2011年07月10日

美容師さんに聞いた被災地の様子

 髪を切りに行った。美容師さんとはもう長い付き合いで、いつも話が弾む。3月以降は震災関連の話がほとんどを占めている。というのも、彼女は小柄で体もそれほど丈夫じゃないのに、2連休取れるときは夜行バスとレンタカーを利用して被災地まで出かけ、髪をカットするボランティアをしているからだ。

 実際に被災地に行ってみて、テレビや新聞で知っている被災地との一番の違いというか、一番ショックだったことは何だと思うかと尋ねられ、思いつくままに挙げてみたら、ことごとく外れた。

設備が不十分で十分なサービスができない→それは覚悟して行っている
希望者が殺到する→対応可能な人数しかやらない。最高1日20人程度
逆に需要がない→少なくとも1日7、8人の髪を切っている
対応不可能な要望を出される→感謝はされるが無理難題をいう人はいない
匂いがひどい→慣れてくればそれほど気にならない
ハエが多い→確かに大きなハエが多いが、これもさほど問題ではない

 これ以上思いつかなかったので、何が一番意外だったのか正解を教えてもらった。それは、避難所の片隅や通路などの目立たないところに、うつろな目をしてぼ〜っと座っている人たちが少なからずいることだった。子供は全般的に元気、女性もまずまずで、そうして生気なく座り込んでいる人たちはほとんどが中高年の男性だという。ほかの被災者が「髪の毛切ってもらえるから頼んだら?」と声をかけても返事もしないそうだ。

 そういう人たちはもちろん、メディアの取材に応じることもないからテレビにも映らないし新聞記事にも出てこない。すると体外的にはまるで存在しないかのようなことになる。というか、自分自身はそういう人たちが存在してもおかしくないとは思いつつ、実際に存在するという事実は頭の片隅にもなかった。「テレビに映って自分の考えを言っている人たちは、被災者の中でも強くて大丈夫な人たち。問題はテレビに映らない被災者たち」と言われ、なるほど現地に行って奉仕している人の言葉は重みがあるなぁと感心した。
      
posted by らくだ at 23:25 | Comment(2) | TrackBack(0) | 話題 | 更新情報をチェックする
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