人からの携帯メールで知った。友人には「今日の宿はCNNが見られると思うのであとで見てみる」と返事を出しておいたのだが、アジアでCNNやBBCが見られればNHKのBSも見られるってことを忘れていた。
チェックインするまでは周辺の温泉施設を何軒か回るつもりでいたのだが、NHKの地震ニュースを見出したら動けなくなってしまった。気が付いたらベッドの上に正座してテレビを見ていた。自分がどこにいるのか分からなくなった。ロビー周辺はホットスポットだったからミニノートを持っていたら、サイトの更新をしていたかもしれない。
せかせかしている自分には、今なお左側のショボ宿の方が合っているのかもしれない。