でも、婆ちゃんはすごく真面目だった。被災地の子供たちのことを考えてお土産を用意し、私が運ぶ負担を少しでも軽減しようと自ら台北に持ってきたのだった。そういう意味では物理的な重さよりも真心の重さがずっしりと来た。
話は数カ月前に遡る。津波被災地の子供たちが書いた作文集「つなみ」を読んで、子供たちが世界の人たちの支援に感謝の気持ちを強く持っているのに感動し、婆ちゃんも読めば喜んでくれるだろうと軽い気持ちで送ったのがきっかけだった。
婆ちゃんは作文に綴られた子供たちの懸命な姿に感動、何かしないではいられない気分になって子供たちへのプレゼントを用意したのだった。支援金3万元(日本円で2万7000円弱)に加え、自分で編んだという袋に入った100枚近い古銭を手渡された。
婆ちゃんの気持ちを何とかして届けようと、帰ってきてから作文集の出版元に手紙を書いた。ひょっとしたらこれまでも同じような人がいて、出版社に連絡しているかもしれない。「そういう方はこちらへどうぞ」みたいなルートができていれば、私にも同じように紹介してくれるだろう。忙しくて返事は来ないかも知れないけれどダメ元って気だった。
そうしたら、今日、担当の方から電話がかかってきた。ひとしきりお礼を言われた後で、このようなお見舞いの申し出は初めてのことだと言われた。上司の方とも相談した結果、津波遺児の支援をしている団体を紹介してはどうだろうということになったそうだ(具体的な団体名を教えていただいたけれど、とりあえずここには書かないことにする)。
そういう団体なら現金(もちろん私が日本円に両替する)は歓迎してもらえるだろうけれど、「子供たちに直接渡して欲しい」なんていって古銭を持参しても困るだろう。私は骨董品などの関心がないので、この古銭にどれだけの価値があるのか分からない。
私が子供だったら、海外の古銭をもらったら素直に嬉しいし、それをきっかけにしてその国に興味を持つかも知れない。そんなこともあって、古銭は換金しないでそのまま渡したいとは思うのだけれどど、果たしてどうすればいいものやら。もし、これを読んでいて、何かアイデアや提案があるという方は、コメントないしメール(メールアドレスは右側の下の方にあります)で教えていただければ嬉しいです。