今年の漢字が「絆」になったそうだ。私は何ヶ月も前から「災」になるだろうと思っていたので、なんだかホッとするとともに自分のネガティブさを実感した(写真は8月に奈良の興福寺で撮影)。
悪い意味の漢字は選ばないんだっけと思って過去をさかのぼって調べると、2004年に既に「災」という字が選ばれていた。しかし、2004年に大きな災害なんてあったっけ。思い出せない。ちなみに1995年は「震」、1998年は「毒」、2001年は「戦」、2007年は「偽」と、災害や犯罪絡みの漢字も選ばれていた。
私はことし「絆」という言葉を噛み締めた記憶はない。それでも、震災後に日本が海外の多くの国からたくさんの支援を受けて「情けは人のためならず」ということわざが頭の中でグルグル回っていたのは、考えてみると「絆」を感じていたのかもしれない。
今怖いのは年末の特別番組。きっと各局が1年を振り返る番組で東日本大震災の悲惨な場面を何回も繰り返し流すだろう。それを想像するだけで胸に重しを載せられたような重苦しい気分になる。
新聞の写真ならそれほどショックはないのに動画を見るのはなぜか怖い。震災直後はテレビにかじりついていたのに、同じ場面を見るのが今ではつらい。逃げたくなる。東京に住む私がそんな風に感じるというのはヘタレすぎるのか…。時間がたてば乗り越えられるだろうか。