最初は何かの間違いかと思った。だって、大震災のあとはほとんど暖房を使わず、寒くても毛布をかぶって過ごしていた。照明だってこまめに消し、ドライヤーもなるべく使わなかった。とにかく徹底して節電したつもり。それなのに去年の同じ時期に比べて使用料が増えているなんて。
しばらく考えて理由が分かった。去年のこの時期は夫と1週間ほど九州まで出かけていたのだった。それ以外にも日帰りであちこち出かけていた。それに対して今年の春、私は「青春18きっぷ」を1日分しか使っていない。とくに自粛を意識していたわけじゃない。それでも積極的に活動する気分になれず、巣ごもり状態でテレビを見ていることが多かった。在宅時間が大幅に増えたのだから、電力使用量が去年よりも多いわけだ。
震災後に節電のためにパチンコ屋やゲーセンは営業自粛・短縮すればいいのに、みたいなことを書いた記憶がある。実際には自宅でじっとしていないでパチンコやゲームに出掛けたほうが総量としては節電になったのか…と思うとちょっと複雑な心境だ。
資源エネルギー庁が先日発表した「家庭の節電対策メニュー」(PDFファイル)には、事細かな提案があって、消費電力の大きな電気製品(温水洗浄便座、電気ポット、食器洗い乾燥機、オーブントースター、掃除機、ドライヤー、洗濯乾燥機(乾燥)、浴室乾燥機、ジャー炊飯器、電子レンジ、アイロン、IHクッキングヒーター等)は平日の9時から20時を避けて使いましょうなどと書いてあり、ふむふむと読み進んだ。最後の方に「ライフスタイル」として「旅行や外出も節電に役立ちます」とサラッと書いてあるが、これは結構大切なことなんじゃないだろうか。
少なくとも我が家みたいに東北電力と東京電力の管内に住んでいて自宅で仕事をしている人は、自宅外でできることは外でやって、なるべく家を空けるというのが最大の節電になりそう。我が家でこの夏15%の節電を達成するには、それしかないように感じている。私はエアコンを使わない覚悟だけど、暑くなりそうだなぁ。とにかく去年の夏よりも出かけよう。