ブロガー“あゆむくん”のお父さんがバスツアーに参加した際に他の参加者から暴言を吐かれ、お父さんは何も言い返さずに途中のSAでバスを降り在来線の駅まで数時間歩いて帰ってきたのだという。どんな暴言かは上記リンク先のブログを見ていただくとして、私が反射的に憤ったのは暴言を吐いた男に対してではなく、ほかにもたくさんいたであろう他のバス乗客に対してだった。
だって、頭のおかしな人はどこにでもいる。それに「もう二度と会うことはないのだから」と平気で旅の恥をかき捨てる自己中で無神経なオレサマ人間は世の中に一定の割合で存在する。
だけど、まさかツアーバスにそういう人だけが集まっていたってことはないだろう。正常な感覚の人が多数を占めていたと思いたい。それなのに運転手や添乗員をはじめツアー参加者全員が聞こえなかったフリをしていたのだろうか。同じ人間として情けない。
ここまで書いて、自分だったらどうするか考えてみた。例えば誰かと一緒だったら行動を起こしやすい。女友達と一緒だったら、お父さんに「こっちに来て座りませんか?」と声をかけるかな。夫と一緒もしくはグループ参加なら、暴言男を注意する(正確には「注意してもらう」)かな。
でも一人だったら? お父さんに「こっちに来て一緒に座りませんか?」なんて言うのは変だし、そうかといって暴言男に直接「私が読んだり聞いたりした限りでは、放射能が移るなんてことは絶対にありません」とか、もう少し正直に「あんたバカ?」なんて言って男に逆ギレされたら怖い。せめて添乗員に対処をお願いするくらいだろうか。
要するに一人だと、自分の対応策はかなり減る(自分で勝手に減らしているだけだけど)。常日頃「オバサンに怖いものなし」をモットーにしているっていうのに、実際のところは「虎の威を借る狐」ってところか…。考えてみると、私は何もしなかったバス乗客を責められるどころか、乗客と同じ穴のムジナ、卑怯者の一人にすぎない。